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M-1審査員9名決定! アンタ柴田、かまいたち山内、オードリー若林が初挑戦

2024.12.15 Vol.Web Original

 最も面白い漫才師を決める『M-1グランプリ2024』の決勝(12月22日)の審査員が12月15日発表された。メンバーは、石田明(NON STYLE)、海原ともこ(海原やすよともこ)、柴田英嗣(アンタッチャブル)、哲夫(笑い飯)、博多大吉(博多華丸・大吉)、塙亘之(ナイツ)、山内健司(かまいたち)、礼二(中川家)、若林正恭(オードリー)の9名。柴田、山内、若林はM-1審査員に初参戦となる。

 決勝の前に行われる敗者復活戦では、観客500人と、井口浩之(ウエストランド)、 久保田かずのぶ(とろサーモン)、 斎藤司(トレンディエンジェル)、 野田クリスタル(マヂカルラブリー)、 渡辺隆(錦鯉)が審査する。 

「ギャラを持っていかれる」ことに対して文句なんて一つもない。NSCで最初に教えるべきは、ボトルキープ理論だ【徳井健太の菩薩目線 第226回】

2024.12.10 Vol.web Original

“サイコ”の異名を持つ平成ノブシコブシ・徳井健太が、世の中のあらゆる事象を生温かい目で見通す連載企画「徳井健太の菩薩目線」。第226回目は、ボトルキープについて、独自の梵鐘を鳴らす――。

 考えれば考えるほど、ボトルキープは興味深い文化だなって思う。

「今までボトルキープしたことがないんだよね」

 と奥さんに伝えたら、「うそでしょ」と言わんばかりにぎょっとされた。北九州で生まれた彼女にとってボトルキープは当たり前だそうで、小さい頃にお父さんとお母さんと居酒屋へ行くと、決まってボトルキープが置いてあったという。

 奥さんは、「特に意味があったわけではないと思うよ」と断りを入れるものの、たしかにボトルキープはよくできているなと、僕は思った。もちろん、リーズナブルさはあるだろう。でも、安さだけを求めるなら、そのボトルをスーパーで買って家で飲んだ方が、もっと安上がりだ。

 ボトルキープをする――。

 そうすると、「また来るからね」という意思表示になる。暗黙の了解としてのボトルキープ。コミュニティとしてのボトルキープは、一定の役割を果たしているということになる。あくまで僕個人の肌感だけど、ボトルキープは西日本の方が一般的なイメージがある。対照的に、東京でボトルキープをしているお店は、かなり限られるのではないかと思う。

 いま、東京で飲んでいると、なかなかコミュニティを感じられる機会は少ない。そこには、自分のことだけしか考えられない個人主義的な発想もあるだろうし、街が都市化していくにつれ、地域社会に対する関心の希薄化もある。飲みに行っても、個人的な趣味や嗜好で飲んでいる人が多く、コミュニティを考えて飲んでいる人なんて、一体どれくらいいるのだろうかと勘繰ってしまう。

 ボトルキープ的な考え方を、生きていく中に取り入れてみると面白いと思うんです。

 人間関係や仕事の中において、自分と輪をつなぐような“何か”はあった方が望ましい。酒場におけるボトルキープのように、何かがキープされているから、持ちつ持たれつ、そこに居場所が生まれる。

 例えば所属事務所。僕は吉本興業に所属しているから、当然ギャラの何割かは事務所に持っていかれる。それに対して、不平不満を口にする若い子たちも少なくない。

 でも、こう考えてみたらどうだろう。

 僕らが全く売れていない頃、僕らは売れている先輩たちの“持っていかれたお金”によって生かされていた。稼いでくれる人がいるから、無名で実力もない僕たちは一応所属という形になっていたし、その看板があることで、僕らも笑いが好きでい続けられたと思う。

「そうはいってもたかだか数百円のギャラしかもらえないじゃないですか?」なんて反論もあるだろうけど、本当は数百円ももらえないような杜撰でエゴにまみれた笑いしかしていない。もらえるだけでもありがたいし、もっと言えば劇場代や諸経費は事務所が持ってくれている。しかも、たった数百円でも、「こんなにウケたのに500円かよ」とか、「交通費を考えるとマイナスになる」とか話のネタにもなる。こんなことを笑って話せたり、いつかを夢見てチャレンジできるのは、誰かが稼いでくれているから。

