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ウォンビン「まだおじさん(アジョシ)になりたくない」主演映画『アジョシ』来日記者会見

2011.08.31 Vol.522
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 韓流四天王の一人、ウォンビンの最新主演作『アジョシ』の日本公開に合わせ、30日、都内ホテルにて来日記者会見が行われ、主演のウォンビンと子役のキム・セロン、イ・ジョンボム監督が登壇した。

 ウォンビン演じる、元特殊要員の孤独な男・テシクが、心を通わせていた隣家の少女・ソミを守るため、戦いに身を投じるという物語。ウォンビン自ら挑んだハードなアクションが大きな見どころとなっているが「多くの人がアクションの部分に関心を持つと思いますが、テシクの内面の描写に惹かれて出演を決めました」。そんなウォンビンをイ監督も「ウォンビンさんは、男性的な面と、少女と心を通わせる優しい面の二面性を持っている」と大絶賛。ソミ役の子役・キムとの息の合った演技について尋ねられたウォンビンは「実は2人で撮影したシーンは多くなく、現場ではあまり面倒を見てあげられなかった」。するとキムは「ウォンビンおじさんは現場でもとても優しかったです。寒いときにはブランケットを持って来てくれたしお腹がすいたら食べるものを持って来てくれた」と、大好きな“おじさん”をフォロー。本作で大人の男としての魅力を見せたウォンビンだが、おじさんと呼ばれることをどう思うかと質問されると「まだ“おじさん”になりたくないと思いました」と答え、会場の笑いを誘った。

 映画は9月17日より全国公開。


映画『モテキ』完成披露パーティー リリー・フランキーが真顔で公開セクハラ!?

2011.08.31 Vol.522
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 映画『モテキ』の完成披露パーティーが30日、都内のホテルで行われ、主演の森山未來、ヒロインの長澤まさみ、麻生久美子、仲里依紗、真木よう子、リリー・フランキー、大根仁監督が出席した。パーティーには公式サイトを通じて募集した150人のファンも参加、パーティーを盛り上げた。

 突然の「モテキ」がやってきた冴えない派遣社員の幸世が恋にエロスに翻弄される姿を描き、深夜としては異例の高視聴率を記録したドラマ『モテキ』。今回の映画は原作のラストから1年後を描くオリジナルストーリーだ。

 主演の森山は「去年から今年にかけて一生分ぐらいモテまくったので満足です」とドラマから映画にかけての感想を語る。

 女ぐせの悪いCEO・墨田を演じるリリー・フランキーは登場するや司会を務めたテレビ東京の松丸友紀アナウンサーに「テレビで見るより胸大きいですね」と真顔で公開セクハラ。自らの役に関しては「俺はモテているんじゃなくて、絶倫。役作りなしでいつも通りで臨んだ」と語り、会見中も他の出演者のコメントそっちのけで、松丸アナの胸を凝視するパフォーマンス?で墨田役が抜け切っていない様子だった。

「毎日とっかえひっかえ、べっびんさんとキスだの、胸を触るだのやりたい放題やらせていただいた」と撮影を振り返った森山だったが、「幸世みたいな男性は?」という質問に長澤は「どっちでもいい」、麻生は「タイプじゃない」、仲には「部屋がちらかっている人は嫌」、真木に至っては「嫌ですね」とぴしゃり。撮影終了と同時に幸世のモテキもすでに終わったよう......。

 その後行われた試写会での舞台挨拶で大根監督は「見終わった後に、絶対誰かとしゃべりたくなる映画。幸世の悪口とか4人の(ヒロインの)中で誰がいいかとか」としたうえで、幸世について「こんなに感情移入できない主人公は日本映画ではそうはいない」と締めくくった。

