長澤まさみ 12歳で映画、20代で舞台デビュー「舞台は遠い存在でした」菊田一夫演劇賞受賞に喜び

第五十回 菊田一夫演劇賞の授賞式が21日、都内にて行われ、大賞に輝いた演出家・栗山民也ら受賞者が登壇。演劇賞を受賞した長澤まさみが喜びを語った。
劇作家・菊田一夫が日本の演劇界にもたらした多大な貢献を伝えるとともに、大衆演劇の舞台で優れた業績を示した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフ)を表彰する演劇賞。
菊田一夫演劇賞を受賞した長澤は、タイトなシルエットが美しい淡いグレーのドレスで登場。
野田秀樹がドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』をモチーフにつづった舞台「正三角関係」で演じた、唐松家の生真面目な三男・唐松在良と唐松家を翻弄する妖艶な女性グルーシェニカの一人二役での受賞。長澤は「演劇学校に通っているような稽古の日々でした」と苦笑しながら受賞を喜んだ。
第5回東宝「シンデレラ」オーディション(1999年度)で史上最年少の12歳でグランプリに選ばれ、芸能界入り。同年公開の『クロスファイア』で映画デビュー。2011年の『クレイジーハニー』(作・演出:本谷有希子)で初舞台。
長澤は「映像からお芝居を始めたもので、演劇は遠い存在のように感じていました。ですが思い切って舞台の上に立ってみたいと勇気を出したことが、こうやって自分に返ってきていると感じています」と振り返りつつ「まだこれからやらなければいけないことの方が多いと思いますが、こういう素晴らしい賞をいただいたことを糧に、これからも舞台に立っていきたい」と、舞台作品への意欲を新たにした。
同じく演劇賞に俳優の明日海りお、甲斐翔真、演出家の上田一豪。また永年の舞台における功績に対して、伊東四朗と林与一に菊田一夫演劇賞特別賞が授与。菊田一夫演劇大賞は、今年「オーランド」「ファンレター」などで高く評価された演出家・栗山民也が受賞した。