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吉永小百合、映画館で「発券の仕方が分からなくてオロオロ」

2025.11.10 Vol.web original

 

 公開中の映画『てっぺんの向こうにあなたがいる』の大ヒット舞台挨拶が10日、都内にて行われ、俳優の吉永小百合、佐藤浩市と阪本順治監督が登壇。自身も映画館で鑑賞したという吉永が「もう1回行きたい」と目を輝かせた。

 1975年、エベレストの女性世界初登頂をはじめ数々の偉業を成し遂げた登山家・田部井淳子の実話をもとに描く感動作。

 本作の大ヒットと反響の声を喜んだ一同。主演の吉永は、先日の東北での地震を案じつつ「1日1日祈るような気持ちでおります」と公開後のさらなる広がりに期待。

「実は2回目が一番面白い」と冗談交じりに作品をアピールしてきた阪本監督。その発言について聞かれると「今は猛省しております。本当は3回目です」と笑いを誘い、すでに映画館で鑑賞したと明かした吉永も「もう1回はどこかの劇場にそっと見に行きます(笑)」。

 そんな吉永は「私もムビチケというものを持って映画館に来たんですけど、どうやって発券していいか分からなくて、オロオロしてしまって。係員の方に伺ったんです。前回も今回もいつまでも分からなくて」と明かし、人によっては戸惑ってしまう発券方法の改善に期待を寄せつつ、映画館での鑑賞を呼びかけた。

 この日は、秋の褒章で紫綬褒章を受章した阪本を吉永と佐藤がお祝い。阪本作品には今回が11本目の出演となる盟友・佐藤は「初めて会ったときはまさか勲章をもらえる監督になるとは思いませんでしたよ」と言いつつ監督と固く握手。吉永も「ばんざーいという気持ち」と祝福しつつ「うちのワインセラーから…これは良いんじゃないかなというものを。1996年のシャトー・マルゴーというものを持ってまいりました」と貴重なワインをプレゼント。阪本監督も「人生で忘れられないような舞台挨拶になりました」と感激していた。

キンプリ髙橋海人、芳根京子と再会し「もう一人のオレ」と呼びかけるも「もう違う」

2025.11.10 Vol.web original

 

 映画『君の顔では泣けない』(11月14日公開)のイベントが10日、都内にて行われ、俳優の芳根京子と髙橋海人(King & Prince)が登壇。難役への共闘を振り返った。

 君嶋彼方による同名小説を映画化。“15年も入れ替わったまま”の男女の物語。

 この日は、映画に登場する喫茶店の風景を背にトーク。スタッフから劇中同様、コーラとコーヒーがテーブルに置かれると2人とも「この感じいい~!」と笑顔。

 2人での取材参加に、芳根が「私、髙橋くんが(取材で一緒に)いる日、すごく安心なんですよ。2人だと少し力を抜いていけるというか」と言うと髙橋は「自分がそういうバイブスが出すぎているんでしょうね、のんびりというか(笑)」と苦笑しつつ「僕のほうこそ、芳根ちゃんがいるとすごく元気になるし。“明日、芳根ちゃんデーだ!”って前の日ワクワクします」と言い、芳根も「やったー! 遊園地みたいな存在(笑)」。

 15年間入れ替わったままという難役にともに挑み、互いにしか分からない感覚を共有したという2人。

 撮影後にその感覚はどうなったかを聞かれると芳根が、別作品の撮影時に偶然、髙橋と会ったと明かし「別の作品ですごく戦っているときだったみたいで“あ、もう一人のオレ!”って。なので“もう違うよ”と(笑)」と言うと、髙橋も「そんなこと言わないでください(笑)。遠くから笑い声が聞こえて、絶対、芳根ちゃんだって分かって。すがる思いで(笑)」と苦笑しながら振り返った。

 芳根が「インタビューで“誰と入れ替わりたいですか”という質問されることがあるんですが、これからは“入れ替わりたくないです”って言っちゃうかも」と言うと髙橋も「入れ替わるって簡単じゃないですよ、と(笑)。でもインタビュアーさんとの関係が悪くなるのはイヤだから…」と笑いを誘いつつ「自分のこういう要素を奪われたくないなって思うことがあるってすごく素敵なこと。それこそが自分なのかなと思います」と語っていた。

二宮和也のビジュアルが「韓国の交差点にドン!と」『8番出口』国内外で“異変級”大ヒット

2025.11.09 Vol.web original

 

