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今週のオススメMOVIE 11/23~ vol.1

2015.11.23 Vol.655

『Re:LIFE〜リライフ〜』

 アカデミー賞脚本賞に輝き名声を手に入れたものの15年経った今ではすっかり落ち目のキース。生活のため田舎町の大学でシナリオコースの講師として働くことになるがトラブルを起こしてばかり。

監督:マーク・ローレンス 出演:ヒュー・グラント、マリサ・トメイ他/1時間47分/キノフィルムズ配給/よりTOHOシネマズ シャンテ他にて公開中  http://www.relife-movie.com/

今週のオススメMOVIE 11/9~ vol.4

2015.11.11 Vol.654

『ムーン・ウォーカーズ』

 人類月面着陸の映像制作を、スタンリー・キューブリックに密かに依頼するため大金を携えロンドンにやってきたCIA諜報員・キッドマン。しかしダメバンドのマネジャー・ジョニーに依頼と大金が渡ってしまう。

監督:アントワーヌ・バルドー=ジャケ 出演:ルパート・グリント、ロン・パールマン他/1時間34分/日活、CAMDEN配給/11月14日よりヒューマントラストシネマ渋谷 他にて公開  http://moonwalkers-movie.jp/

今週のオススメMOVIE 11/9~ vol.3

2015.11.10 Vol.654

『コードネーム U.N.C.L.E.』

 東西冷戦真っただ中の1960年代前半。本来なら敵同士であるはずのCIAエージェントのナポレオン・ソロとKGBエージェントのイリヤ・クリヤキンは、世界を巻き込むテロ事件を阻止すべく手を組むことに。

監督:ガイ・リッチー 出演:ヘンリー・カヴィル、アーミー・ハマー他/1時間56分/ワーナー・ブラザース映画配給/11月14日より丸の内ピカデリー他にて公開  http://wwws.warnerbros.co.jp/codename-uncle/

宇宙、地球、そして人々の歴史『光のノスタルジア』『真珠のボタン』

2015.11.08 Vol.654

 南米ドキュメンタリーの巨匠パトリシオ・グスマン監督が“宇宙視点”の映像美で、混迷する文明社会に疑問を投げかける壮大なドキュメンタリーが現在、岩波ホールで上映中。世界の天文学者が集う天文観測拠点であり、独裁政治の犠牲者が眠る場所でもあるチリ・アタカマ砂漠を舞台にした『光のノスタルジア』と、地球規模の絶景を誇るチリ・西パタゴニアの海底で発見されたボタンの背景を語る『真珠のボタン』。宇宙の神秘と人間の愚行を対比させた巨匠の眼差しに絶賛が集まっている。

 上映期間中、岩波シネサロン(岩波ホールのビル9F)にて、ゲストを招いてのトークイベントも開催。映画と合わせて専門家のトークを楽しんでみては(各回先着50名)。

原作者が語る、今なお続く“美術と戦争”

2015.11.08 Vol.654

 第二次世界大戦中“芸術”のために命をかけた男たちがいた…! 大戦当時、ナチス・ドイツからヨーロッパの美術作品を守るべく、芸術家や博物館学芸員などによって結成された“モニュメンツ・メン”の実話を、ジョージ・クルーニーが監督・主演で描く話題作『ミケランジェロ・プロジェクト』。この奇跡の物語を発掘したのが原作者のロバート・M・エドゼル氏だ。この、知る人ぞ知る歴史的秘話をエドゼル氏が書籍化したことによってモニュメンツ・メンの活動も再注目された。

「実際のところ、美術館関係者やユダヤ人コミュニティーはあまり協力的とはいえず、取材は大変でした。私が美術のプロではなかったからというだけでなく、戦時中に略奪された美術品の話題は、彼らにとって今なお非常にデリケートな問題だからです。兵士でもない美術館スタッフが戦地を渡り歩きながら、ゴッホやミケランジェロの作品をナチスから守るという一見、実に痛快な物語のようですが、実際は今なお見つかっていない作品や所有権、賠償問題が解決してない作品も多く、ある意味タブーともいえるエピソードなんです」

 しかしクルーニーは映画化を熱望。

「初めて話をしたとき、ジョージがこの作品にものすごい情熱を持っていることを感じました。私が長年かけて、当事者や関係者と会い取材したことについても、評価してくれましたね。そして今回の映画化によって、モニュメンツ・メンの実話はまさに世界中の人の知るところとなったわけです」

 一つの美術品の過去をたどるとき、そこには芸術的価値に加え、歴史のドラマが浮かび上がってくる。
「もしかしたら今もどこかに、失われた傑作が眠っているのかもしれませんね」

今週のオススメMOVIE 11/9~ vol.2

2015.11.08 Vol.654

『サヨナラの代わりに』

 突然、難病・ALSと診断されたケイトは、介助の素人どころか家事すらできない女子大生・ベックを新たな介助人に選ぶ。介助人としてではなく友人としてそばにいてほしいというケイト。やがて2人は絆を深めていく…。

監督:ジョージ・C・ウルフ 出演:ヒラリー・スワンク、エミー・ロッサム他/1時間42分/キノフィルムズ配給/新宿ピカデリー他にて公開中  http://sayonarano-kawarini.com/

『第28回東京国際映画祭』リポート!

2015.11.07 Vol.654

10月22日から10日間にわたって開催された『第28回東京国際映画祭』。六本木のメイン会場に加え新宿にも上映エリアを拡大した今年は、劇場やイベントなどを合わせて総数44万9171人の動員を記録。その白熱の様子をリポート!

