不倫愛演じた豊川悦司「今日は“寺島しのぶの日”今日は“広末涼子の日”」

 

 映画『あちらにいる鬼』公開記念舞台挨拶が12日、都内にて寺島しのぶ、豊川悦司、広末涼子、廣木隆一監督が登壇。豊川悦司が“禁断の愛”を演じた心境を振り返った。

 作家・井上荒野が、父である作家・井上光晴と母、そして昨年11月に99歳で死去した瀬戸内寂聴をモデルに男女3人の特別な関係を描いた同名小説を廣木隆一監督が映画化。寺島しのぶと豊川悦司がW主演を務める。

 瀬戸内寂聴をモデルとした長内みはるを演じた寺島と、井上光晴をモデルとした白木篤郎を演じた豊川、白木の妻・笙子を演じた広末と、大人の愛の物語を演じきった3人。広末は「寺島さんは謙虚にお話されているんですけど、肉体的にも精神的にもすごく大変な役を演じられて。豊川さんも正妻と愛人も相手しなければならない、この肉体疲労(笑)…本当に大変だったと思う」とW主演の2人をたたえた。

 豊川も「現場は、井上さんさながら、2人の女優さんの間を行ったり来たりしていました。今日は寺島しのぶの日、今日は広末涼子の日…と。(それぞれの部屋の)セットも2つ並んでいるです。今日はどっちだったっけ?と思いながら(笑)」と苦笑しつつ「そういう経験したことないですけど、必然的に白木の気分になれていった」と振り返った。

 白木は不倫を申し訳ないと思っていたと思うか?という質問に、豊川は「申し訳ないと思っていたら多分やってないと思うんですよね」。

 豊川に、寺島が「女性を敵に回しそうな役。豊川さんじゃなかったら日本で誰がやるのというくらいすごいなと。しょうがないけど好き!という気持ちにさせてくれる」、広末も「私は表面的には耐え忍ぶ妻なので、怒りや悲しみを抑えてツンとしていないといけないんですけど、豊川さんなのでやっぱり素敵で、毎回ドキドキさせられて“いや、私は怒っているんだ”と(笑)。でもそれも笙子の気持ちだと思う。だから離れられないんだろうな、と」と役の心境を語り「一度、カットがかかったときに豊川さんが“ごめんね、こんな男で”と。“豊川さんじゃないから。私も分かってます”って(笑)」と明かし笑いをさそった。

 そんな広末は、タイトルの“鬼”とは誰のことだと思うかと聞かれると「台本の段階で、私ではないと思って演じていたら、監督が“怖え~”とか“怖ーい”と何度もつぶやいて。私?と思ったので、皆さんで結論を出してみてください(笑)」と苦笑しながらアピールしていた。

『あちらにいる鬼』は公開中。

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