ここまでやるか!?業界最高の感染対策を目指す「KICHIRI新宿店」の挑戦

 新型コロナウイルス感染症を想定して社会経済活動を行う「新しい生活様式」。試行錯誤しながら通常営業を再開する飲食店が多い中、「KICHIRI」「いしがまやハンバーグ」などを展開する株式会社きちりホールディングスでは、スタッフとの接触を従来より8割削減した新居酒屋様式のモデル店舗「KICHIRI新宿店」を発表した。“業界内最高レベルの安心空間”を謳うそのサービスの内容とは?

 JR新宿駅東口からほど近い商業ビルに店舗を構える「KICHIRI新宿店」では、グループ会社のウィルス予防除菌コンサル設計施工のサニタイズ社の監修・指導で、飲食業界内最高レベルの予防策を目指す「新しい生活様式」対応店舗を開発した。株式会社きちりホールディングスのゼネラルマネージャーである城所将太さんは「政府の発表した『新しい生活様式』と『人との接触を8割減らす』をもとに店舗の中での感染対策と、お客様とスタッフとの接触機会および時間を8割削減する取り組みを行なっています」と語る。
料理にはフードカバーをかけ、スタッフの合図で席に運ぶ「置き配」方式(撮影:蔦野裕)
 4月7日に発出された「緊急事態宣言」後は一部店舗を除く全店で臨時休業を実施。営業再開に向けた取り組みは、GW中から急ピッチで準備し「いつまで続くのかまったく見えない状況で、私どもとしてこのまま黙って手をこまねいているわけにいかない、ということでグループ会社を含む全社一丸となってスタートしました」。その徹底的な対策を入店からの一連の流れで説明してもらうと「まず、入り口に設置したモニター越しにスタッフがお出迎えします。ここでタッチレス式アルコール除菌液で手指除菌と、非接触型体温計での検温、マスクを着用していないお客様にはマスクを配布して入店していただきます」という。

 入店した後は、店内特製マップを手に指示された番号の席まで自身で移動する。「店内にスタッフがおりますので、迷われたお客様には2m以上の間隔を空けて誘導します。よく言えば迷路みたいな感覚で楽しんでいただければ(笑)」と城所さん。席に着いたらQRコードを読み取り、自身のスマートフォンやタブレット端末から注文や追加オーダーができる。ここまでスタッフと接触する機会はまったくなし。料理はフードカバーがかかった状態でトレンチの上に置かれ、スタッフが声をかけて自身で席に運ぶ形で提供している。カトラリー類はすべて小包装の使い捨てに変更し、アルコール除菌液入りの魚型のタレビンや取っ手などに直接触れずに済むアシストフックも備えつけた。
カトラリー類はすべて小包装で、アルコール除菌液やアシストフックも備えつけ
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