舞台「里見八犬伝」で初主演の佐野勇斗が台風被害の館山にエール

犬川荘助(松田凌)、浜路(宮﨑香蓮)、犬塚信乃(佐野勇斗)(左から)
「孝」の字を持つ玉を授かった犬塚信乃(佐野勇斗)
犬飼現八(結木滉星)と犬塚信乃(佐野勇斗)

演出の深作氏「館山公演を第0回公演として、東京の初日を迎えたい」


 上演を前に主要キャストによる会見と公開ゲネプロが行われた。

 会見で佐野は「館山は里見八犬伝の発祥の地。八犬士のうちの3人が本番の前に館山に足を運ばせてもらった。皆さん、里見八犬伝を愛していらした。皆さんに舞台を見てもらいたいと思って頑張っていたが、とても残念で悔しい気持ちでいっぱい。館山に限らず、全国で台風の被害に遭われたところがたくさんあると思う。全国を回らせてもらって少しでも皆さんを勇気づけられる公演ができれば」などと初日を前に作品へ向けての思いを語った。

 演出の深作氏は「2012年に震災からの復興をテーマに幕を開けた里見八犬伝だが、7年たって今回は4回目。そして令和という新しい時代を迎えて、新しい素敵な八犬士が揃った。2014年の千秋楽、2017年の初日と大変思い出深い館山の地で初日を開けられることをスタッフ、キャスト一同、心待ちにしていたが、3日間スタッフが準備したところで止まってしまった。しかしその館山公演をなかったことにするのではなく、心の中で第0回公演として、東京の初日を迎えたい。館山ばかりではなく、台風で被災された他の県、震災からも10年近い時間が流れているが、まだあちこちに爪跡が残っている。そういった皆さんにも里見八犬伝の魂を届けて、楽しんでもらえれば」などと話した。