新海誠監督 最新作は日本各地の廃墟を舞台に“終わりかた”を問う『すずめの戸締まり』

 

 続いて「2つ目は、扉を開く物語ではなく、扉を閉じる物語ということ。何かを始めるより終わらせることのほうが難しいと思っていました。映画作りもそうですし、仕事や恋愛もそう。少子高齢化が進むこの国にとっては、いろいろなことにおいて、始めるより閉じていくことの方が難しいのではないかとも思います」と話し「いろいろな可能性を開いていく物語より、散らかってしまったものを一つひとつ閉じて見つめ直し、次に進む物語を、今多くの方が見たいのではと感じていました」と語った。

 そして「3つ目に、映画館に足を運ぶ理由となる作品を作りたいということ。劇場や映画館は、人間の持つ、物語に没入する能力をより発揮させてくれると思います。『すずめ』があるから映画館に行きたいと言ってもらえる映画作りをしたいと思っています」と意気込みを語った。

 主人公の17歳の少女・鈴芽(すずめ)役などキャストのオーディションは今後行うとのこと。

 また、この日は新海監督の大ヒット作品『君の名は。』(2016年)のヒロイン役・上白石萌音と、『天気の子』(2019年)ヒロイン役・森七菜もかけつけ、一足先に見たというVコンテに大興奮。上白石は「これまでの新海イズムを保ちつつ、それこそ新たな扉を開けられた」、森も「ゾクゾクして鳥肌が立ちました。完成作を見たら私、鳥になっちゃうよ、と思いました(笑)」と期待を寄せていた。

『すずめの戸締まり』は2022年秋に全国東宝系にて公開。