障害に「言い訳なし、限界なし!」超ダイバーシティ芸術祭が渋谷で開幕

イベントではパフォーマンスのほか、聴覚障害児のためのダンスレッスンなども行われた
「イルアビリティーズ」の「イル」は、「素晴らしい、繊細、センスがある」などの意味でヒップホップ界で使われる言葉。「言い訳なし、限界なし」をテーマに、障害のネガティブな側面や限界ではなく、ポジティブなメッセージを発信することを目指している。オープニングパフォーマンスを終えたカナダ出身のリーダー、ルカ・パトエリは「日本に来られて光栄に思っています。皆さんとこうして情熱を分かち合うことができてうれしいです」と喜びを語った。
インタビューに答えるリーダーのルカ・パトエリ
 イベントでは、福祉職員を中心に結成された「SOCIAL WORKEEERZ」や、世界最大のダウン症のエンターテインメントグループ「LJ BREAKERS」によるパフォーマンスのほか、世界選手権で優勝経験のあるトップブレイクダンサーと「イルアビリティーズ」によるソロダンスバトルも。片足や片手でのスピンに加え、松葉杖や義足などの装具を活かしたパフォーマンスに、会場からは歓声が上がった。
右足を切断しているブラジル出身のサミュエル・リマ。ダイナミックでエネルギッシュなダンスが特徴
 イルアビリティーズと長年の友人であり、国内外で50以上の優勝経験を持つ日本のプロダンサー、Bboy Taisukeは「今日は11年ぶりにまた一緒に踊れてうれしい。ダンスをやっていると、こうして人と繋がることができる。今日これを見てダンスを始めようと思った子には、“続けていればこういうチャンスがある”ということが伝われば」と思いを語った。

 ダンスバトルを終えたルカは、「素晴らしい経験でした。才能あるダンサーと同じステージに立てて喜びでいっぱいです。年齢も性別も障害もすべて超えて、みんなで一つになることができ感謝しています」と語り、イベントを締めくくった。

「True Colors Festival −超ダイバーシティ芸術祭−」の第二弾は、10月開催。「ビート」をテーマに、アルゼンチンアーティストとの音楽セッションを行う。

(取材・文 丸山裕理)
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