 映画『モテキ』は9月23日から公開される。


渡辺謙が『はやぶさ~』 豪華キャストを自ら発表

2011.08.29 Vol.522
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 渡辺謙が主演する映画『はやぶさ 遥かなる帰還』(瀧本智行監督、来年2月11日公開)の記者会見が22日、都内で行われ、江口洋介、夏川結衣ら豪華共演陣が発表された。プロジェクトマネジャーも兼ねる渡辺は「映画の雰囲気をお伝えできれば」と自ら司会も担当。プロ顔負けの進行で共演者の素顔を引き出した。映画は、昨年6月に奇跡の帰還を果たした日本の無人探査機「はやぶさ」の7年に及ぶプロジェクトを描く物語。渡辺は「濃密な熱い映画になっていると思う。中身に関しては、プロジェクトマネジャーとしてゆっくりと発表していきたい」。


『カウントダウンZERO』

2011.08.29 Vol.522

『不都合な真実』のスタッフが見つめた“地球の危機”

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©2010 NUCLEAR DISARMAMENT DOCUMENTARY, LLC.

 オバマ大統領が2009年のプラハ演説において「核なき世界を目指す」意向を示し、2010年8月6日には広島で行われた平和祈念式典に初めてアメリカの代表としてルース駐日大使が出席。また、日豪を含めた核兵器を持たない10カ国の外相が「核リスクの低い世界」を目指す共同声明を発表した。しかし世界には今なお、約2万3000の核兵器が存在する。ルーシー・ウォーカー監督は3つの懸念を上げて指摘する。すなわち「戦争」「テロ」「人為的ミス」。元CIA秘密工作員はアルカイダが核兵器を入手しようとしていたことを証言。物理学者は高濃縮ウランを入手したら製造するのは簡単だと語る。政府関係者たちは“ミス”により核ミサイルが発射される間際までいったことを告白する。半世紀前、ジョン・F・ケネディは国連演説で主張した。「戦争兵器は滅ぼさなければならない。我々人類が滅ぼされる前に…」。ゼロになるのは人類か、核兵器か。カウントダウンは始まっている。

STORY:2009年オバマ大統領のプラハ演説以降、核軍縮の機運が高まっている。しかし現実には核の脅威は無くなっていない。戦争で使用されること、テロに使われること、そして人為的ミス…それぞれの可能性を探るうち、カメラは恐るべき証言の数々をとらえていく。

監督:ルーシー・ウォーカー 出演:ミハイル・ゴルバチョフ、ジミー・カーター他/1時間29分/パラマウント ピクチャーズ ジャパン配給/9月1日(木)よりTOHOシネマズ日劇他にて公開 http://www.to-zero.jp/


『ライフ ―いのちをつなぐ物語―』

2011.08.29 Vol.522

かつてない“動物目線”で撮影された自然ドキュメンタリー誕生!

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BBC製作、『アース』『オーシャンズ』を超える、全く新しいネイチャードキュメンタリー誕生! 製作費35億円、撮影日数3000日、世界中のすべての大陸で撮影し、陸・海・空、すべての動物たちをとらえた今までに無いスケール。自然の美しさだけでなく、<動物と同じ視点>で撮影された映像は、今まで見ることのできなかった世界を体験できる。世界初となる奇跡の映像の連続。そこにはまっすぐに力強く生きる動物たちが描かれ、私たちに生きるための勇気を与えてくれる。9月1日(木)より全国公開。
案内人:松本幸四郎、松たか子 主題歌:Mr.Children「蘇生」(TOY'S FACTORY)/エイベックス・エンタテインメント配給

©BBC EARTH PRODUCTIONS (LIFE) LIMITED MMXI. ALL RIGHTS RESERVED.