 映画『8番出口』の大ヒット舞台挨拶が9日、都内にて行われ、俳優の二宮和也、河内大和と川村元気監督が登壇。興行収入50億円超えの大ヒットを一同が驚きつつ喜んだ。

 2023年にインディーゲームクリエイターのKOTAKE CREATE氏がたった1人で制作し、累計販売本数190万本超の世界的大ヒットを記録した同名ゲームの実写映画。

 8月29日に公開され、11月8日までの72日間で興行収入50.7億円を突破する“異変”級の大ヒット。主演の二宮も予想外だったと言い「面白い作品ができたとは思っていましたが、こういう数字は意識していなかった」と驚きをあらわに。

“おじさん”と呼ばれる原作ゲームのキャラとそっくりだと話題の河内は、本作の大ヒットを受けて「売れてきた」と言い、二宮から「『8番出口』の人って言われること多くなりましたよね」と言われると「僕は『8番出口』の象徴ですからね(笑)」。

 海外でも大きな盛り上がりを見せている本作。中でも盛り上がっているという韓国での舞台挨拶に登壇した河内は、キャラの設定を貫いて「ひと言もしゃべらなかった」と明かしつつ「大都会の交差点に二宮さんのデカいポスターがドンと出ていたり、映画館にもどデカいバナーが出ていたり。無茶苦茶、盛り上がってました」と韓国での人気を報告。

 川村監督も「リメイクのオファーも10以上来ています」と明かし、二宮も「“おじさん”は世界各国のおじさんが? それともどの国でも河内さんが出てくるとか」と大盛り上がり。

 この日は、役衣装で登壇した二宮と河内が“すれ違いのループ”シーンを再現。実際の撮影では、二宮と最初にすれ違った後、河内がセットの裏側を自転車を使って大急ぎで回り込み、1カットでループを撮影したという裏話が明かされ、観客も驚いていた。

紗栄子「偽善という言葉が飛び交っていた」被災地支援活動と発信を続ける思い「微力は無力ではない」

2025.11.06 Vol.web original

 

 第20回難民映画祭のオープニングイベントが6日、都内にて行われ、アーティストでUNHCR親善大使も務めるMIYAVI、俳優の石原さとみ、実業家・モデルの紗栄子が登壇。紗栄子が支援活動への思いを語った。

 2006年、日本で初めて「難民」に焦点を当てた映画祭としてスタート。映像の力を通じて難民問題への理解と共感を広げることを目的に毎年開催している。

 第一部のトークイベントにはMIYAVIと紗栄子が登壇。

 UNHCR親善大使として世界各地をめぐり難民支援に携わるMIYAVI。ハリウッド俳優アンジェリーナ・ジョリーとの出会いを機に難民支援に携わるようになったと振り返り「無力を感じることもあるけれど、初めて行ったレバノンの難民キャンプで、ギターに喜ぶ子どもたちを見て、音楽にも自分にもまだやれることがあると実感しました」。

 一方、紗栄子は「両親と一緒に買い物に行ったときに募金箱にお金を入れたのが一番最初」と振り返り「初めて寄付活動を公にしたのは、2010年、宮崎県で口蹄疫が発生したとき。地元・宮崎の状況に、自分ができる形として寄付をしたんですが、公表したのは大きなチャレンジでした。当時、芸能人が寄付やボランティアを公表すると偽善という言葉が飛び交っていて。私も例外なくその言葉で傷つきました」。

 それでも「皆さんに、こういうことが起きているよと発信することで、より大きな支援につながるのではないかと、今日まで活動を続けています」と前を向いた紗栄子。

 一般社団法人Think The DAYを立ち上げ、国内外の被災地支援を行っていることについて聞かれると、SNSで被災地から呼びかけられ、急きょ支援に向かうことになった千葉県での台風被害を振り返り「ニュースでもまだちゃんと報道されておらず、1日目に必要な物資を車に積んですぐ向かったんですが、全然間に合わない状況。そのとき初めて、SNSを通じて応援してくださる方に支援をお願いしたんです」。

 支援物資はすぐに集まったが、行政によっては個人の支援物資を受け入れられないことから「そのときはそれまでの活動歴もあり受け入れてもらったんですが、イレギュラーで受け入れてもらうのは良くないと、翌日にThink The DAYを立ち上げました」と語り「アクションはもちろんですが、どんな状況でもその人たちに心を寄せて、自分に何ができるか考えるだけでも大きな意味があると思う」と語った紗栄子。

