平成最後の一般参賀に過去最高の15万4800人

 新年恒例の一般参賀が1月2日、皇居で行われ、天皇、皇后両陛下と皇太子ご夫妻をはじめ皇族方が宮殿「長和殿」のベランダで集まった人々に応えられた。

平成最後の一般参賀に臨まれた天皇、皇后両陛下(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

 天皇陛下は「本年が少しでも多くの人々にとり、良い年となるよう願っています。年頭に当たり、わが国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります」と述べられた。

 今年は平成最後ということもあり、参賀者は15万4800人と平成最多だった昨年の12万6720人を大きく上回った。

 陛下は譲位後はすべての公務を皇太子さまに譲られる。宮内庁は来年以降、両陛下の一般参賀へのご出席は「未定」としている。

 天皇陛下は4月30日に退位し、皇太子さまが翌5月1日に新天皇に即位する。本来なら新元号は新天皇即位後に公表、公布、施行されるのが望ましいところなのだが、安倍晋三首相は4日、三重県伊勢市で行われた年頭の記者会見で、天皇陛下の譲位と皇太子さまの新天皇即位に伴い5月1日に改める新元号について「国民生活への影響を最小限に抑える観点から、先立って4月1日に発表する」と表明した。

 4月1日に改元政令を閣議決定して今の天皇陛下が公布され、新天皇即位と同時に改元する。皇位継承前の新元号の公表は憲政史上初めてとなる

 当初、首相は新元号の公表日を4月11日と考えていたのだが、土壇場で4月1日に前倒しした。その最大の要因は、大半の日本企業が導入している米マイクロソフト社の基本ソフト(OS)「ウインドウズ」の更新時期。

 同社は毎月1回、第2水曜日に全世界統一ソフトの更新を行っているのだが、4月は10日、5月は8日となる。政府は当初、4月10日に開かれる天皇陛下御在位委30年の「お祝いと感謝の集い」の翌日の11日に新元号の公表を検討していたが、11日ではソフト後進に向けた改修作業が5月8日まで行うことができず、5月1日の改元に間に合わない。

 多くの日本企業の会計ソフトはウインドウズを基礎としており、改元に間に合わせようとすると、会計ソフトだけを選考して新元号に対応できるよう開発・改修する必要が出てくる。それには数億円の費用が掛かり、また不具合が生じる可能性もあることから、4月11日の公表では大きな混乱を招きかねないと判断した。

 5月1日0時から幕が開ける新元号は「大化」(西暦645年)以来、248番目の元号となる。新元号は、(1)国民の理想としてふさわしい良い意味を持つ、(2)書きやすく、読みやすい、(3)過去に使われていない——などの点に留意し、数個の「原案」に絞り込み、有識者懇談会での意見聴取などを経て最終決定する。