都議選で都民ファーストの会の動向に注目集まる

2017東京都議会選特集
都民ファーストの会代表に就任した小池氏は積極的に公認候補と街頭演説。6月17日には品川区で立候補する現職の山内あきら氏と都政の改革を訴えた(撮影・神谷渚)
 東京都政は昨年8月の小池百合子東京都知事の誕生以降、かつてないほどのダイナミックな動きを見せてきた。多くの都民が都政について真剣に考えるようになり、金曜に行われる都知事の定例会見に大きな注目が集まるようになった。そんななか、今年は都政にとっては4年に1度の大イベントである都議選(6月23日告示、7月2日投開票)が行われる。

 今回の選挙の注目はとにもかくにも「都民ファーストの会」の動向だろう。都知事選中から自民党都議団を「ブラックボックス」と言い、対決の構図を作ってきた小池氏だが、都政の運営にあたっては議会の過半数を占める自民・公明は無視できない存在だ。改革を進めるためには同じ志を持った人を多く議会に送り込まなければいけない。そんな考えもあって昨年10月、小池氏は政経塾「希望の塾」を開校し、同志を募った。そういった流れの中でできたのが地域政党「都民ファーストの会」。同会には改革志向の強い都議たちもそれまで所属していた党を離れ身を投じるなど多くの人材が集まり、現職・元職・新人を合わせ50人(6月21日現在)を公認するまでの勢力となっている。

 昨年12月には都政においても自民党と長く協力体制を築いてきた公明党が自民と一線を引き、都民ファーストの会と選挙協力体制を構築するなど都政の勢力図に大きな変動が見られた。

 さて、今回の選挙後にはいったいどのような都議会が形成されるのか。

 争点となりそうな問題はさまざまあるが、最も目を引きやすいものはやはり築地市場の豊洲への移転問題か。

 自民都連が早期移設を公約に掲げれば、共産党は築地を主張。公明党は「早期に結論を出すことが大事で争点にはならない」との立場を取る中で、都民ファーストは5月23日に発表した公約でも移転の可否には触れていなかった。

 果たして告示前に方針が示されるのかと注目が集まる中、小池氏は20日、緊急の記者会見を開き、中央卸売市場を豊洲に移転する基本方針を表明した。一方、築地市場は「築地ブランドを守っていく」として、5年後をめどに市場機能を残した「食のテーマパーク」とする再開発を想定。築地に戻ることを希望する仲卸などの業者を支援し、豊洲・築地の両立を目指すとした。

 小池氏は会見で「築地と豊洲を両立させることが最も賢い使い道だ。単に移ると赤字が継続する」と指摘。「それを打破するためにも築地と豊洲をうまく活用することでダブルのプラスに持っていく」と強調した。

 他に東京都が抱える問題としては待機児童問題に代表される子育て支援政策、2020年オリンピック・パラリンピックの経費問題、議会改革といったものがあげられるが、子育て支援などは基本的にはどこの政党も前向きな案件。こういったものについては実現へのプロセスのリアルさが投票への大きなファクターとなりそうだ。
各会派代表が集まり公開討論会開催

 23日の告示を控えた21日、主要6会派の都議らが参加する公開討論会が都内で開かれた。討論会は大学生らが中心となって企画。都民や自民の主要6会派の議員が登壇し、大学生の質問に答える形で討論が進められた。

 都民ファーストの会からは音喜多駿氏が登壇。「党内議論は是々非々でしっかりやるのでイエスマンではない。情報公開など都議会改革は進んでいる」と小池氏評価をアピールした。協力体制にある公明党からは遠藤守氏が登壇し「現時点で(小池氏と)相違点はない」と小池氏支持を強調したが、豊洲移転には触れなかった。

 これに対し、自民党の神野次郎氏は「知事が集めた学者による側近政治。豊洲問題など、机上の空論で混乱を呼んでいる。市場予算がどれだけ膨らむのか」などと批判。共産党の大山とも子氏も「食の安全を守るなら豊洲移転はできない」と移転方針に反対した。