立川左平次、ゲストに立川志遊と「錦鯉」迎え落語会「紀尾井町のサヘイジ」開催

立川流落語会に登場するのは初となるお笑いコンビ「錦鯉」

 この日2人目となる “前座さんの頭のような” ゲストは先輩真打、立川志遊。会場を見渡して「これだけの落語会ができるのは左平次の芸や人格によるものなのか、単に世渡り上手なだけなのか」と落とし、処世術に長けた徳川家康と紀尾井町のつながりから「荒大名の茶の湯」。大名らの茶の湯を巡る珍妙なやりとりを語るさまはまさに「このように面白い茶の湯は初めて」。

 中入り後のゲストは、立川流落語会に初登場となるM-1王者のお笑いコンビ「錦鯉」。長谷川雅紀のつかみの「こーんにーちはー!」と渡辺隆の「うるせぇよ」だけで会場は拍手喝采。「3人目の “コレ” が出てきましたよ。今日中にあと4人出会えたら夢がかないますからね」と渡辺が切り出すと長谷川が「ドラゴンボールと同じだからね」と返すなど息もぴったり。長谷川がボケまくり、渡辺が頭を叩く度に爆笑の渦に。

 トリで再登場した左平次は、立川談志が得意とした人情噺の大ネタ「鼠穴」を披露。「決して雅紀さんの実家が焼けたから火事の噺をするわけじゃないんですよ。偶然なんです」と断りつつ、竹次郎と兄の愛憎を独特のおおらかな語り口で聞かせる。火事で一文なしになった竹次郎は、兄に借金を断られ泣く泣く娘のヨシを吉原に売りに行くのだが、ゆくゆくは遊女になる少女を禿(かむろ)というのもよくできた偶然か。