元遊郭に泊まろう! 八戸市にある「新むつ旅館」の旅情感がすごすぎるワケ

「まるでタイムスリップしたみたい……」

 青森県八戸市の中心地から少し離れた場所にある「新むつ旅館」。訪れると、誰もが安直な感想を思わずポツリとつぶやかざるをえない。コメントとしては0点の感想。でも、時代のエアポケットに取り残されてしまったかのような圧倒的存在感は、冗談抜きで、明治、大正時代に戻ってしまったかのよう。無意識に冒頭の言葉を紡いでしまう。

 門構えからして威風堂々。上に向かって凸型にふくれているムクリの玄関ひさし。そして、屋根軒下は黒漆喰の壁。中に入ると、梁にかけられた大きな神棚、二階からせり出すように飾られている「おかめ」、周囲に目を配ると年季の入った箪笥(たんす)や装飾が施された釘隠しがある。「これぞ帳場」と唸ってしまうほどで、このまま時代劇の旅籠屋として成立しそうな舞台装置に、心がときめく。中山道の馬籠宿や妻籠宿などに行くと、たしかに趣きのある宿が点在しているから、「そんなに驚くことでもないでしょ」なんて言葉も聞こえてきそう。

 だが、この宿は上記の風情を残しつつ、唯一無二の個性が宿っている。それは、この宿が元々は貸座敷、すなわち「遊郭」だったということだ。元遊郭の面影が多分に残る宿に泊まる――これほど風情を感じられる宿泊体験は、そうそうない。

 「今度、青森県へ旅行に行くんだ。宿が楽しみなの!」
 『どんな宿に泊まるの!?』
 「もともと遊郭だった旅館。しかも、国登録の有形文化財に指定されている
  ほどなんだよ!」
 『ファッ! 行ってみたい、面白そう!』

 泊まる宿が楽しみだと、旅行は何倍も面白くなる。
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