 だから、自分たちがそれなりに売れ始めたとき、「割に合わない」と話すのは、僕には違和感に映る。持っていかれるお金は、ボトルキープのような存在で、それがあるから居場所があって、コミュニティが成立するのだと思う。

 こうしたことを理解するには、年齢を重ねていかないと分からないことかもしれない。吉本であればNSCの授業で伝えた方がいいと思うし、社会であれば高校や大学の授業で教えてあげてもいいんじゃないかなって思ったりもする。今は言葉で説明してあげないと分からない人が増えたから。

 極論かもしれないけど、常連だった僕が死んでしまったら、店の飲み仲間たちはいつか僕のことを忘れるだろう。別に思い出してほしいってわけじゃないけど、もし仮に「徳井さん」ってボトルが残っていたら――。そういうものがあるのとないのとでは、まるで世界は変わってくる。世の中、もっとボトルキープ的な発想があったら、人に対して優しくできたり、想像力が豊かになったりするんじゃないかなと、つくづく思う。

M-1決勝進出者決定! 現王者の令和ロマン、ヤーレンズ、真空ジェシカら9組 22日に漫才日本一決まる

2024.12.06 Vol.Web Original

 漫才日本一を決める『M-1グランプリ2024』の決勝に進出する9組が決定した。

 決定したのは、ママタルト(サンミュージックプロダクション)、令和ロマン、ジョックロック、真空ジェシカ(プロダクション人力舎)、エバース、トム・ブラウン(ケイダッシュステージ)、ダイタク、ヤーレンズ(ケイダッシュステージ)、バッテリィズ。事務所表記の無い出場者は吉本興業所属。9組のうち、ママタルト、ジョックロック、エバース、ダイタク、バッテリィズの5組が初の決勝進出となる。

 恒例の決勝進出者会見は都内で行われ、TVerスペシャルライブの生配信。マヂカルラブリーが司会を担当した。

 現王者で2連覇を狙う令和ロマンの髙比良は司会の野田から「どういう気持ちで参加してるんですか?」と聞かれ、「通過点、ただそれだけです」と余裕の発言をすると、慌てて松井が「王者すぎる! それじゃ悪役だよ」。その後も孤高の王者風にボケ続けた。松井は、昨年の優勝賞金1000万円を事前の約束によりすべて髙比良にあげてしまったため、「今年は1000万円を取り返しにきました。忘れ物の1000万!」

 生配信終了後の質疑応答では、現王者として優勝の決め手を聞かれ、髙比良は「M-1への愛じゃないでしょうか」とキッパリ答えるも、松井は「一番おもしろい漫才をした人が優勝すると思います」と冷静。他メンバーと比べると「実績」「それだけは負けてないと思います」と2人で胸を張った。

 昨年令和ロマンに敗れ準優勝となったヤーレンズは、楢原の「憎っくき令和ロマンを倒す」というコメントが不発に終わり、出井が「いけすかない王者を俺が倒してやりますよ」と前に出るも、真空ジェシカの川北に絡まれて引っ込んだ。

 決勝進出の感想を聞かれたママタルトの大鶴は「みんながよくこれをゴールインと言いますが、私はスタートなのかなと思います」と落ち着いた様子。

 ジョックロック・福本はネタ同様に「めちゃくちゃうれしー!」と立膝ポーズで雄叫び。マヂカルラブリーの2人が「見てたやつだ」「生だ」と福本のボケに喜ぶと、福本はすかさず「CMとかに使いやすいので」とアピールしてみせた。

 4年連続の決勝進出となった真空ジェシカは、「さっきまで犬の姿だったので」など、今年の会見でも川北がボケ三昧。隣に立っていた福本と叫び合う即興のボケがハマり、会見中に何度も2人でボケ合っていた。

 バッテリィズは「名前呼ばれへんかなと思ったら、呼ばれてうれしかったです」「賞金は全部親にあげます。あげたら喜ぶんで」など、エースが素直すぎるコメントを連発。

 ラストイヤー&準決勝進出6回目にして遂に決勝への切符を掴んだ双子コンビ・ダイタクは、発表の際のリアクションについて「2人がかぶったら『双子だな』ってなるし、合わなかったら『双子なのに』ってなるので、ちょっとだけ合ってると思います」と2人で照れ笑い。「泣くかと思ったんですが、うるうるくらいで。でもその後、出所明けくらい後輩たちが来てくれたので泣きました」とも明かした。

