別所哲也「地縁、血縁から“ネット縁”でつながる時代へ」【BEYOND 2020 NEXT FORUM】

今、考えるべき「2020年の、その先」


「2020年以降の日本の活性化」をテーマに、世代や業界を越えて有識者らが集う『BEYOND 2020 NEXT FORUM〜日本を元気に! JAPAN MOVE UP!〜』キックオフイベントが2月26日に開催。そのトークセッションにも登壇した、国際短編映画祭ショートショート フィルム フェスティバル & アジアの代表を務める俳優の別所哲也が語る、2020年以降の日本に必要な価値観とは。
別所哲也
—2020年以降の日本の活性化について特に別所さんが注目していることとは?

別所哲也(以下:別所):2020年、日本でオリンピック・パラリンピックが開催されるわけですが、それが楽しみであると同時に“オリパラロス”とでもいうか、大きな祭りの後にぽっかり穴が開く、なんてことがなければいいな、と思っているんです。そういう状態になって途方に暮れることがないよう2020年のその先を今から考えていかないといけないんじゃないかな、と。かつての東京五輪は戦後の高度成長期を生み出す第1歩となりましたが、それと同じように今度のオリンピック・パラリンピックが、また新たな時代の幕開けになればいいと期待しています。

—2020年以降の活性化につなげるために、別所さんがとくに注目している分野とは?

別所:僕は映画や演劇といったエンターテイメントの分野で仕事をさせていただいてきているので、やはり文化面における変化には特に注目しています。また、たまたま映画俳優としてのデビューがハリウッド作品だったこともあって、海外での動きにも常に意識を向けてきました。そんな中、1997年にアメリカでショートフィルムと出会い、その魅力を日本にも広めたいと映画祭を1999年に立ち上げたんです。僕が映画祭を始めた当時は、映画の世界もまだそれほどデジタル全盛というわけではなく、フィルムを輸入して税関を通し、字幕を焼き付けるという作業があったんですけど、今はもうそんなものはとっくに無くなり、映像をフィルムの“尺”ではなくデータの“容量”で測るようになった。以前はプロでなければ編集作業なんてできなかったけど、今では子どもがちょっとしたアプリで音楽や映像、動画制作をすることができる。今や多様な映像作品が価値を持つ時代になりました。実は、僕の中ではその予兆は感じていたんです。映画祭を立ち上げた翌年にサンダンス映画祭に行ったんですが、そこで、シリコンバレーからやってきた“エンジェル”と呼ばれる投資家たちが動画配信のためのコンテンツを買いに来ていて、5000ドルの小切手を切る光景なんかを目の当たりにしたんです。これは何かが始まるんだなと思いましたね。ただこれほどのスピードで人々のライフスタイルや価値観を変えるデバイスが次々と登場し、これほど早くビッグデータの時代が来て情報化社会が定着するとは、さすがに思いませんでしたが」
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