 最後に「微力は無力ではないと思って、これからも活動を続けたい」と語り、MIYAVIと観客も大きな拍手を贈っていた。

 第20回難民映画祭は13日に大阪・TOHOシネマズ なんば、12月2日・3日に千代田区・イタリア文化会館にて上映。12月7日までオンラインで開催中。

石原さとみ「2人の子どもに願うこと…まずは親である私自身が変わりたい」支援活動への思い語る

2025.11.06 Vol.web original

 

 第20回難民映画祭のオープニングイベントが6日、都内にて行われ、アーティストでUNHCR親善大使も務めるMIYAVI、俳優の石原さとみ、実業家・モデルの紗栄子が登壇。2児の母となった石原が子どもたちに願うことを明かした。

 2006年、日本で初めて「難民」に焦点を当てた映画祭としてスタート。映像の力を通じて難民問題への理解と共感を広げることを目的に毎年開催している。

 第2部のトークイベント登壇したMIYAVIと石原。

 UNHCR親善大使として世界各地をめぐり難民支援に携わるMIYAVI。1億2000万人まで難民が増え続けている現状に「無力さを感じることもあります。コロナで世界が分断されていくなか、分断されていいんだ、利己主義でいいんだという風潮が広まっていることにも危惧を感じています」。

 石原も「私は今2人の子どもの母なんですが、世界中の問題を自分事として思いをはせる人になってほしい、そのためには親である私自身が変わらなければと思いました」と語るとMIYAVIも共感しきり。

 アフリカのケニア訪問経験から人道支援に関心を寄せているという石原。ウガンダで知り合った元少女兵の女性について語り「当時は子どもを拉致したらまず自分の母親を殺させます。心が崩壊して他人を傷つけることに抵抗がなくなるからと。彼女は今、自分で生計を立てています。確実に支援が彼女を救いました」。

 映画祭出品作品の数々も鑑賞したといい「見終わった後、映画祭の公式サイトから数クリックで寄付もできたんです。気持ちを途切れさせることなく行動に移せる道を整えてくださって本当に感謝です」と石原。

「以前、出演したドラマの台詞で“人なんて皮を皮を剥げば、ただの肉のかたまりだ”というセリフがすごく印象に残っています。差別とか分断とかが意識されるようになってきましたが、どんなに違いがあったとしても本質をたどれば皆、同じ命であり人だと思うんです」と、対話を続けることで分断や差別、偏見を乗り越えたいという思いを熱く語った石原。

 MIYAVIも「すごくピュアで強い言葉。まっすぐで人の心を動かす言葉だと思う」と語り「今、日本でも移民問題がセンシティブな問題となっている。日本としてどうあるべきか問われていると思う」と共感していた。

 第20回難民映画祭は13日に大阪・TOHOシネマズ なんば、12月2日・3日に千代田区・イタリア文化会館にて上映。12月7日までオンラインで開催中。

映画監督・河瀨直美が最優秀女優賞 娘役・福地桃子に「冷たい態度をとるなど徹底した役作りをしていました」

2025.11.06 Vol.web original

 第38回東京国際映画祭のクロージングセレモニーが5日、都内にて行われ、各賞が発表。最優秀女優賞にコンペティション部門出品作『恒星の向こう側』の福地桃子と河瀨直美が選ばれ、感激のスピーチで盛り上げた。

『恒星の向こう側』は『走れ、絶望に追いつかれない速さで』(15)、『四月の永い夢』(17)の中川龍太郎監督が挑む三部作の最終章。余命わずかな母と娘が衝突を重ねながらも、愛を見つめ直していく物語。

 最優秀女優賞を受賞した福地桃子は「主人公を演じるにあたって、人物を見つめて追いかけて溶け合っていくような作業は決して一人では乗り越えられる時間ではありませんでした」とチームに感謝。福地演じる主人公の母親役を演じ、ともに同賞を受賞した河瀨直美も「監督として映画祭に参加したことはあっても俳優として参加できたのは中川監督のおかげです。チームの皆がいたからこそ、自分自身のすべてを出し切れました」と語りつつ「福地さんには冷たい態度をとるなど、徹底した役作りをしていましたが、最後に彼女の温かさを背負えた瞬間、涙が出ました」と俳優挑戦を振り返っていた。

 審査員の齊藤工も「今年のコンペティション部門には力強く物語を牽引するヒロインたちが数多く登場しました。その中で、丁寧に静かに存在することに徹したお2人の姿はひときわ印象的で際立っていました」と2人の女優をたたえていた。