 6年ぶりに決勝に返り咲いたトム・ブラウンは、「2018年の時は優勝を目指していたのに、『飛び道具』『爪跡残せればいいじゃん』って言われて正直ムカついていた。6年越しにようやく決勝に行けたので、正直死ぬほどうれしいです」と告白。またケイダッシュステージからトム・ブラウンとヤーレンズ2組が決勝に進出したということで、事務所初の優勝コンビ誕生への期待も膨らませていた。

 エバースの町田は発表の瞬間について「ゾーンに入ってました」の一点張り。堂々としているように見えるも、野田から2人とも緊張しやすいことをバラされると、佐々木は「準決勝で緊張しないようにすべてのライブを準決勝だと思ってやったら、緊張して全部噛んだんです」と明かし会場を笑わせた。 

 本番のネタ順はおなじみとなった「笑神籤(えみくじ)」方式で決まる。

 決勝戦は12月22日午後18時30分から。ABCテレビ・テレビ朝日系列にて全国ネット生放送。彼ら9組に、決勝前敗者復活戦(東京・新宿住友ビル三角広場)で選ばれる1組を加えた計10組で優勝賞金1000万円と漫才日本一の称号を競う。「敗者復活戦」は午後3時からABCテレビ・テレビ朝日系全国ネットで生放送予定。

 

実際に、ライブでお金も時間も体力も使わない人の意見なんて聞かなくていい。選挙も、知恵も時間も体力も使わない人の意見なんて、反映されなくていいと思う〈徳井健太の菩薩目線 第225回〉

2024.11.30 Vol.Web Original

“サイコ”の異名を持つ平成ノブシコブシ・徳井健太が、世の中のあらゆる事象を生温かい目で見通す連載企画「徳井健太の菩薩目線」。第225回目は、ネット選挙について、独自の梵鐘を鳴らす――。

 今年は何かと話題になる選挙が行われた一年だったような気がする。ざっと振り返るだけでも、7月の東京都知事選挙、10月の衆議院選挙、11月の兵庫県知事選挙と印象的な選挙が続いたと思う。

 僕と奥さんは、選挙速報を見ながらあーだこーだと喋ることが好きだ。そのたびに、スマホやパソコンから投票できるネット選挙はアリかナシかみたいな話になる。僕は一般論的な意見同様に、「投票率も上がるだろうから導入してもいいんじゃないか」と話すのだけど、奥さんは「そうかなぁ」と首をかしげる。

「選挙に行きたくない、どこにも入れたくない、めんどくさいといった人たちに対して、ハードルを下げる必要はないんじゃない?」

 というのが奥さんの意見だ。さほど政治に関心のない人の意見を取り入れることで、民意が正しく反映されなくなるなどの意見はよく聞くけど、「ハードルを下げてしまう」という奥さんの意見はあまり聞かない意見だったから、僕は面白い意見だなと食いついた。

 奥さんは、シンガーソングライターでグラビアなどもしていたから、お客さんに対して、僕以上に一家言を持っている。

 例えば、インスタライブのような無料のイベントを開くと、「もっと肌を露出したほうがいい」といった意見が必ず飛んできたという。さまざまなことを言われるため、物は試しとやれる範囲のことは一応やってきたそうだ。ところが、そうやって意見を飛ばしてくる人ほどライブに来ないし、実際にライブに足を運ぶお客さんはもっと真剣に考えてくれるという。ふわふわしたクラウド上の意見や無料の意見は、少なくても自分にとってはプラスになるものでもなかったと教えてくれた。来てくれるお客さんは、シンプルに音楽や歌が好きな人や、自分のことを応援してくれる人ばかりだ、とも。

 たしかに、この視点は選挙にも言えることだと思った。わざわざ足を運んだ人の意見だからこそ聞く意味があるのであって、行く気がしないとかめんどくさい、ワカラナイなどと言っている人の意見を、便利にすることで半ば強制的に投票させる必要ってあるんだろうか? 「ハードルを下げる」ことと、「門戸を広げる」ことはイコールではないってことだと思うんです。