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(写真上段左)ニホンザル:サルの中で最も北に暮らす彼らは“温泉”で体を温める。しかしお湯に入るのは強者の特権
(写真上段中央)イチゴヤドクガエル:子供を安全な樹上の水たまりで育てるため子を1匹ずつ背負って木を登る母ガエル
(写真上段右)ウェッデルアザラシ:アザラシにとって極寒の南極は過酷であり安全な場所でもある。メスは敵のいない雪原の真ん中で子供を産む
(写真下段左)バショウカジキ:あまりにも動きが早いためこれまでエサをら捕えるところが撮影できなかった
(写真下段中央)チーター三兄弟:通常は1匹で狩りをするチーターだが、三兄弟が協力して大型の獲物を捕らえる瞬間を見事撮影
(写真下段右)カイツブリ:彼らの求愛行為はエンターテインメントだ。気持ちを確かめ合ったオスとメスは華麗な水上ダンスを披露する


あの人は『ライフ』のココに感動した!
各界著名人51人から絶賛コメント続々その一部を紹介

秋元 康 (作詞家)

 この映画のカメラは、神の眼差しだ。地球上のすべての生き物に対して、冷静に、平等に、暖かく見守っている。命とは何か? この世に生まれた理由であり、存在価値であり、今日を生きる力のことだ。悲観する生き物はいない。そう、人間以外は…。『ライフ−いのちをつなぐ物語−』は、与えられた命の使い道について考えてみたくなる映画だ。

アルベルト・ザッケローニ (サッカー監督)

 私たちはこの映画から多くを学ぶことができると思います。私たちを取り巻く環境を尊重し、ルールに従って無敵のチームをつくりましょう。私はチームワークを信じています。

北乃きい (女優)

 全ての生き物が辛く厳しい中で、愛をつなぐために闘っている。地球上の全てのものから、大きな愛を感じることが出来ました。

小室哲哉 (音楽家)

 地球に生きる生命体が、さまざまなエネルギーを過酷な環境から僕らに見せつけてくれる。そして、これだけの躍動感のある眩い映像を同じ種族に届けることができるヒトという生き物。やはり人間の英知にもう一度、感謝と誇りを持ちたいと思える自分がそこにいた

高橋尚子

 日常を精一杯生きている生き物達。生き方は様々ですが、すべてに懸命で温かいもの。自分の生き方を見つめ直すと共に、美しい地球を壊してはならないと感じました。

土屋アンナ (歌手・モデル)

 まじ感動したぁぁ!
 この映画を見て、動物好きなのにあたしは無知だったなと実感した。そして涙がでた。自分の小ささに涙がでたよ。命あるものはすべて、すごい生命力や知能、愛情があり、本当に美しい。
 これから産まれ、育っていく子供達の命のバイブルになると思います。そして、あたしの生きるバイブルにもなりました。ありがとう。

ベッキー (タレント)

 小さなカエルから、40トンもの大きさのクジラまで…体の大きさは違っていても、みんな同じ重さの“いのち”があって、一生懸命生きていました。立ち向かうこと、乗り越えること、支え合うこと…。これからの私、そして日本にとって大切なメッセージがこめられていたように思います。

丸山桂里奈 (女子サッカー日本代表)

 三兄弟で強力して、自分より大きなダチョウを狩るチーターがすごかった! サッカーも同じで、一人では戦えない。力を合わせてチャレンジしていくことの大切さを教えられました。

水嶋ヒロ

 本能の赴くままに営まれていく「命のやりとり」を目の当たりにして、無性に心が揺さぶられました。この映画の持つ「生命の力」、そして大自然の脅威にさらされながらもその「真実」を映像におさめた皆様のご尽力に、心からの敬意と拍手を贈らせて頂きたいです。止まない鼓動を抱えたまま映画館を出る時ほど、幸せな瞬間はありません。

YOSHIKI

 濃密な一瞬一瞬を迷いなく生き抜く動物達の姿に、どんなことでも不可能はないと改めて思うことが出来た。僕たち人間はもっと「今」を生きられるはず。

(敬称略/五十音順)

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世界初映像満載!
“動物目線”を可能にした最新テクノロジー

動物の一部になったかのような視点

通常、空中撮影用に使うステディカムを動物追跡用のオフロード車に天秤式のアームで撮りつけた「ヨギカム」により、史上初めてゾウの群れの一部であるかのような視点での映像が実現した。

目視不可能な高速の動きもキャッチ

バショウカジキは動きが早すぎてこれまで魚を捕らえる様子を撮影できなかった。スタッフはスーパーハイビジョンカメラ用の特製ボックスを作り、動きを80分の1にして撮影に成功した。超高速で移動するハネジネズミのデッドヒートや、バシリスクの水上歩行などを超スローモーション映像で見せてくれるのも大きな見どころ。

他の賛同コメントは、『ライフ』公式サイトでチェック! ONELIFEMOVIE.JP


『神様のカルテ』

2011.08.22 Vol.521

本屋大賞で話題の感動小説を、櫻井 翔×宮崎あおいで映画化!

