岡田武史氏が日本サッカー界に「主体的にプレーする自立した選手の育成」を提言

岡田武史氏

ヴェンゲル氏と岡田氏が「日本サッカーを強くする方法」を激論

 
 講演は二部構成で行われ、 第二部は元日本代表監督で、現在、FC今治の代表取締役会長を務める岡田武史氏がゲストとして登場。「日本サッカーを強くする方法」をテーマにヴェンゲル氏とトークを展開した。

 岡田氏は「彼がグランパスの監督で来たころは挨拶する程度だった。2010年のW杯の時に時々ヨーロッパに行っていた時にアドバイスをもらうようになってからちょっと親しくなった」と2人の関係を話す。そして「ヴェンゲルさんとは約束がある。2010年のW杯の時に“このグループを突破できるわけがない。だってセットプレーでどーんで終わりだろう。もしグループを突破できたら、東京にビッグスタジアムを建ててやる”って言ったんです(笑)。W杯が終わって何年か後に“約束覚えてる?”って聞いたら“ビッグスタジアムか?”って(笑)」などと2人の間でのエピソードを明かした。

 岡田氏は日本のサッカーの進化について「日本のサッカーは確実に進歩していると思う。しかしひとつだけどうしても超えれれない壁がある。主体的に自分でプレーする、自立した選手が少ない。いい時はすごくいい。ひとつ歯車が狂うと自分たちでリカバーできない。ジーコ監督の時のドイツW杯の日本代表はすごく強いと思った。ところが初戦のオーストラリアに逆転負けしたらリカバーできなくなった。ザッケローニの時もそう。ものすごくいいチームだと思った。ところが初戦で負けた時にリカバーできない。なんなんだろうとずっと思っていて、それは主体的に自分でプレーできていないからだと思った。主体的にプレーする自立した選手を育てるのが日本の課題。それを今治でやろうとしている」と話すとヴェンゲル氏も「最後に一歩踏み出す時の自分への自信がない。それが足りない。どんなプレッシャーの下でも“いける”というような自己肯定感というか、一歩を踏み出す勇気や、恐怖に打ち勝つ自分がいるということが大事。メンタルを強くしていくことが大事」などと同調した。