 新しいニーズを増やしたいからといって、ハードルを下げる。それって一時的には効果があるのかもしれないけど、中長期で考えると本当に意味があるのだろうか。物事は、やらないよりかは、ひとまずやってみた方がいいこともある。とは言え、ハードルを下げると、当然海千山千いろんな人が流入し、結果的にそのカオスと化した状態を整備するのに、余計な時間とお金がかかりそうでもある。「門戸を広げる」ために「ハードルを下げる」のは違う。分けて考えないといけない。

 分かりやすくすれば良いと思う。

 選挙であれば、行く気がしないとかどこに入れていいか分からないと言っている人がいるなら、分かりやすくしてあげればいい。よく分かんないから足が重くなる。だったら、その目詰まりを解消してあげれば、多少なりとも足取りも軽やかになるんじゃないんだろうかとも思う。そう思っていたのだけれど、この一年の間に、動画の切り抜きやTikTokなどによって、その“分かりやすさ”が利用できるものだということが明らかに……。選挙って難しい。

小池都知事がティモンディと「やればできる!」“おウチの燃費”向上を呼びかけ

2024.11.28 Vol.Web Original

 お笑いコンビのティモンディが2025年4月に施行される新制度「建築物環境報告書制度」を普及啓発する「知って役立つ!おウチの燃費と快適性」のアンバサダーに就任、11月24日、都庁で行われた就任式に出席した。小池都知事から大きな名刺をを受け取ると「やれば、できる!」と大きな声でメッセージした。

 ティモンディはWEB動画篇に出演。動画は、生活のなかでできる少しの心がけによって自宅の燃費を向上させて快適に過ごすためのヒントを提案するもの。「夏は涼しく冬は暖かく」に限らず、“おウチの燃費”の向上によってもたらされるメリットを知らせる。

M-1準決勝進出30組が決定! 現王者の令和ロマン、ヤーレンズら昨年決勝進出組もコマを進める

2024.11.23 Vol.Web Original


 いま最も面白い漫才師を決める『M-1グランプリ2024』の準決勝に進出する30組が決定した。決定したのは以下の通り。

 真空ジェシカ、マユリカ、カベポスター、トム・ブラウン、ヤーレンズ、家族チャーハン、十九人、金魚番長、ナイチンゲールダンス、エバース、ドンデコルテ、シシガシラ、カラタチ、ダイタク、ひつじねいり、令和ロマン、例えば炎、オズワルド、フースーヤ、今夜も星が綺麗、ママタルト、インディアンス、豆鉄砲、男性ブランコ、ダンビラムーチョ、滝音、豪快キャプテン、バッテリィズ、 ジョックロック、スタミナパン。(エントリー順)

 準決勝は12月5日に開催。当日はイオンシネマでのライブビューイングやオンライン配信(ともに有料)も行われる。

 決勝は12月22日。

 今年は1万330組がエントリーした。

情報の公平性や平等をうたい願うならば、ヤンキースファンは今年、とても悲しく苦しく切なかったであろう話!〈徳井健太の菩薩目線 第224回〉

2024.11.21 Vol.web original

“サイコ”の異名を持つ平成ノブシコブシ・徳井健太が、世の中のあらゆる事象を生温かい目で見通す連載企画「徳井健太の菩薩目線」。第224回目は、LAドジャースについて、独自の梵鐘を鳴らす――。

 今年の大谷翔平選手の活躍、すさまじかったですよね。僕もワールドシリーズを視聴し、大谷選手の有終の美を見届けさせていただきました。

 大前提として、「大谷選手はすごい」ということをご理解いただいた上で、以下を読み進めていただけると幸いです。

* * *

 さすがにドジャース贔屓すぎやしません? みんなが、なんとなく頭の片隅に思っている違和感であってほしいのですが、そう感じていない人もきっといるだろうから野暮を承知で叫びたい。ドジャース、贔屓しすぎ!

