平成中村座が今秋浅草で復活 「とにかくうれしい」中村勘九郎と七之助 宮藤官九郎の新作上演

 

 今年で勘三郎さんが逝ってから10年になる。

 勘九郎は、「父が19の時に、唐さんの状況劇場のテントで『蛇姫様』を見て、こういう空間でやりたいという夢をずっと持っていて、それが叶い、平成中村座が始まった。夢が詰まった小屋で私たちも大好きな小屋です。古典から新作、いろんなことができる空間を作ってくれた父に感謝をしながらやらなければいけない。浅草の地で、コロナの大変な世の中で、父の大好きだった宮藤さんが本を書いてくれて、ものすごく喜んでくれていると思う。父がお腹を抱えて上で笑ってくれるような作品を作っていきたい」と、話す。

 七之助も、「無くなって気づくんじゃないですけども、本当に多くの方々から平成中村座、早く復活してほしいという言葉を頂戴いたしました。父は、夢を持って、40代でその夢がかなってというだけじゃではなく、ニューヨークだったり、いろんなところで平成中村座をやって、その背中で私たちに一生懸命というものを見せてくれました。私たちもそれにがむしゃらについていった結果、お客様がそう言ってくださることにつながったと思います。父がやってきたことはもちろん間違いじゃなかったですし、私たちもそれについていって良かった。上で喜んでくれていると思います」と語った。

 浅草寺境内で、10月、11月に上演。チケットの発売は、十月大歌舞伎が9月7日、十一月大歌舞伎が10月7日。

 七之助は「浅草の町も(コロナになって)初めのころ、散歩がてら行ったらゴーストタウンみたいになってました。お客様、観光客のお客様も増えてきますし、平成中村座を機に、私たちの歌舞伎ももちろんのこと、浅草の街がもっともっと活気を取り戻してほしいなという心境です」と、話していた。