次世代エコノミーに必要なものは? 早稲田大学で熱血トーク【BEYOND 2020 NEXT FORUM】


2020年以降のビジネスアイデアを起業家と学生が考える



 そうした現状をふまえ、両者が2020年以降の日本を元気にするためのアイデアを発表。廣末は「仮想通貨技術を使って、世の中を便利に楽しく」と宣言。たとえば、現在、平均販売価格が11万円の冷蔵庫を、販売価格を無料にして、ドアを1回開けるごとに0.8円課金というビジネスモデルが可能になるという。ビットコインを使った少額決裁が可能になることで、経済圏もますます広がると将来を見据えた。重松は「シェアリングエコノミーを圧倒的に成長させる」と宣言し、生産人口が減少していく中で、これからはみんなで助け合う時代だとシェアリングエコノミーの必要性を説明。業界団体の代表として、今後も盛り上げていくとした。

 社会に次世代の仕組みが浸透する際、さまざまな規制と向き合っていく必要がある。議論は次世代ビジネスと規制というテーマに及んだ。廣末は「命とお金は1番ミスしてはいけない部分なので、保守的な姿勢は絶対に必要」とした上で、「新しい技術は誤解されやすい。分からないからといって規制するのは、もう時代に合わない」と語った。一方、重松は海外との違いを言及。「アメリカや中国は、とりあえずやってみようという姿勢があって、ある程度のところで一緒に法律を作っていく。日本はリスクを恐れるがあまり、ユニコーン企業が生まれる機会を逃している。スタートアップが育たないのはもったいない」と経営者ならではの視点で日本のマーケットを考察した。

 議論のあとは、学生たちによるグループワークを実施。「シェアリングエコノミー、ブロックチェーンに代わる次世代の〇〇エコノミーを考える」というお題でアイデアを出し合った。ある学生は「クレジットエコノミー」を提案。「人間版の食べログのように、個々人の信頼や評価がビジネスにつながると面白いのでは」とユニークなアイデアを発表した。登壇者も「個人の時代になっていくなかで、時代の流れに合った考え。自分の隠れた能力が発揮しやすくなるのでは」とフィードバックし、感想を語った。会の最後には、登壇者から学生にメッセージが送られた。廣末は「これからは新しいビジネスが出てきて、チャンスが加速すると思う。起業は紙一枚でできるのでぜひ挑戦して」とエールを贈る。重松は「日本が古いものから変わっていこうという流れがあるので、皆さんは伸びる業界が分かると思う。日本はまだまだ起業家の数が少ないし、競争率も低いので、起業するには良い環境」と語りかけ、授業を締めくくった。

「BEYOND 2020 NEXT FORUM−日本を元気に! JAPAN MOVE UP!−」プロジェクトは今後もさまざまなテーマで開催予定。
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