江口寿史、初の〈漫画〉展覧会は「オヤジの熱気でむせ返って灰色に」原画約500点展示

会場を見て「早速不満がいっぱい」という江口は「これからもどんどん変わっていく展覧会にしようと思った」

 展示の見どころは「2016年に明治大学で行った『KING OF POP Side B』でも出したんですけど、子どもの頃に描いたノートを飾っていて、その時以上に中身をさらけ出してます。自分が作った曲のコード譜を書いた『マイソング』というノートとか(笑)。表紙だけで中身は見せられないけど、期間が進んでいくうちにもっと見せるかもしれないですね」という。

 さらに、当時のカンヅメ部屋を再現したコーナーを「(展示物は)僕の私物です。あの当時は集英社に2年間住み込んで、いろんな漫画雑誌を積んで描いていました。あの画板も当時使っていた画板ですし、電動鉛筆削りも当時執筆した部屋にあった備品です。集英社の備品も借りパクしていて、そのまま色を塗って自分のものにしちゃってる。自分でセッティングしたんですけど、すごくその当時の感じになって、なかなか面白いんじゃないかと思います」とアピールした。

 観客層を聞かれると「漫画に限るとオッサンばっかり。ほぼほぼオッサンなので、世田谷文学館がオヤジの熱気でむせ返って灰色になると思います(笑)」と自虐し「ちょうど小・中学校の時期に『すすめ!! パイレーツ』を読んだ人は、ずっと永遠に忘れないのでパッションが熱いんですよ。正直言うとオッサンばかりに来られても嫌なんだけど、あんまり最近のイラストは使いたくなかったので、今回は漫画を全く描かなくなってからのイラストは1枚もない。多分オッサンしか来ないでしょう(笑)」と予想した。

 とはいえ、できるだけ若い人にも来てほしいといい「今は漫画の描き方そのものが違っているので、僕の漫画原稿を見てもあんまり参考にならないと思うけど、漫画を描きたいと思っている人はこの実直さというか、コツコツした感じにほだされてほしい」と呼びかけた。