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事件の裏に潜む、過去の因縁。その女と関わった人間は、すべてを失う—。『本性』

2018.11.25 Vol.712

 4人の関係者、3つの遺体、2人の刑事、1人の女。40歳を過ぎても独身で実家暮らしの高校教師・梅田尚之。ある日お見合いパーティーで「サトウミサキ」と名乗る女に出会い交際をスタートさせる。尚之はデートのたびに高価な食事やプレゼントし、ついにプロポーズを承諾してもらう。しかし、ある日を境にミサキの態度がよそよそしくなり、婚約の解消を告げられたばかりか、ある物を突き付けられ強請られる事に。

 その後もミサキは、正社員になれず就職活動をしながら、アルバイトで生計を立てている青年、事故で身寄りを失い孤独に暮らす老女、旦那が不審死をし、未亡人となった地方都市の女に、次々と近づいていく。そして、一見、何の接点もないこれらの人間に対し、狡猾な罠をしかけていく。一方、ある殺人事件について、2人の刑事が、目に見えないミサキの影を感じ取る。それは刑事の元に届いた15年前の名刺がきっかけだった。過去を探っている中で、ほんの些細な違和感が刑事の中で急速に膨らんでいく。

 そして、彼女の痕跡を追っていくうちに、さまざまな疑惑が形を成し、一歩一歩その影に近づいていく。ミサキの行動の核心をつかみ、彼女の元へ向かう刑事。ミサキと対峙した時、刑事に彼女が告げた真実とは。想像を超える戦慄のラストが待ち受ける、

感じてみよう“美術のちから”『カタストロフと美術のちから展』

2018.11.22 Vol.712

 2003年の開館記念展では「幸福」をテーマにした「ハピネス」展を、10周年を迎えた2013年には「愛」に注目した「LOVE展」を開催してきた森美術館が、15周年を迎える記念展にとりあげたテーマは「カタストロフ(大惨事)」。負を正に転ずる力学としての「美術のちから」について注目し、その可能性を問いかける。

 本展ではベテラン作家から気鋭の若手まで、国内外を問わず40組の作品を展示。近年日本でも注目を集める、作品や活動を通して社会に変革をもたらすことを目指す「ソーシャリー・エンゲイジド・アート(SEA)」として、オノ・ヨーコや宮島達男による鑑賞者参加型の作品や、社会的メッセージが込められた美術作品の良作を紹介。また、東日本大震災を契機に制作されたChim↑Pom、トーマス・デマンド、池田学など約10作家の作品を紹介し、風化しつつある震災の記憶をよみがえらせ、議論の再燃を目指す。

 マスメディアとは別の観点、手法によってカタストロフと向き合うことで、新たな可能性を切り開いてきた“美術のちから”に今一度、着目したい。

感じてみよう“美術のちから”「ブルーノ・ムナーリ — 役に立たない機械をつくった男」

2018.11.17 Vol.712

 20世紀イタリアを代表する美術家ブルーノ・ムナーリ(1907-1998)の作品約300点がそろう、日本初の本格的な回顧展。絵画、彫刻、グラフィック・デザイン、インダストリアル・デザイン、絵本、著述、さらには子どものための造形教育にも力を注いだ、多岐にわたる彼の活動を9つのパートに分けて紹介。初期の絵画や代表的オブジェ《役に立たない機会》を展示するプロローグに始まり、うち7つのパートは、ムナーリが1985年に東京のこどもの城で行った、子供のためのワークショップにヒントを得て、テーマを設定している。エピローグでは、ムナーリが開発した遊具を実際に手に取って遊ぶことができるコーナーとなっている。

 色彩と触覚だけで物語を想像する、文字の無い絵本《読めない本の試作》や、縞のある石に自転車を描き、白い縞を道に見立てた《みたての石》など、彼のアートはごくシンプルな発想から生まれ、大人も子供も誰もが親しみながら、想像力をかき立てられるものとなっている。

 また会期中は国際的に活躍するイタリア人振付家・演出家のルカ・ヴェジェッティがムナーリに捧げるパフォーマンスなどイベントも実施。

【江戸瓦版的落語案内】愛宕山(あたごやま)&おススメ落語会

2018.11.15 Vol.712

 
落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

二ツ目さん数珠つなぎ【第2回】 春風亭昇也「お客さんとは“一語一会”。今日しかできない落語を見せる」

2018.11.10 Vol.web original

 落語ブームと言われて早ン十年。ブームはちょっと下火に?と思われているが、とんでもない。その頃まだ落語家の卵だった二ツ目さんが、現在の落語界を盛り上げている。そんなイキのいい元気な二ツ目さんを数珠つなぎでご紹介! 第2回は柳亭市弥さんからの紹介で、春風亭昇也さんが登場!

飛び散る汗、ほとばしる情熱! 雀々が「地獄八景亡者戯」を今年も熱演

2018.11.05 Vol.711

桂雀々独演会「地獄八景亡者戯2018」

 上方落語の桂枝雀の弟子で、大阪で絶大な人気を誇る桂雀々。落語だけではなく、テレビや映画、舞台などでも活躍し、お茶の間で広く親しまれている。そんな雀々は芸歴35周年を迎えた2011年、拠点を東京に移し、精力的に落語会を開催。独演会ともなると、チケットは毎回完売という盛況ぶりだ。「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)は、雀々の大師匠である米朝の十八番のひとつ。通しで演じると1時間は超える長編の大ネタである。それを雀々のスパイスで味付けした、今一番おいしい「地獄八景亡者戯」をご覧あれ!

