女性24歳「やりたいことがたくさんあって困っています」【黒田勇樹のHP人生相談 78人目の2】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 ハロウィンの喧騒が取りあえず過ぎ去ったと思ったら、今度はクリスマスなんですって。もうかよ!?

 そんな世の中を横目に11月の八幡山ほしがりシスターズの次回公演『進撃の白雪姫と四十七人乗っても大丈夫な蔵』の絶賛稽古中です。

 そしてまたご相談が途切れてきました。皆さん、クリスマスや年末年始に向けてなんかあるでしょ、お悩みとか相談事とか。ここで解決していい年末にしましょうよ。

 ではとりあえず今週も始めましょう。

※編集部注:相談者の前回までのお悩みはこちら

糸こんさん(女性24歳)のお悩み
「ひとまず「健康第一で、趣味も仕事も程々にする」人間になろうかと思います」

 黒田さん、お返事ありがとうございます。

 まさか、この相談をして「お前は、何者なんだ?」と問われるとは思いませんでした。
 それは、私が物心ついてから20年程、ずっと疑問に思い続けている事だったからです。

 私は一体何者なんだろう?

 母には母の、父には父の役割があり、兄や弟にもそれぞれの特徴があり。自分のことだけが何にも認識できず、非常にあやふやなまま過ごしてきました。

 私は幼い頃からずっとピアノを習っていましたが、私からピアノを取ったら何が残るんだろうと思うくらい、私は私としての存在意義を失うんじゃないか、と思いました。

 暫くして、私は何者にもなれるんじゃないかとも思いました。何者かになるということは、きっと習い事や熱中できる趣味が付加してくるものだと思ったんです。

 何者かになるためには、何かを始めればいい。自分が何者かになったと結論を出せた時って、きっともっと先の未来で、50〜60代くらいになってやっと分かるのかも。そう思いながら生きてきました。

 でも、「私は一体何者なのか」を今決めて良いんですね。

 それに向かって物事を始めればいい。その発想は今までありませんでした。

>いつでも変更していいから、今「何者か」を決めてみて一歩踏み出すことが今回のお悩みの解決法かと思うのですがどうでしょうか?

 まさにそうかもしれません。とても勇気を貰えました。いつでも変更していいんですね。

 何となく私は、それをやると決めたら絶対全うしないといけなくて、今の生活や仕事を完璧に熟すのは大前提で、その上でやらなければならない、それが出来ないならやるべきではない、その他のものは排除しなければならない、くらいまで考えていた所がありました。幼い頃に叩き込まれた教育のせいかもしれませんが。

 とりあえず「どうやって死にたいのか」については、「やりたい事を全部やってから死にたい」です。理想は「体力をつけて全部やる」。老後に楽しみは取っておきたくない。やりたい時にやりたいことをやりたいです。

 後悔するのは嫌なんです。見たかった舞台がどうしても見れなかった時のように後悔したくありません。

 あの時あれを始めていれば今違った生活をしていたのかもとか、私はこの先も何者にもなれないんじゃないかとか、生き急いでいるような部分はあるかもしれません。

「自分が一体何者なのか」については……うーむ、「やりたい事をただひたすらやっていたい女」だなと思ったのですが……現状「やりたい事に手さえつけられていない中途半端な女」だと思うので……。ひとまず「健康第一で、趣味も仕事も程々にする」人間になろうかと思います。達成出来そうなところから少しずつ……その後は筋トレの時間を増やしていけたら……(この回答で合っているでしょうか?)。やはり、ちゃんと生活を送れる所からかと。QOLを向上させたいです。自分が何者なのか、あとから変えてもいいんですものね。

「覚悟」は、物事を始める時に決めるものだと思っていました。でも、始める前になんですね。とても世界が開けました。黒田さんに相談して良かったです。ありがとうございます。

糸こん

◆黒田勇樹「間違いに気づいたらいくつになったって、やり直していいんだと思ってま」


   お、なんか解決してる! もう1ターンぐらい続くかと思ったけど、良かった良かった。

 なんていうんだろうなー、始めてみないとわかんないことっていっぱいあるんですよ。

 今回の相談者さんもここまで色々手を出してみたからこそ「体力がもたない」ということに気付けて、その先をどうしようと考えるスタートに立てた。

 僕も仕事のない時期に脚本の勉強がしたくて「工場で働けば、手を動かすだけでいいから、頭の中では構想練り放題なんじゃないか?」とパン工場でバイトしてみたら、ただひたすら流れてくるパンの生地を「めくれ! めくれ!」と怒鳴られながらめくり続けるという地獄を経験し「俺は、パンじゃねぇ」と気づいたことがあります。

「自分が何者であるか」も、多分無意識というか本質的な部分ではもっと深くもうわかってて、だからこそ「やりたいこと」が沢山あるわけで、それに飛び込み続けると、そのやりたいこと達が「何故やりたいのか」が、わかってきて、今の「やりたいことがいっぱいある女」から二転三転していくんだと思います。

 だから、相談者さんの「自分が何者かになったと結論を出せた時って、きっともっと先の未来で、50〜60代くらいになってやっと分かる」も、その通りなんだよね。つか、50〜60でも、まだ全然かもしれません。

 科学の実験と同じで「自分が何者であるか」も、仮説を立てて検証して、間違ってたらやり直してトライアンドエラーの繰り返しなんです。

 で、ある日「これを死ぬまで続けたらどうなるんだろう」という壮大な実験が始まり、その人の生き様がくっきりしてくる。でもやっぱ実験だから、間違いに気づいたら99才だって、113才だってやり直していいんだと思ってます。

 介護の仕事しながら演劇、だってやってみないと出来るか分かんないし、やってみれたことは大体出来る様になる。両立出来なかったら、そこから何故出来なかったのか、どちらを続けたいか、どうしたら続けられるかと考えていきましょう。

 本質に辿り着く前にコロコロ変えちゃうのはどうかと思うけど、覚悟してやって失敗したことなら必ずその経験が何かの役に立つから。

 まずはクオリティオブライフ、健康第一で体力作り頑張って下さい!(その答えであってますよ!)

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<過去の人生相談はこちら>

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▼33歳主婦「アラサーのニート妹に不安を抱えています」【黒田勇樹のHP人生相談 77人目 その2】

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▼24歳女性「やりたいことがたくさんあって困っています」【黒田勇樹のHP人生相談 78人目】
http://www.tokyoheadline.com/190662/

黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として活躍。主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともに TBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にてキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパー・メディア・フリーター」と名乗り、ネットを中心に謎の活動を開始。2012年3月には自身のことを記録した『非俳優生活100days』を刊行。 現在は「廃優」と名乗り、俳優業に復帰しているとの噂も。

公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23

最近の黒田くん

また、この季節がやって来てしまいました
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