 本屋大賞で史上初の2年連続ノミネートを果たしたベストセラーが待望の映画化。主人公の内科医・イチこと栗原一止役に櫻井翔。その妻・ハルこと榛名役に宮崎あおい。超豪華キャストが初共演で夫婦役を演じることも話題となっている。

 地方病院で過酷な日々を送る青年内科医が、友人や職場の仲間たち、患者、そして愛する妻に支えられながら、医師として、人間として成長していく姿を、美しい大自然の風景とともに綴るヒューマンドラマ。地方医療の厳しい現実に目を向けながらも、命の意義を温かく照らすまなざしに感動と希望があふれてくる。

 監督は『60歳のラブレター』『白夜行』の深川栄洋。少し風変わりだけれど懸命に患者と向き合う主人公・イチと、大きな優しさでイチを包み込む妻・ハル。櫻井と宮崎が、息もぴったりの掛け合いで理想の夫婦像を見せてくれる。

STORY:美しい自然に囲まれた信州・松本の小さな病院で、不眠不休の過酷な日々を送る内科医・栗原一止。最愛の妻・榛名の存在を支えに今日も医療の現場と向き合う。ある日、一止は大学病院から誘いを受ける。最先端医療を学ぶ機会と目の前の患者との間で揺れる一止。そんなとき大学病院から見放された末期がん患者と出会い…。

監督:深川栄洋 出演:櫻井翔、宮崎あおい、要潤、吉瀬美智子、岡田義徳他/2時間8分/東宝配給/8月27日よりTOHOシネマズ 日劇他にて公開 http://www.kamisamanokarute-movie.jp


西川美和監督最新作で、松たか子&阿部サダヲが夫婦役初共演!

2011.08.17 Vol.520

 その鋭い観察眼と描写力により国内外で高い評価を得る女性監督・西川美和が、『蛇イチゴ』『ゆれる』『ディア・ドクター』に続く長編4作目『夢売るふたり』を製作することが決定。主演は松たか子と阿部サダヲ。火災ですべてを失った夫婦が、やり直すための資金を得ようと、結婚詐欺に手を染めるという物語。松と阿部という個性派俳優2人が、西川監督のもとどんな夫婦を演じるのか、期待が寄せられる。公開は2012年秋の予定。


モントリオール映画祭出品決定…が、原田泰造はお留守番!

2011.08.10 Vol.520

岡田将生、榮倉奈々主演映画『アントキノイノチ』完成報告会見

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 さだまさし原作の映画『アントキノイノチ』の完成報告会見が10日、都内にて行われキャストの岡田将生、榮倉奈々、原田泰造、松坂桃李と瀬々敬久監督が登壇した。

 岡田と榮倉演じる、心に傷を追った男女が、遺品整理業者で働くうちに希望を見出していく物語。
岡田は「タイトルだけ見るとコメディーのようですが、命という大切なものを扱っている作品。多くの若い人に見てもらいたい」。キャストたちは、実際に遺品整理の現場を体験したという。中でも榮倉は「日常で、他人の家に勝手に入って掃除をするということはないので、そのことへの違和感もありましたし、亡くなった人の物を片付けるんだということに対する、自分の感情と遺品整理業というプロとしての立場とのせめぎ合いがありました」と、その体験が芝居に生きたことを感慨深げに語った。

