トランプ氏が大暴言。開票中にもかかわらず「全ての投票やめさせる」

11月4日、2020年米大統領選では各地で全票集計を求める声があがった(写真:UPI/アフロ)
 11月3日に投開票された米大統領選で現職のトランプ大統領から思わぬ暴言が飛び出した。

 今回の大統領選は各世論調査では民主党のバイデン前副大統領がリードしていたが、ふたを開けてみるとトランプ氏が盛り返し、互角の展開に。トランプ氏の勢いに一時は逆転のムードも流れたが、郵便投票ではバイデン氏が有利と見られていたことから勝敗の行方は混とんとした。

 そんな中、トランプ氏は4日未明にホワイトハウスで行った演説で、まだ結果の出ていない州、そして激戦となっている各州について「勝っている」として勝手に「勝利宣言」。そして根拠を示すことなく「大規模な不正があった」と言うと「最高裁判所に行く。全ての投票をやめさせる」と言い放った。

 各州の当確発表が出そろわない中での勝利宣言が異例なら、開票を途中でやめさせるというのは民主主義の根幹にかかわること。

 対するバイデン氏は4日未明、地元の東部デラウェア州で「勝利に向かっていると信じている」と発言。4日以降に届く郵便投票を含む集計作業を「辛抱強く」見守るよう訴えた。

 ちなみにトランプ氏は件の演説で「ミシガン、ウィスコンシンでも勝っている」と主張したものの、この2州ではバイデン氏が勝利している。

 トランプ氏は早くも訴訟を起こし、大統領選の混迷はまだまだ続く。トランプ陣営は訴訟を起こすことで選挙人を確定させないまま12月14日の選挙人による投票まで時間稼ぎをすることが予想される。どちらの候補も過半数の選挙人を獲得できていない場合は連邦議会で決選投票を行い、議会下院が大統領を選出することになる。