今週のオススメMOVIE 11/9~ vol.1

2015.11.07 Vol.654

『グラスホッパー』

 気弱で心優しい草食男・鈴木は、渋谷スクランブル交差点で突然起きた無差別殺人事件で、婚約者・百合子を失う。事件現場で真犯人を示唆するメモを見つけた鈴木は復讐のため裏社会に身を置き、真犯人を追う。

監督:瀧本智行 出演:生田斗真、浅野忠信、山田涼介他/1時間59分/KADOKAWA、松竹配給/丸の内ピカデリー他にて公開中  http://grasshopper-movie.jp/

現地ロケで描き切った、本物のエベレスト!『エベレスト 3D』

2015.11.07 Vol.654

 1996年に起きたエベレスト史上最悪といわれる遭難事故を、超豪華な国際派キャストを揃えて映画化した話題作。本作は、キャスト・スタッフが実際に訓練を経てエベレストで撮影を行っている。その顔ぶれは、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』のジェイソン・クラーク、『ナイトクローラー』のジェイク・ギレンホール、『ミルク』のジョシュ・ブローリン、『アバター』のサム・ワーシントン、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』のキーラ・ナイトレイと、そうそうたるもの。それぞれ実在の人物をモデルに、命がけの戦いに挑むクライマーと、帰りを待つ家族の極限状態を演じ切る。入念な準備をし、経験豊かなクライマーたちが揃った登山ツアーのはずが、悲劇はなぜ起きたのか。本物ならではの映像を3Dで体感する感動に加え、エベレストに挑む人々の群像劇としても、感銘深い。

 第72回べネチア国際映画祭でもオープニング作品として上映され絶賛された一本。あるときは天国のように美しい峰々の姿を、またあるときは人智を超える自然の恐ろしさを、ありのままにスクリーンに映し出す映像美は必見のひとこと。
(日本人キャスト・森 尚子インタビュー下部にリンクあり)

豪華キャストとエベレスト登山! 女優・森尚子

2015.11.07 Vol.654

 標高8848メートル。そこは本来であれば、人間が生身で立つことを許さない“デス・ゾーン”。1996年に発生した遭難事故を、現地ロケを交えてリアルに描き切った映画『エベレスト3D』が日本公開。ジョシュ・ブローリンやジェイク・ギレンホールといったハリウッド俳優とともにネパールでの撮影に挑んだのが、ロンドンを拠点に活動する女優・森尚子だ。生還した者、命を落とした者、一度は見捨てられながら自力で下山した者…そこには想像を絶するドラマがあった。

「なかでもやはり自分が演じた難波康子さんに非常に感銘を受けました。彼女は、この登山隊に参加した唯一の女性登山家であり、すでに6大陸最高峰登頂を成功させていて、チームの中で最高齢の47歳だった。そんな人をどうリアルに演じようかと思ったのですが、実際に山に立ったら、感動も苦しさもリアルに出てきました(笑)。長期間訓練をして、実際に5000メートルあたりまで登ったんです。体も辛かったですけど、クレバスにかけられたハシゴを渡るシーンは本当に怖くて。思わず足を止めてしまったらジョシュがすぐさま助けに来てくれました。状況が過酷だと、本当にみんな“仲間”になるんです(笑)」

 奇跡的な出会いもあった。

「撮影中、偶然に難波さんの知人だという登山家の方にお会いしたんです。難波さんのお話を伺うこともできて、まさに山の奇跡が生んだ出会いでしたね。難波さんの勇気、行動力、そして山を一途に愛する姿に私自身、大きな影響を受けました」

 海外で活動する困難さも乗り越えてきた。

「エベレストの大きさに比べれば私はまだまだ小さいな、と(笑)。皆さんも、この映画でエベレストの偉大さをリアルに感じてもらえたらうれしいです」

鬼才ジョー・ライトが生み出した、懐かしくて新しいピーター・パンの世界

2015.10.26 Vol.653

 これまで『プライドと偏見』『つぐない』といった叙情豊かな人間ドラマを描いてきたジョー・ライト監督が、新たに手掛けるのは誰もが知っている、あの夢の世界の冒険物語! 最新作『PAN ネバーランド、夢のはじまり』を引っ提げて来日したライト監督は「僕のキャリアのなかでも、新たな挑戦となった作品」と語る。

「僕のこれまでの作品とはまた違った反応を聞くのも、すごく楽しいね。人々の感情に訴える作品に仕上がったと思っています。ピーター役のリーヴァイや、ヒュー・ジャックマンら役者の存在も大きかったね」

 本作では“11歳の自分”の視点を大切にした、と監督。 

「ピーターにはすごく僕自身が投影されていると思う。自己中心で移り気で(笑)、何より強い想像力を持っている。子供時代の僕は、世の中に圧倒されて、趣味のマジックに没頭しながら早く大人になりたいと願ってた。10代のころはマジシャンになるという夢を持っていてコヴェントガーデンのストリートで披露していたこともあったんだけど、あまり受けなくてね(笑)。そのころ初めて家にテレビが来て、テレビで映画を見て“これこそ新たなマジックだ”と思ったんだ」

 映画というマジックの使い手となり、豊かな想像力を発揮するライト監督。物語の中でも想像力は大きな力として描かれる。

「想像力というのは人間にとって不可欠な物だと思います。映画監督でも数学者でも、子供でも大人でもね。想像力は筋肉みたいなもので、鍛えないと育たない。だから日本の子供たちにもいろいろな世界に触れて、ぜひ想像力を働かせてほしいね」

 かつてないほど臨場感にあふれたネバーランドの光景と、ピーター・パン誕生の物語。3D上映で想像力を広げてみては。

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