 シリアスな要素も含む物語だが、現場は和気あいあいとしていたようで、現場の様子を聞かれた榮倉は「監督が私を見て“岡田君!”と呼んでいた」と、監督がなかなか名前を覚えてくれなかったというエピソードを明かすと、岡田と松坂も「監督から松岡君!と呼ばれて、2人とも振り向いたことがありましたね」と暴露。原田いわく「監督がとにかくかわいくて、監督のために頑張ろうとチームが一丸になった現場だったんです」。同作はモントリオール世界映画祭のワールド・コンペティション部門に正式出品することが決定。岡田や榮倉が映画祭への出席が楽しみと語る一方で、“留守番”が決まっている原田は「(皆が映画祭に行っている間)僕はいつも通りバラエティーの収録でもしていると思います」と語り会場の笑いを誘った。

 映画は11月19日全国公開。


『ツリー・オブ・ライフ』

2011.08.08 Vol.520

静かなる巨匠”テレンス・マリックのカンヌ最高賞受賞作!

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© 2010. Cottonwood Pictures, LLC. All rights reserved.

 寡作ながらも、類まれな芸術性で評価され続ける“伝説の巨匠”テレンス・マリック。これまで彼がメガホンを取ったのは、1973年の長編監督デビュー作『地獄の逃避行』、カンヌ国際映画祭・監督賞を受賞した『天国の日々』、その20年後の監督作『シン・レッド・ライン』、アメリカ建国創成期の実話をもとにした『ニュー・ワールド』とわずか4本。そしてついに5本目、カンヌで最高賞・パルムドールを受賞した最新作が日本でも公開となる。

 事業に成功しながらも空しさを抱えていた男が振りかえる、少年期の記憶。あのころの自分は厳格な父を嫌っていた…。物語の軸となるのは、父と息子の葛藤。監督は、その普遍的なテーマを、宇宙や大自然、体内など神秘的なまでに美しい映像の数々を交えて語り、見る者の思いを生命や魂といった根源的なテーマにまで昇華させていく。

 成長したジャック役を演じるのは、オスカー俳優ショーン・ペン。少年ジャックが愛憎を持って見つめる父役をブラッド・ピットが好演している。

STORY:成功した実業家であるジャックは人生の岐路に立っていた。胸に浮かぶのは、両親と2人の弟と暮らした少年の日々。そして、社会的な成功と富を求め息子たちを厳格に育てようとする父との確執だった…。

監督:テレンス・マリック 出演:ブラッド・ピット、ショーン・ペン他/2時間18分/ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン配給/8月12日(金)より丸の内ルーブル他にて公開 http://www.movies.co.jp/tree-life/


多彩な表情を見せる桐谷美玲にインタビュー 

2011.08.08 Vol.520

『乱反射』『スノーフレーク』 主演

放送中のドラマ『荒川 アンダー ザ ブリッジ』など話題作への出演が相次ぐ注目の女優・桐谷美玲が、ピュアな女子高生を演じた『乱反射』と、まっすぐな女子短大生を演じた『スノーフレーク』。万華鏡のように多彩な表情を見せる、その魅力に迫る!

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撮影:蔦野裕 ヘアメイク:今井貴子 スタイリスト:相澤樹

 2本立てロードショーということもさることながら、1人の女優を2つの角度から見つめることができる豪華な企画。2本ともメガホンを取ったのは、仲里依紗主演作『時をかける少女』の谷口正晃監督だ。『乱反射』は、多感な心を持つ女子高生歌人の迷いと成長を描いたピュアな青春ラブストーリー。『スノーフレーク』は、主人公の女子短大生が、亡くなった初恋の人とよく似た青年と出会い、謎を解いていくミステリー仕立ての物語。

「『乱反射』の主人公・志摩は、とにかくピュアで無邪気な女の子。多感で、少し傷つきやすいところもある子です。本作は"痛み"がテーマでもあるので、自分が高校生だったころを思い出しながら志摩の痛みを大切に演じました。『スノーフレーク』の主人公・真乃は、わりと今どきの女の子というイメージですね。髪型や服装もオシャレさんだし。その中でも、初恋の人を一途に思う純真さと少し頑固なところ、何かに立ち向かう真乃の強さをしっかり表現しようと思いました」

 自身に近いのはやはり真乃のほう?「実は志摩にも共感できるところがたくさんあるんですよ。監督や航大役の三浦貴大さんからも"志摩って桐谷さんそのままだよね"と言われました。けっこう突拍子もないことをするところが似ているらしくて(笑)」

 今回、見せていない"意外な顔"は?

