「現代お墓事情」タテからヨコへ。デザイン墓派の約1割は多いか少ないか

コンテストで大賞を受賞した富士山のお墓
伝統的な和型からシンプルな洋型へ

 全国約300社の石材店からなる「一般社団法人 全国優良石材店の会」(全優石)が7月30日、今年3月1日から5月31日にかけて行った「2019年度版 お墓購入者アンケート調査」の結果を発表した。

 アンケートでは「建てたお墓の形」「購入価格」といったお墓の購入者の意識や実態というものが報告された。

 それによると日本の伝統的なお墓の形であるタテ型の「和型」が32.4%、ヨコ型の「洋型」が48.6%、特注の「デザイン墓」が12.9%という結果となった。

 和型はこの10年で17.1ポイント減少し、洋型は15.6ポイント増加と和型の下降傾向に一層の拍車がかかった。デザイン墓はこの10年間ほぼ12%強で推移している。

 ヨコ型が増えたのは2011年の東日本大震災などでお墓が倒壊しているニュース映像を見る機会が増えたことから「より安定性を」ということでヨコ型を選ぶ人が増えている可能性があるという。

 もっとも現在はお墓も耐震技術が開発され、タテ型だからといって必ずしも地震に弱いということはなくなっているよう。長さによっても異なるが約5万~10万円で免震施工が可能となっている。

 デザイン墓というのは既製品の墓ではなく、デザインや大きさ、彫り込む文字など含め石材店と相談の上作成するもの。

 この日合わせて発表された「第25回 想いを込めたお墓デザインコンテスト」の特賞を受賞したのは静岡県の新開さんが亡き母のために建立した富士山型のお墓。
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