日本人の少年が紡いだ言葉が映画となって自閉症者と世界をつなぐ。オダギリジョーらも絶賛コメント

 


 会話のできない自閉症という障害を抱える作家・東田直樹が、わずか13歳の時に執筆した『自閉症の僕が跳びはねる理由』(エスコアール、角川文庫、角川つばさ文庫)を原作とした映画『僕が跳びはねる理由』に、日本の著名人らが感動のコメントを寄せた。


 原作は、自らも重度の自閉症者である東田自身が、今まで理解されにくかった自閉症者の内面の感情や思考、記憶を分かりやすい言葉で伝えた内容が大きな注目と感動を呼び、34カ国以上で出版、117万部を超える世界的ベストセラーとなったエッセイ。


 本作の英訳を手掛けたのは、トム・ハンクス、ハル・ベリー主演の映画『クラウド・アトラス』の原作などで知られるイギリスのベストセラー作家デイヴィッド・ミッチェルとその妻ケイコ・ヨシダ。自らも自閉症の息子を育てていた彼らが、対応に困り果てていた我が子の行動に対する疑問の答えをこの書籍の中に見つけ「世界中の自閉症の子を持つ親にも読んでほしい」との思いから同書を翻訳。その英語版書籍『The Reason I Jump』が本作にも出演しているジョスの両親であり、本作のプロデューサーを務めるジェレミー・ディアとスティーヴィー・リーの目にとまったことから、映画化に至った。監督はドキュメンタリー映画『教育革命』のジェリー・ロスウェル。


 同作は海外でも絶賛が相次いでおり、第36回サンダンス映画祭ではワールド・シネマ・ドキュメンタリーコンペティション部門で観客賞を受賞。第39回バンクーバー国際映画祭では長編インターナショナルドキュメンタリー部門観客賞&インパクト大賞をW受賞している。


 今回、予告編映像と合わせて、各界の著名人からのコメントも到着。俳優のオダギリジョーは「人間はすぐに優劣をつけたがる。考えが及ばないものに対して否定したがる。そんなつまらない脳を吹き飛ばしてくれる作品!」とコメント。本作の劇場予告ナレーションを担当した河西健吾は「今回のお話を頂いてから初めて作品を見させていただいたのですが、このお話を見るまで自閉症というものについてほぼ知識が無いに等しい状態でした。僕の周りには自閉症の方はいらっしゃいませんが、今後そういった方々と触れ合う際に少しでも何か力になれればと思わせる作品でした」と語り、女優であり、そして一般社団法人 Get in touch 代表の東ちづるは、伝えたいことが伝わらないもどかしさは、どう想像しても追いつかない。未知だ。なので、この映画で、旅の同行をする。自閉症の心の地図の旅だ。それは、気づきと安らぎの旅になります。ぜひ東田直樹さんの原作も併せて読んでほしい」とコメントを寄せている。


 映画『僕が跳びはねる理由』は4月2日より全国公開。


 


【予告編映像】 https://youtu.be/A0fNRBCroOo