 例えば、これが日本対アメリカのWBCの決勝だったら分かるんです。日本贔屓の実況になるだろうし、翌日のテレビやスポーツ紙も“いかに日本の戦いが素晴らしかったか”について、延々と賞賛を送ることも。そりゃそうだよなって。

 でも、海を越えたアメリカのワールドシリーズで、ぶっちゃけ僕らにはほとんど関係ないだろうドジャース対ヤンキースという東西の名門対決が行われるなら、それなりの公平性はあってしかるべきだと思うんです。

 たしかに、ドジャースには我らがスーパースター大谷翔平選手、そして山本由伸選手がいる。そのため、ドジャースに寄った方が視聴率もPV数も期待ができると思う。とは言え、どうしてこんなにドジャース贔屓の報道になるのか理解できない。ヤンキースも名門中の名門だし、かつては松井秀喜さんが在籍していた日本人にとっては馴染みの深いチーム。あんなに「ゴジラ、ゴジラ」とヤンキースを応援していたのに? 両チームとも日本人ファンが多いだろうチームなのに、大谷翔平選手がいるだけでどうしてこんなに傾いてしまうのか。

 つい先日、日本では福岡ソフトバンクホークスと横浜DeNAベイスターズが日本一をかけて戦った。福岡の放送局が、翌日に「ソフトバンクが負けて残念。悔しい!」と伝えるのは分かります。でも、福岡とも横浜とも関係のない大阪の放送局が「ソフトバンクが負けました、悔しい!」と伝えようものなら、「なんでやねん」の大合唱になると思うんですよ。

 地区シリーズでのパドレス戦もそう。パドレスにはダルビッシュ有選手がいるのに、やっぱりドジャーズ贔屓。そのままどんどん偏って、頂上決戦のワールドシリーズではかなり西海岸に傾いているものだから、正視するのが難しかったくらい。ヤンキースには、ジャッジ選手を筆頭にスーパースターがたくさんいるのに。ここ日本にもヤンキースファンはたくさんいるのに。だけど、ほとんどの日本のメディアがドジャースの肩を持つのはどういうことなの。株主?

 日本のヤンキースファンを思うと、こんなに片隅の狭いワールドシリーズもなかったんじゃないかと思う。喜ぶと白い目で見られかねないスポーツマンシップとは遠い世界。第5戦にいたってはヤンキースはエラーがらみで大自爆し、ファンは見るに堪えなかったはず。

 それにもかかわらず、翌日にはこれでもかというほどの、致死量の塩を傷口に塗り込む。「ドジャーズが勝ちました!」。そう司会者が叫ぶ度に、僕はTHE YELLOW MONKEYの名曲『JAM』の一節、「乗客に日本人はいませんでした。いませんでした。いませんでした」を思い出してしまった。

 メディアで、ドジャースが負けて悔しいと言い続けていれば、大してメジャーリーグに興味がない人は、おのずとドジャースファンとして洗脳されてしまう。昔の巨人もきっとそうだったんだろうけど、令和の今、それって大丈夫なのって思ってしまう。こんなに露骨に?って。

 大谷翔平選手が打って喜ぶのは分かる。だけど、ドジャースの勝敗は別であってほしいし、せめて大一番くらいは対戦しているチームのファンをキャスティングした上で一喜一憂した方がいいんじゃないのと思うんだけれど。

 中立をうたう放送局が、巨人ファンばかりを並べて巨人を礼賛すれば、阪神ファンを始め、その他のセ・リーグファンは黙っていない。本来、成立するわけがない不可思議な光景が、大リーグという対岸の舞台装置と、大谷翔平というスペシャルなカードを持つことで成立してしまうって、僕はものすごく恐ろしいことのように思えてしまった。そういう状況が揃ったら、あっという間に思考をハイジャックされてしまうじゃないか。

 ドジャース! ドジャース!――。あまりにも言われると、当然、判官贔屓じゃないけど、あまのじゃくな人たちは他のチームを応援したくなるよね。「大谷選手は好き。だけど、ドジャースは嫌い」。そんな人が増えるのだとしたら、それって大谷選手が一番望んでいないような状況……だと思うんだけど、これって気のせいなんでしょうか。

「もうダメや、あかん!」とチャンス大城さんが本番中に叫んだとき、僕は心から笑ったしうれしかったし、安堵した〈徳井健太の菩薩目線 第223回〉

2024.11.10 Vol.Web Original

 浜名湖ボートの仕事で、パチスロ界隈ではレジェンド的なライターであるういちさんと一緒になった。僕たちが狂ったようにパチスロをしていた時代、ういちさんの文章を読んでいない人はいないというくらいの存在で、パチスロ界のダウンタウンといってもいいほどの巨星だ。現在、ういちさんはボートレースのフィールドでも仕事をしているので、僕は偶然にもういちさんと仕事をすることになったのだ。

