五輪観客向けガイドライン発表も「社会のルールとして守って」「自発的、自律的に守って」と実効性には疑問符

会見で観客に向けての「新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」が発表された(Photo by Tokyo 2020)

直行・直帰を要請も実効性は…

 東京2020組織委員会は五者協議による観客数の上限決定に伴う観戦チケットの取り扱いに関しての記者会見を6月23日に行った。会見には古宮正章副事務総長、チケッティングを担当する鈴木秀紀マーケティング局次長らが出席した。

 観客数が「収容人員の50%以内で1万人」となったことからチケットの再抽選が行われる競技が発生し、それが陸上16、野球16、サッカー30、ゴルフ8、近代五種2、ラグビー8、ソフトボール7、サーフィン8、開閉会式2の合計97、チケットの枚数は91万枚となることが発表された。再抽選については7月6日に結果を発表。外れた場合は払い戻しとなり、オリンピック・パラリンピックの大会終了後から順次返金される。

 この日の会見では、これまでにもアナウンスされていた観客に向けての「新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」が合わせて発表された。

 その内容については「観戦の事前の準備」として接触確認アプリ(COCOA)等の事前登録の推奨。「会場へ向かう際の注意事項」としてマスクの着用、交通機関利用時の談笑や会話の自粛、余裕を持った来場で混雑を避ける、分散・時差入場、家や宿泊施設からの直行。「入場時の注意」として待機列でのフィジカルディスタンスの確保、入場時の検温の協力。「会場内・観戦時の注意」としてマスクの着用、咳エチケット、手洗い手指消毒の徹底、大声の会話、声や指笛などの応援などの禁止、マスク飲食の徹底(飲食中の会話自粛、話すときはマスクを着用)、売店、トイレ等の待機列でのフィジカルディスタンスの確保、必要に応じた席の移動のお願い、不必要な回遊の自粛、会場内の通路等におけるグループでの飲食の禁止。「観戦後」については分散・時差退場、家や宿泊施設への直帰、路上等での飲食や談笑の自粛、チケットの14日間保管――といったものが挙げられた。

 この会見に先立って行われた会見で橋本聖子組織委会長が発表した通り、会場内での飲酒は禁止となった。

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