【いまライブで聴くべきバンド】西麻布「新世界」編

2018.11.02 Vol.Web Original

 今日もまた、都内のライブハウスではたくさんのバンドやアーティストがライブを行っている……けれど、数も種類も多すぎて、誰を見に行ったらいいのか分からない!!! だったらプロに聞きましょう!

 今月うかがったのは眠らない街六本木・西麻布エリア。クラブのイメージが強い港区エリアだが、実はライブハウスもあるのをご存知だろうか。 ライブハウス「新世界」の店長の尾崎さんは、ライブハウスでは珍しい女性店長。ずっとJ-POPが好きだったという彼女は、どんなライブバンドを勧めてくれるのでしょうか。

アートで気持ちもカラフルに!「写真展「木村伊兵衛 パリ残像」」

2018.10.25 Vol.711

 戦前そして戦後の日本を代表する写真家・木村伊兵衛。彼が1950年代のパリで写し撮った、人と街の表情を通して、当時のパリの魅力に触れる写真展。

 戦後間もない日本では海外渡航がきわめて難しく、芸術の都パリは遠い遙かな夢の世界だった。1954年、初めて念願のヨーロッパ取材が叶った木村伊兵衛は、ライカのカメラと開発されたばかりの国産カラーフィルムを手に渡仏。そこで写真家アンリ・カルティエ=ブレッソンやロベール・ドアノーと出会い、生きたパリの街並みと下町の庶民のドラマを目の当たりにした。本展では「パリの街角」「素顔のパリっ子」「安らぐパリ」「華やぐパリ」の4つの構成でカラー作品131点を展示する。

 念願のパリに渡った木村の視点はもちろん、木村作品のなかでは珍しいカラー表現の知られざる魅力、そして現代では失われた50年代半ばのパリの街角の光景も、興味深い。

 モノクロのリアリズムで昭和の日本をとらえてきた木村伊兵衛。そのイメージを新たにしつつ、パリを舞台に日常を切り取る視点の見事さを改めて感じることができる。

注目の占い師Love Me Doが新鮮なアングルの占い本! 30歳で自分の星座が変わる

2018.10.21 Vol.711

 性別に関わらず、アラサー世代に突入すると「なんだかうまく行かない」と感じることが多くなりがち。実はそれ、星座が変わってるからかも? 占い師、風水師、占星術家として活躍中のLove Me Doが斬新な占い本『30歳で星座が変わる! アラサー星占い』を上梓した。

 占星術の見方のひとつ「プログレス」に注目して書かれた本。人は30年で生まれついた自分の星座からひとつ前に進むという考えで、それを下敷きに、30歳までの自分、30歳からの自分、さらに先についてのアドバイスをまとめている。
「29から30歳になる時って感じることがいろいろあると思うんですけど、占星術の世界だとサタンリターンというのがあって、28、29歳の時に苦しい方向に進んだほうが運気が高まる、またはそういうものが自然にやってくるのでそこから逃げ出さないことが人生を豊かにするというのがあるんです。この本は、それを乗り越えるのに役に立ったらなと思って書きました」

 双子座の人は、生まれる前は牡牛座、30歳以降は蟹座。自分の星座の前後まで読むことで生きていくヒントがありそう。

 成功している人はよく自己分析をしているといい、「その内容を見てみると占星術の内容。先に占いがあってそれが今は心理学とか科学的になっている」と考える。この本がその自己分析にも役立つという。

「30歳で次の星座に移る。きっと次の星座の性格も読んでいただけると思うんです。自分ではない他の星座の特徴も知っていただけると、こういう人たちもいるんだ、こういう考え方もあるんだって知ることができて生きやすくなると思うんです。それに、牡羊座の人が魚座の性格で生きたら楽なのにと感じて、そこを演じられるようになったら人間の幅が広がるんじゃないかとも思います」

 本には30歳以降の生き方のアドバイスが書かれている。「いま30代の方は42歳のときに人生の大逆転があるので、そこに向けてもう過ぎちゃった人は60歳に向けて何かをやっていってほしいですね」

【いまライブで聴くべきバンド】下北沢「ERA 」編

2018.10.12 Vol.Web Original

 今日もまた、都内のライブハウスではたくさんのバンドやアーティストがライブを行っている……けれど、数も種類も多すぎて、誰を見に行ったらいいのか分からない!!! だったらプロに聞きましょう!

 今月うかがったのは、ライブハウス激戦区下北沢の中でも全国各地からバンドが訪れる、ある意味下北沢らしくないオールジャンルライブハウス下北沢「ERA」。久保寺店長に、今現場で注目するバンドを聞いてきました!

その世界の“向こう側”には、何がある…?【オススメDVD 5選】

2018.10.08 Vol.711

『おっさんずラブ』

 今年、日本中をざわつかせ海外での人気も獲得した、ピュアすぎる(けど、おっさん同士の)ラブストーリー!

 2016年の年末深夜に単発ドラマとして放送され話題を呼んだ捧腹絶倒の胸キュン・ラブコメがリニューアルして連続ドラマ化。単発ドラマと同じく田中圭&吉田鋼太郎に加え、林遣都、内田理央、眞島秀和、大塚寧々ら新キャストも参戦。

 女好きだけど、まったくモテない33歳のおっさん・春田創一(田中圭)。しかし彼はある日突然思いもよらぬモテ期を迎える。春田に愛を告白してきた相手、それはピュアすぎる乙女心を隠し持つ“おっさん上司”黒澤武蔵(吉田鋼太郎)と、同居している“イケメンでドSな後輩”牧凌太(林遣都)だった…!

販売元:TCエンタテインメント 発売中 DVD-BOX1万7100円(税別)

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