 この現場に、たまたま吉本の若手コンビも参加した。話を聞くと、2人とも東京の難関私立大学出身者だという。

 僕はかれこれボートレースを何十年もやっているけど、意外にも要領を掴むことが難しいクセのある公営ギャンブルだと思っている。それこそ始めたての頃は、どうやって勝負していいのか四苦八苦したものだ。ボートレースに興じた経験はないと話していたその若手コンビも、「どうやってやるんですか?」と恐る恐るベットしていた。ところが、時間が経つにつれ、僕とういちさんの話を一つ聞くと、十を知る。呑み込みがとても早く、「なるほど。つまり、こういうことですね」なんて具合で、買い目をすぐに理解してしまうのだ。

 あまりに賢い若手を見て、僕とういちさんは少し打ちひしがれた。ういちさんは僕より少し年齢が上だけど、僕らが若かった頃、こんなに賢くて若い奴をギャンブルの世界や芸人の世界で見たことなんてなかったからだ。右も左もダメ人間ばかりで、一を聞いても、その一すら理解していないような奴しかいなかった。

 その中でも、僕らは比較的賢いと思われるようなタイプで、ここまで何とか生きてこれた。でも、今は本当に頭の良い人があらゆるジャンルに登場して、「ダメ人間は行き場を失くしてしまうかもしれないですね」と僕は口をすぼめた。なんだか背中に寂しさを感じた日だった。

 その数日後、ABEMAの競輪の仕事でチャンス大城さんと一緒になった。大城さんは、企画の中で比較的勝利を重ね、この日も余裕を持って勝負に臨んでいた。ところが、最終レースを前に急にテンパり始めて、「もうダメや。あかん……あかん!」。事態が飲み込めない僕らをよそに、

「なんでこんな最後に失敗してもうたんやー!」

 そう叫んだ。まだ最後のレースは始まっていないのに?

「大城さん、落ち着いてください。最後のレースはこれからです。最後の失敗はまだしてないです。手元にポイントもたくさんあるじゃないですか。めっちゃ勝てる可能性が高いですよ」

 説明する僕を制止して、「あかんねん」としか大城さんは発しない。一体何があかんねん。最終的に、大城さんは意味がわからない賭け方をして自爆した。

 僕は、大城さんの姿こそ未来に残していくべき芸人の無形遺産だなと確信した。賢いよりも面白いが見たい。賢いは紐解ける。だけど、この面白さは紐解けない。

 少し前、NSCの合宿に僕たち平成ノブシコブシはMCとして参加した。合宿には芸歴5年目くらいの若手もいて、その一組にイチゴがいた。彼らは、今年配信されたYouTubeの「吉本興業チャンネル」のネタバトル企画「100×100」という大会で優勝したコンビだ。その企画でMCを担当した僕は、以来、イチゴの存在が気になって、顔を合わせたときは近況を聞くような関係になっていた。

 ボケのイクトは、浮かない顔で「大学お笑いばっかですよ。俺らなんて全然人気がない」と話していたけど、お前らなら大丈夫だよ。僕は、お前らのような持たざる者こそが、大きな風穴を開けてくれると信じている。たしかに賢さはないかもしれない。だけど、答えのないことを恐れずにやれるお前らのような笑いこそ、腹の底から笑ってしまうことを知っているから。

千原せいじ、出家前の僧侶役をアピール「お経が下手なオレを見られるのはこの作品だけ」

2024.10.28 Vol.web original

 

 第37回東京国際映画祭オープニング作品『十一人の賊軍』(11月1日公開)の舞台挨拶が28日、都内にて行われ、主演・山田孝之をはじめ共演の鞘師里保ら豪華キャストと白石和彌監督が登壇。今年5月に出家したことを公表した千原せいじが「足の長さ」と「お経」を自慢した。

『十一人の賊軍』は「日本侠客伝」や「仁義なき戦い」シリーズを手がけた脚本家・笠原和夫による幻のプロットを『孤狼の血』チームが映画化。戊辰戦争時、新発田藩(現在の新潟県新発田市)で繰り広げられた歴史的事件をもとに「決死隊」として砦を守る任に就いた罪人たちの死闘を描く。