 同じくコンペティション出品の日本映画では『金髪』(監督・坂下雄一郎、主演・岩田剛典)が観客賞を受賞。最高賞の東京グランプリ/東京都知事賞にはアンマリー・ジャシル監督の『パレスチナ36』が輝いた。

第38回東京国際映画祭グランプリはパレスチナの代表的女性監督作『パレスチナ36』

2025.11.06 Vol.web original

 第38回東京国際映画祭のクロージングセレモニーが5日、都内にて行われ、アンマリー・ジャシル監督の『パレスチナ36』がコンペティション部門最高賞となる東京グランプリを受賞した。

『パレスチナ36』は1936年、英国委任統治時代のパレスチナを舞台に、パレスチナのアラブ人たちがユダヤ人入植者たちと、英国植民地支配への反発から起こした民族主義的な反乱を描いた作品。パレスチナを代表する女性監督アンマリー・ジャシルが単なる歴史劇を超え、現在のパレスチナ問題にもつながる民族のアイデンティティーに迫った意欲作。

 最高賞となる東京グランプリ/東京都知事賞を受賞したジャシル監督は動画コメントで「チームにとっても私自身にとっても、この作品の制作に懸命に力を尽くしてきたすべての人たちにとっても、大きな意味を持つものです」と受賞に感激のメッセージ。

 麒麟像を授与した小池百合子東京都知事も「映画は言葉、文化の壁を超えることができます。心を繋ぐ力を持っている大変パワフルなアートです」と語り、東京からのさらなる文化発信に期待を寄せていた。

「芦田愛菜だと言われないと分からない」細田守最新作の声優主演を吉田鋼太郎が絶賛

2025.11.05 Vol.web original

 

 映画『果てしなきスカーレット』(11月21日公開)のジャパンプレミアが5日、上野・東京国立博物館にて行われ、声優を務めた俳優の芦田愛菜、岡田将生らキャスト陣と細田守監督が登壇。主演の芦田が自身が演じた主人公への思いを熱く語った。

『時をかける少女』(06)、『サマーウォーズ(09)など国内外で熱狂的ファンを持つ細田守監督が「生きる」をテーマに新境地に挑む最新作。

 この日のイベントは細田監督の代表作『時をかける少女』の舞台でもある東京国立博物館。冒頭、主人公・スカーレット役の芦田と、共に旅をする現代の日本人看護師・聖(ひじり)役の岡田が、スカーレットの髪色をイメージしたライトアップの表慶館バルコニーに登場。スカーレットさながら、プリンセスのような芦田に観客も大歓声。

 ハムレットを下敷きにしながらも、細田監督自ら「挑戦尽くしだった」と振り返る意欲作に、古典劇に親しんだベテラン俳優陣も大絶賛。中でも吉田は「作品を見た感動がずっと続いている」と圧倒された様子。さらに吉田は「アニメファンの方々から“声優でもない下手な役者にやらせるな”という辛口のご意見を頂くこともありますが…今回は頑張りました!」と胸を張り「まず愛菜ちゃんが、言われないと芦田愛菜だと分からな。岡田くんも最初は分からない。染谷(将太)くんは、実はやってないんじゃというくらい分からない」と芦田をはじめ大絶賛。

「声を吹き込むというより魂を吹き込む気持ちで向き合わせていただきました」と振り返った芦田。細田監督が挑んだ「生きる」というテーマについて聞かれると、スカーレットへの思いを語りながら「生きることの意味を見つけるんじゃなくて、生きることそのもの自体に意味がある、生きることは愛することなんじゃないかと感じます」とまっすぐに答え、観客から大きな拍手を贈られていた。

 この日の登壇者は芦田愛菜、岡田将生、染谷将太、宮野真守、吉田鋼太郎、斉藤由貴、松重豊、細田守監督。

佐藤二朗の怪演が爆発する!サスペンスアクションムービー『爆弾』が、恐ろしい作品だった!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

2025.11.05 Vol.web original

 黒田勇樹です。

 今週も特に社会復帰するでもなく、noteでいろいろなことを書き連ねる1週間でした。

 いや、よく考えたらもともと復帰というほど社会と関わっていたのかという疑問すらわいてきたりしています。それにnoteでいろいろ発信しているんだから、実は社会復帰はしているだろうと思うようにします。

 何を書いているのか最早自分でも分からなくなってきたので、今週も始めましょう。

岩⽥剛典「何を考えているか分からないと言われた(笑)」“ブーメラン”に苦笑

2025.11.04 Vol.web original

 