「Sなところ、でしょうか(笑)。嫌がっている人をくすぐったりするので、友達にもよく"けっこうSだよね"って言われます。『乱反射』でも、三浦さんと2人で自転車に乗っているシーンで、実は見えないところで三浦さんをくすぐったりしていました(笑)」

 そしてもう1つ、スレンダーな体からは思いもよらないのが...。

「おいしいものを食べるのがとにかく好きなんですよ。地方ロケになるとなるべくその土地のおいしいものを食べるようにしています。うちは家族全員が大食いで(笑)。お母さんが作ってくれるおにぎりも、こぶし大くらいの大きさなんですよ。それを2つとか平気で食べていましたね。運動会のとき、みんなのおにぎりが小さいのでビックリしました(笑)」

 確かにスタミナは必要のはず。ドラマ『荒川アンダー ザ ブリッジ』(来年映画化)をはじめ、松山ケンイチ主演映画『うさぎドロップ』、来年公開作『逆転裁判』など話題作への出演が続く。

「『荒川―』はどうやって実写化するの!?って衝撃でした(笑)。小栗旬さんも山田孝之さんもメイクは大変そうですけど、撮影のときはアドリブしたりして楽しそうですよ。やっぱり、表情じゃないところで芝居する楽しさがあるんでしょうね。私はそんな2人に見守られているニノという役。2人の姿に慣れておくためにメイクした小栗さんの写真を携帯に入れていたんですけど、今ではあのメイクをしていない2人を見ると違和感すら感じます(笑)」

 多彩な作品を経て、着実に実力派女優として開花している。

「何も分からない状態からスタートしているので、そのときに比べれば少しは成長してきたかな(笑)。そして間違いなく、演技をすることがどんどん好きになっています。映画『ジーン・ワルツ』の撮影でもそれを実感しました。菅野美穂さん、風吹ジュンさん、浅丘ルリ子さんなど素敵な先輩たちからたくさんのことを教えてもらって、すごく幸せで楽しくて、もっと頑張りたいと強く思ったんです。自分もいつか、ああなれるように頑張らなきゃ(笑)。今はなんでも挑戦して、それを吸収してステップアップしていこうと思っています。とくにやってみたいのは...悪女役(笑)」

 今回、挿入歌も自ら歌う。"S"な表情は今後のお楽しみに撮っておくことにして、まずはこの2本でいろいろな桐谷美玲を楽しんで。

(本紙・秋吉布由子)

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『乱反射』(写真左)、『スノーフレーク』(写真右)

『乱反射』『スノーフレーク』

監督:谷口正晃 出演:桐谷美玲、三浦貴大、高島礼子他/スタイルジャム配給/シネマート新宿他にて2本立てロードショー http://www.ranhansha-snowflake.jp/
©「乱反射/スノーフレーク」製作委員会


池田鉄洋インタビュー 初の映画脚本作品を語る

2011.07.25 Vol.519

『行け!男子高校演劇部』

所属する劇団・猫のホテルや主宰するコントユニット「表現・さわやか」など舞台を土台に、個性派俳優としても活躍する“イケテツ”こと池田鉄洋が、初の映画脚本作品を語る!

