都モニタリング会議「経験したことがない爆発的な感染拡大に向かっている」五輪後の新規感染者数は4500超の試算

 都内の新型コロナウイルスの感染状況や医療提供体制を専門家らが分析・評価するモニタリング会議が29日開かれ、専門家は「これまで経験したことがない爆発的な感染拡大に向かっている」と指摘した。
 
 都の新規感染者数は、27、28日と2日連続で過去最多を更新、28日は3000人を突破した。直近の7日間平均は約1936人と前回の予測を大きく上回って増加しており、同じペースで感染拡大が続くと、東京五輪後の8月11日には1日あたりの新規感染者数は4532となる試算も報告された。

 医療提供体制の総括コメントも「体制が逼迫していると思われる」とした。この1カ月で入院患者の数は倍増して2995人、重症患者数も80人に増えている。専門家は「入院医療や宿泊療養だけでなく、自宅療養における危機管理体制の構築が急務である」とした。

 緊急事態宣言の繁華街の滞留人口の減少率については、前回の宣言後と比べると40%程度に留まっていると報告があった。

  会議の終わりに、小池百合子都知事は、ワクチンの1回目の接種は12歳以上で4割、65歳以上では8割を超えたところとし、勢いを止めないためにも、国にワクチンの確保を引き続き要望していると報告した。
 
 また、改めて不要不急の外出と都県境を超えた移動の自粛、ステイホームの夏休みを呼びかけた。「コロナは他人事ではない。ご自身の命だけでなく大切な方々を守るため、医療従事者の尽力に報いるためにも危機感を共有したいと思います。改めて、感染拡大を防ぐ行動の徹底をお願いしたい」と強調した。

 29日の東京都の新規感染者数は3865人で、3日連続で過去最多となった。