 冒頭の挨拶で千原せいじは「今日は皆さん、ラッキーですよ。衣装を着て鏡を見たら、いつもより足が長かった。今日は1年に3回ある足の長い日のうちの最後の日」とレッドカーペット参加で正装した姿の“足の長さ”を自慢し会場も大笑い。

 今年5月に自身のライブ配信で出家し「天台宗の和尚さんになりました」と明かしていた千原。「この映画を撮ったときはまだ修行していないので、お経が下手なんです。今はお経めちゃくちゃ上手いんです」と胸を張り「お経のヘタなオレが見られるのはこの作品だけです」とアピールし笑いを誘っていた。

 この日の登壇者は山田孝之、鞘師里保、佐久本宝、千原せいじ、一ノ瀬颯、小柳亮太、本山力、野村周平、白石和彌監督。

オードリー、新CMで銀座を語る 若林「たぶん怒られる」

2024.10.23 Vol.Web Original

 お笑いコンビ、オードリーがレトルトカレー「銀座カリー」の30周年を記念したCMに出演することになり、10月23日、都内で行われた発表会に登壇した。テレビCM「新しい銀座」篇には若林正恭が単独で出演し、オードリーはWEB CM「美味しい仕事」篇に出演する。

 テレビCMは、銀座にほど近い入船に生まれ銀座に親しみながら育った若林が銀座での幼少期の思い出を振り返るもの。子どものころの若林も写真で登場する。「お祭りの時の写真で、この場所は銀座まで徒歩 10 分ぐらいの新富町という場所。お祭りの日だからでしょうかね、テンション高いですね。珍しく」

 出来栄えについて聞かれると、「しゃべるところを撮っていただいた。全く別パターンでドラマ仕立ての台本のやつも撮ったんですけど全カットになってて、明治さんは素晴らしい判断をされてる。ワンカットツーカット使われると思ったんですけど、1回も使われないと思わなかったので、やってくれたなっていう気持ちもあります……『銀座も変わっちゃったな』っていうセリフがあったんですけど、そこ使ってほしかった」

キンタロー。4歳長女のおませぶりに衝撃「どこでそんなしぐさ覚えたの」

2024.10.22 Vol.web original

 

 映画 『こまねこのかいがいりょこう』(10⽉25⽇公開)のトークイベントが22日、都内にて行われ、合⽥経郎監督が登壇。お笑いタレント・キンタロー。もゲストとして駆け付け、子どもたちも同作に夢中になったと語った。

 ⽇本のこま撮りアニメーションの最⾼峰“ドワーフスタジオ”のオリジナルシリーズ「こまねこ」最新作。

 冒頭、こまねこの人形とともに登場した合⽥監督は11年ぶりの「こまねこ」新作に「ずっと支えてくださっている皆さんのおかげ」と感慨深げ。

 そこへ、ゲストのキンタロー。が「にゃにゃ~」と、こまねこのものまねをしながら登場。こまねこ風の着ぐるみにメイクで、すっかりなり切ったキンタロー。だが前田敦子からアンミカ、果ては北大路欣也まで、お得意の物まねレパートリーを繰り広げ「キャラが渋滞してます(笑)」。

 2女の母でもあるキンタロー。は「2歳と4歳の我が子もすっかり作品の中に入り込んでました。こまちゃんもお気に入りのぬいぐるみを持っているという、自分との共通点もあって、ぬいぐるみたちの物語も想像力を膨らませてくれる」と母目線でも大絶賛。

 育児の日々で成長を感じることはと聞かれると「“いつ、そんなしぐさ覚えた?”みたいな。もう好きな子がいたりとか。“ママ、今日、髪巻いてくれる?”とか“かわいい髪型じゃないと出かけるのイヤ”って言うんです。4歳ですよ。おませさんなんです」と髪をかき上げる4歳長女のマネをしながら、おませぶりに苦笑。

「親を見てマネするなら分かるけど私、そんなキャラじゃないのに。もちろん、私を見てアンジェリーナ・ジョリーもやってくれるんですけど」と首をかしげながらも子供の成長に感嘆していた。

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