DYGL、観客がジャンピングアラウンドの熱狂ライブ



 DYGLは2年前も同じレッドマーキーでプレイしたが、当時とはまた違った感情でステージに立っただろう。この2年間はDYGLを飛躍させた。確実に知名度も高まり、レッドマーキーは溢れんばかりのオーディエンスで埋まっていた。とにかく人の圧が半端ない!

 最新作のオープニング・ソングでもある「Hard To Love」からスタート、重厚なグルーヴでJoy Divisionを彷彿させる「Spit It Out」、軽快なテンポの「A Paper Dream」、ダンサブルでレゲエ調の「Boys On TV」、クールなパンクサウンドの「Bad Kicks」など、新旧織り交ぜたライブ構成でDYGLの魅力を遺憾なく発揮した。個人的には初期からのレパートリーでもある「Nashville」の秋山信樹がエモーショナルに歌いあげ、下中洋介が掻き鳴らすギターには心が解き放たれる思いでいっぱいになった。

「今の日本を考えて曲を書いた」という「Don’t You Wanna Dance In This Heaven?」はメッセージを込めたサイケデリックなリフレインが印象的だ。ラストは「Don’t Know Where It Is」でオーディエンスの熱は爆発、ジャンピングアラウンドで全14曲を締めくくった。



 DYGLというバンドは、記者と異なる世代であるにしても、自分が踏み入れていた音楽シーンに彼らも一緒にいたのではないか、という錯覚すら起こしてくれる。DYGLがそのようなバンドに影響を受けているにしても、DYGLにしか出せない感性を持つ彼らは本当に素晴らしいし、諸手を挙げて応援したくなる。

 現在は最新アルバム『Songs of Innocence & Experience』を引っ提げた全国ツアー中。日本だけではなく、アメリカ、ヨーロッパツアーも控え、今後の活動にも目が離せないDYGL。次のライブも早く見たくてたまらない!


(文・Utayo Furukuni)
<<< 1 2