三省堂「今年の新語」大賞に「―ペイ」! 鴻上尚史「狂乱的なCMが……」



鴻上が飯間氏に「承知しました」の件でお礼 「慇懃無礼って知ってる?」



 イベントでは、7位にランクインした「カスハラ」をきっかけに、最近の敬語の使用法について話題が発展。そのなかで鴻上が「今日、飯間先生にお会いして、お礼を言おうと思っていたことがある」。

 劇団員とのメールやLINE上でやり取りするなかで、返答が「承知しました」から「かしこまりました」に変化。「飲みに行こう!」というカジュアルな誘いの返事も「かしこまりました」で少しおかしいと感じたとツイートしたところ、「“承知しました”、“了解しました”がどれだけ失礼か分かっていないのか」「言葉を使う人なのに知らないのか」、「あなたは偽物だ」と反応があったという。「その時に、飯間先生は承知しましたは何も失礼じゃない。普通に使う言葉だと」。



 鴻上はさらに「“承知しました”“了解いたいました”と“かしこまりました”、どちらがゾワゾワくるかといえば、“かしこまりました”なんです。お休みを取らせていただきましたみたいに普通の人がお客さんに言ったりする。私はあなたの上司じゃないから、言われても困るんだとなる」。

 飯間氏は「敬語が無礼になるほど丁寧になる、慇懃無礼というのがありますけれども、その考え方が分からない人が多いんじゃないかと。敬語を使っておけば、失礼になるはずはないってね」。小野教授も「“カスハラ”をなんとかして回避しようっていうことなんでしょうね」と、同意した。

 すると鴻上が「ツイッターで、厄介な客がきたら過剰な謙譲語を使いますっていう。過剰な敬語は相手との距離を作って自分を守るための方法なんです、と書いてて賢いなって。この人に何を言ってもダメだというときは、“させていただく連発作戦”をとると。“説明させていただけますか”、その前に“どうぞお話させていただきたくお思いますが…”というように“させていただく爆弾”で封じていくという……」。

「お店で働く人は神経をすり減らしてやられていると思うけど、自分としてはクレーマーじゃないと思って行って“させていただきます”って言われると、俺って、クレーマーって思われているのかなって。それ悲しい……」という飯間氏に、会場は共感していたようだった。

 イベントの最後に鴻上は、「作家としても辞書は命綱。ずっと新しく生まれ変わっていただければ」と、話した。
三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語 2019」

大 賞:― ペイ
第2位:にわか
第3位:あおり運転
第4位:反社
第5位:サブスク
第6位:電凸
第7位:カスハラ
第8位:垂直避難
第9位:置き配
第10位:ASMR

選 外:タピる/ワンチーム

特別賞:令和

「今年の新語2018」特設サイト:https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/topic/shingo2019/
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