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撮影・蔦野裕 ヘアメイク・大宝みゆき スタイリスト・ハルカ
ポロシャツ1万2600円(アガルタ 03-5784-3255)/パンツ1万2600円(アガルタ 03-5784-3255)/クレープブーツ 衣装協力(Sian PR 03-6662-5525)/ハット 衣装協力(Sian PR 03-6662-5525)

「私は40歳で彼らは20歳になったばかりですから、ほぼ“息子”ですよ。そんな若い彼らが、ここまで的確に“バカ”を表現できるとは」と、自身初めての映画脚本作品を体現してくれた若手役者たちを、目を細めて称賛する。

「みんな見事なバカで、かわいいんですよ。バカがかわいいと思うのはオジサン目線かもしれませんけど(笑)」

 どんな役者たちが“バカカワ”演劇部員を演じているのかというと…。

「元サッカー部のイケメンを演じたのが稲葉友君。普段の稲葉君をよく知らなかったので、演技中の彼を見てホントにバカなのかなと思いました。もちろん後で彼と話してみて、そうじゃないと分かりましたけど(笑)。ジュノンボーイのグランプリまで取った人が、あんな、ねえ…(笑)。自称・イケメンを演じた金子直史君は、自前かと思うくらいホクロが似合っていましたけど、あのホクロをはずして髪を普通にするとすごいカッコいい子なんですよ。なんでこんな役をやったの、というくらい。オフィシャルの写真と見比べてみてください、別人ですから。川原一馬君は、中途半端なヤンキーを好演してくれました。進学校のヤンキーってちょうどこんな感じなんですよね。冨田佳輔君なんて“存在感がない”という役で印象を残していますね。見ていても“あいつ暗いなー”じゃなくて“あいつ、いた!”みたいな、つい見ていたくなる、絶妙な存在感の無さ(笑)。池松壮亮君には、もう降参ですね。この人のうまさには舌を巻きますよ。見せていいのかな、という顔まで見せてくれて。池松君のあんな顔、見たことある人はなかなかいないと思うんですよね…私も衝撃でしたもん(笑)。こんなにうまい連中が集まってそれぞれに個性を発揮して、しかも誰一人くすんでいない。その中にあって主役を張っている中村蒼という人は、やはり選ばれた人なんだなと思いますね。こんな物語だとわりと主役が損しがちですけど、しっかり見せてくれますもん」

 本作最大の見せ場は、こんなおバカな男子演劇部員があっと驚く衝撃&笑劇の劇中劇を披露するクライマックス。題材は『最後の一葉』。

「どんな題材にするか、いろいろ考えましたね。シェイクスピアとか赤穂浪士とか。その中で、以前から気になっていた『最後の一葉』はどうかな、と思ったんですよ。別に好きというわけでもなく、なんであんな暗い話がみんなに読まれているんだろうと…オー・ヘンリ−には失礼ですけど(笑)。そのとき、ふと“あのアイデア”が浮かんだんですよね。でも思いついた時に、絶対に誰かすでにやっているんじゃないかと思って、急いで家に帰ってネットで調べたんですけど、一応見当たらなくて。まあ、思いついてもバカすぎて誰もやらなかっただけかもしれませんが(笑)」

 一体『最後の一葉』をどんな舞台にしてしまったのか…それは映画館でのお楽しみ。おバカなりに一生懸命な彼らを見ていると、青春は輝いているだけではつまらないのかも、と思う。

「あの時期に“俺の人生、最高!”なんて人はあまりいないんじゃないかと思うんですよ。もっとモテたいとか、あいつに勝ちたいとか、多かれ少なかれコンプレックスがある。私の青春も後悔と羞恥心の塊でしたね。だから全然、青春という言葉の響きに美しいものは感じないんですよ。ようやく今やりたいことを堂々とやれるようになったかなと思います。なので、あのころモテたり青春してたヤツに “そろそろ結婚して落ちついたら”とか言われても“まだ俺そんな経験してないから!”って言いたいですね(笑)」

 バカを忘れた大人たちにも、苦い青春真っ最中という人にも清涼剤となること請け合いの一本だ。

(本紙・秋吉布由子)

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『行け!男子高校演劇部』

監督:英勉 出演:中村蒼、池松壮亮、冨田佳輔、川原一馬、金子直史、稲葉友他/1時間25分/ショウゲート配給/8月6日よりヒューマントラストシネマ池袋他にて公開 http://ikedan-movie.com/
© 2011「行け!男子高校演劇部」製作委員会


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