終始主張は食い違ったまま…貴乃花親方が日本相撲協会を退職

2017年1月6日に明治神宮で行われた奉納土俵入りでの一コマ。八角理事長、尾車親方、貴乃花親方(左から)(写真:つのだよしお/アフロ)
 大相撲の貴乃花親方=元横綱、本名・花田光司=が9月25日、日本相撲協会に引退届を提出した。

 親方はその後、東京都内で会見し、内閣府へ提出した協会運営の不備を批判する告発状をめぐる協会との見解の溝を埋められなかったことなどを理由に挙げた。

 親方は今年3月9日、昨年秋に弟子の貴ノ岩に対し元横綱・日馬富士がケガを負わせた傷害事件に絡んで告発状を提出したことを発表。しかし同18日に弟子の貴公俊の暴行事件が発覚したことから、23日に告発状を取り下げた。

 親方によると協会側は「告発状(の内容)は事実無根」とする見解を伝え、親方にも認めるよう要求したという。さらに無所属だった親方にある協会幹部が「一門に属さないと部屋は運営できず、事実無根と認めないと一門に所属できない」と圧力をかけたという。親方は「真実を曲げて告発状を事実無根とすることはできなかった」と述べた。また騒動が長引くことで「弟子を委縮させたくなかった」とも話した。一方で「無念というか、悲しい思いです」と悔しさもにじませた。
 これに対し協会は「事実無根」という見解を持っているものの、親方に認めるように求めてはいないという。また「圧力をかけられた」という主張についても協会は否定した。

 部屋に在籍している力士や床山らについては貴乃花親方と千賀ノ浦親方(元小結・隆三杉)が26日に会談を持ち、千賀ノ浦部屋へ移籍することで合意した。千賀ノ浦親方はかつて貴乃花部屋付きで独立した。

 千賀ノ浦親方は貴乃花親方の退職については「本人が決めること。意志が固い」と話した。

 親方が辞める場合は引退届ではなく「退職届」が必要なことから協会は25日の段階では受理しなかったが、10月1日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、貴乃花親方の弟子の千賀ノ浦部屋への移籍を承認し、親方の退職届を同日付で受理した。
 親方は協会側からの話し合いの呼びかけには応じず、八角理事長(元横綱・北勝海)は「このような形で協会を去るのは残念」と述べた。

 貴乃花親方と協会の主張は終始食い違ったまま、問題が解明されることもなく「平成の大横綱」が角界を去ることとなった。