時代をとらえた写真家たち「奈良原一高のスペイン ― 約束の旅」

《フィエスタ セビーリャまたはマラガ》〈スペイン 偉大なる午後〉より 1963–65年 ©Ikko Narahara
 戦後日本の代表的写真家・奈良原一高の作品群のなかから、これまでほぼ取り上げられることのなかった1960年代のシリーズ〈スペイン 偉大なる午後〉に着目した展覧会。120点を厳選し、ニュープリントにより3章構成で紹介。同時期の対照的なシリーズ〈ヨーロッパ・静止した時間〉の静謐さをたたえる15点も含め、135点を展示する。 

 人間が生きる条件とは何かを思索しながら、戦後日本の新しい写真表現を切りひらいた写真家・奈良原一高。彼は1962年から65年まで、自らの表現を問い直そうとヨーロッパに滞在し、憧れのスペインで濃密な日々を過ごした。分け隔てなく人を迎え入れる祭りの熱気や、町から村へと車を走らせ出会った人々の姿、そして劇的な闘牛。歓声や熱気すら感じられるようなダイナミックなイメージの数々からは時代の熱気とともに、ノスタルジックなまなざしも見て取れる。

 本展では、奈良原がスペインと出合ってゆくプロセスをより身近に体感できるよう、写真集とは異なる構成で写真を展示。、奈良原が自ら名付けた「約束の旅」を体感しながら、1960年代のスペインを旅してみては。
奈良原一高のスペイン ― 約束の旅

【会場】世田谷美術館
【日程】11月23日(土・祝)~2020年1月26日(日)
【時間】10~18時(入場は閉館の30分前まで)
【休】月曜(祝・休日の場合は開館、翌平日休館)、12月29日~1月3日 ※1月13日は開館、翌1月14日は休館
【料金】一般1000円、65歳以上800円、大高生800円、中小生500円
【問い合わせ】03-5770-8600(ハローダイヤル)
【交通】東急田園都市線 用賀駅下車、北口から徒歩17分、もしくは美術館行バス A「美術館」下車徒歩3分
【URL】 https://www.setagayaartmuseum.or.jp/