栗山英樹氏が今季の大谷翔平は「70本くらい打つかなと思っていた」。プレーオフではチームに勢いをつける、地味でも全力のプレーを期待

ド迫力の大谷翔平の黄金像

 そして「プレーオフになると一人の成績は全く関係なくなるので、チームが勝つことだけに集中できる試合になっていく。例えば“あの時の盗塁1個が”とか“あの時、ファーストでアウトになったんだけど全力疾走してチームに勢いをつけた”とか、そういうプレーをよく見ていると、組織として勢いがつく姿みたいなものがどこかに見え隠れする。そこが一番重要だと僕は思っている。WBCの決勝戦の時、3対1の2点リードで、7回の裏に翔平がブルペンで肩を作り始めた時に、ワンアウトランナーなしで、セカンドゴロを打って全力疾走が内野安打になった。その後、ゲッツーですぐチェンジになっちゃうんですけど、そういう二刀流のブルペンを始めているのにファーストに全力疾走する姿が、次のプレーにつながっていくというようなことを僕は感じて見ていたんですけど、ああいう見た目の結果じゃない、その姿みたいなものがチームに勢いをつけるっていうのは野球に限らず、組織ってそういうもの。彼の場合はそういうプレーが見える可能性が高いので、そういう姿を見せてくれ、と思って見ています」とホームランや奪三振といった派手なプレーばかりではなく、一つ一つの全力プレーに注目していることを口にした。

 今後の大谷については「彼の特徴ってみんなが“こうなってほしい”って思うものを超えていける、驚かせることができるということ。それってすごく大切なことだと思うんですね。僕らも一緒にやっていた時もベンチにいて“それですか!”みたいなことがいっぱいありましたけど、そういう選手って見ていて楽しいので、そういう姿をこれからも見せてほしいなって思います」と語った。