 映画『金髪』(11月21日公開)の舞台挨拶が4日、日比谷にて開催中の第38回東京国際映画祭で行われ、俳優の岩⽥剛典、⽩⿃⽟季らキャストと坂下雄⼀郎監督が登壇。岩田が坂下監督とのタッグを振り返った。

『決戦は日曜日』(22)の坂下雄⼀郎監督が、日本独特のおかしな校則が発端で起こる騒動をオリジナル脚本で描く話題作。

 主演の岩田は冒頭の挨拶で「今日のために金髪にしてきました!…嘘です」と冗談めかしたが、映画祭ならではの英語通訳でジョークが訳されると「恥ずかしい(笑)」。

 生徒たちの金髪デモに翻弄される主人公の中学教師・市川を演じる岩田。「耳が痛くなるような世代間の話でもあり、僕が演じる市川を反面教師に思っていただけたら」。

 友人役の⽥村健太郎が坂下監督の無口さを語りつつ「気づかぬうちに掌の上にいたみたいな感じ」と振り返ると、岩田は「昨日、初めて声を聞きました…嘘です(笑)」。

「坂下監督は何を考えているのか分からない人だなと思っていた」を振り返った岩田。「ところが監督から“岩田さんて何を考えているのか分からないですよね”と言われて…。この映画は、お互いに何を考えているのか分からない人が作っております」と冗談めかしつつ「校則をテーマにしながら、世代間のギャップや常識の掛け違いを描いた、全世代の方に刺さる作品です」とアピールしていた。

 この日の登壇者は岩⽥剛典、⽩⿃⽟季、⼭⽥真歩、⽥村健太郎、内⽥慈、坂下雄⼀郎監督。

 第38回東京国際映画祭は11月5日まで日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区にて開催中。

講談社がハリウッドにスタジオ設立「今までは海外におまかせ」日本の漫画実写化へ オスカー監督クロエ・ジャオも「原作尊重は健全な形」

2025.11.04 Vol.web original

 

「Kodansha Studios」設立発表会見が4日、都内にて行われ、映画監督のクロエ・ジャオ監督らが登壇。講談社がハリウッドに設立する制作スタジオの最高クリエイティブ責任者に就任したジャオ監督が意気込みを語った。

 講談社は、映画監督クロエ・ジャオとプロデューサーのニコラス・ゴンダによる制作会社「Book of Shadows」と提携し、ハリウッドを拠点とする制作会社「Kodansha Studios」を設立。ジャオ監督を最高クリエイティブ責任者に、ゴンダプロデューサーをCOOに迎え、同スタジオを通して日本の出版コンテンツの海外実写映像化およびグローバル展開において、より主体的な役割を担っていく。

 講談社初の試みに同社の野間省伸代表取締役社長は、日本の漫画の世界的人気を受けハリウッドからの映画化オファーも多い一方、現地スタジオでの制作には課題も多いと語り「今までは日本のIP(知的財産)の映画化権を海外スタジオに渡して企画・制作はお任せ、という形だったが、スタジオとして我々も企画・制作に関与していくことで、日本のIPやクリエイターをより広く世界に広めつつ、海外の素晴らしいクリエイターとコラボして新たなコンテンツを作っていければ」。

 スタジオの最高クリエイティブ責任者に就任したのは『ノマドランド』のアカデミー賞受賞監督、クロエ・ジャオ。

「私は深く深く日本のアニメや漫画を愛しています」と笑顔を見せたジャオ監督。

「私は日本の漫画、小説、アニメ、同人誌といったすべてに影響を受けてきました。私は孤独な子どもで、漫画のキャラクターが友達でした。それは世界の多くの人に共通することだと思います。私も、もともとは漫画家を目指していたんですけど、絵を描くのがあまり上手くなかったので断念しました(笑)」と明かし「日本の作家たちに大いなる敬意を抱いています」と、日本の漫画、アニメといったクリエイティブへの思いを熱く語った。

 さらにジャオ監督は「私自身もこれまで、東西間の映画化で多くの困難を目にしてきた」と言い、同スタジオの東西文化の懸け橋としての役割にも期待しつつ「(同スタジオ設立によって)ハリウッドも大きく影響を受けると思います。ある意味これまではIPを好きに解釈して扱ってきたけれど、もともとのアイデアを傾聴し作家を尊重して、より作家性に近いものを作るというのはハリウッドにとっても健全な形じゃないかと思います」と語っていた。

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