黒澤明の名作「酔いどれ天使」を深作健太が演出。「天国にいる黒澤さんや親父たちにも胸を張って見せられる作品になれば」

前列左から深作健太氏、渡辺大、北山宏光、大鶴義丹、佐藤仁美、後列左から阪口珠美、横山由依、岡田結実

 演出については「戦前戦後からずっと日本の演劇というのは戦争というものと格闘してきた。そして今もまた新劇の先輩たちが反戦劇を定期的に上演している。ガザもまだ数日前に停戦になったのかなっていないのか、そんな状況。地球上でまだ一度も戦火がなかった日ってないんですよね。ですからそれを忘れずに、平和で一応幸せな僕たちが、この平和な日本を作った先輩たちの物語をお客さんに刻みつけることができるか。そこを大切に作っていけたらなと思っています。舞台上にこの現代につながるガレキの山が出来上がる予定。そこで現代劇としてこの劇を伝えることができたらなと。そんな思いで稽古をしてます」などと語った。

 今回の舞台では三船さんが演じた闇市の顔役・松永を今回が6年ぶりの舞台となる北山宏光、闇市の界隈に住む人々を診る町医者・真田を渡辺大、診療所に住み込みで働く美代を佐藤仁美、幼馴染で密かに松永に思いを寄せるぎんを横山由依と岡田結実がダブルキャストで、松永の兄貴分・岡田を大鶴義丹、ダンサーの奈々江を阪口珠美が演じる。

 11月7~23日まで東京・明治座で上演後は28~30日まで名古屋の御園座、12月5~14日まで大阪の新歌舞伎座で上演される。

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