民泊はコロナ禍とどう向き合う!? “副産物を生み出す”川越「古民家 惠比壽屋」の挑戦

古民家 惠比壽屋
「8~9割が海外からお客さんなので、コロナの影響で埋まっていた予約のほとんどはキャンセルになってしまいました。つい先ほども、オリンピック期間に宿泊する予定だったアメリカの方からキャンセルの連絡がきたくらいです」

 こう漏らすのは、川越にある「古民家 惠比壽屋」店主・溝井敏幸さん。新型コロナウイルス感染拡大の世界的な影響は著しく、江戸の情緒を感じさせる古風な蔵造りの商家が並ぶことから「小江戸」と呼ばれる、ここ川越にも影を落としている。

 埼玉県川越市のまとめによると、2019年の観光客数は前年比5.7%(41万5千人)増の775万7千人で過去最高を更新。インバウンド(訪日外国人)も同12.2%(3万4千人)増、過去最高の31万3千人を記録するなど、五輪を控えた川越はさらに盛り上がる……はずだった。取材班が利用したタクシーの運転手も、「いつもの10分の1くらいの人出ですね。どうなるんでしょうね」と、不安を口に出していたほどだ。(※取材は、緊急事態宣言が出る前に行われた)

 だが、そんな最中でもアイデアを駆使して、精一杯戦っているお店がある。それが冒頭の「古民家 惠比壽屋」だ。明治中期の建立で築約130年、元々は米穀店だった間口の広い町屋造りの商家を、宿泊施設としてリユースしている。

 と言っても、「古民家 惠比壽屋」は住宅宿泊事業者。つまり、民泊に相当するため、2018年6月15日から施行された民泊新法に則って、宿泊施設としては年間最大180日間しか貸し出すこと(営業)ができない。

 ただでさえ制限がある中で、コロナショックが襲い掛かる。泣きっ面に蜂とはこのことだが、溝井さんは「できることをやっていくしかない」と前を向く。

 実はこの古民家、ただの住宅宿泊施設ではない。大きな囲炉裏テーブルのある広い土間の奥に、居酒屋のようなカウンタースペースが併設されている。

「食品管理衛生者の許可も取っています。週に3日だけ、夜は居酒屋としてご飯やお酒を提供しています。もちろん、宿泊されたお客さんが利用することもできますし、周辺住民の方々が飲みにも来ます。積極的に交流を望む外国人のお客さんと地元の方々が談笑するスペースでもあります」(溝井さん、以下同)

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