【キーワードで見るニュース】2017.8.11〜2017.8.18

徴用工に絡む請求権
 韓国の文在寅大統領が8月17日、日本の朝鮮半島統治時代の徴用工に絡む請求権について、「個人の権利は残っている」との韓国司法判断を踏襲する考えを明言。文氏は15日、日本統治からの解放記念日の演説で徴用工問題に言及したが、韓国政府として個人請求権が消滅していないとの判断を示したのは初めて。また、2015年に日韓が「最終的かつ不可逆的な解決」を確認した慰安婦合意に関連して、文氏は「慰安婦問題が判明し、社会問題となったのは(1965年に日韓基本条約を締結した)韓日会談よりかなり後で、会談で解決したというのは正しくない」とした。

児童虐待
 全国の児童相談所(児相)が平成28年度に対応した児童虐待の件数(速報値)は、前年度比18・7%(1万9292件)増の12万2578件で、過去最多を更新したことが8月17日、厚生労働省のまとめで分かった。調査を開始した2年度から26年連続で増加。28年度の虐待の内容別では、子供の前で配偶者や親族らに暴力をふるう「面前DV」や、他の兄弟と差別的扱いをするなどの「心理的虐待」が6万3187件で最多。都道府県別の児童虐待の対応件数は、大阪が1万7743件で最多。最も少なかったのは鳥取で84件。

「いいね」史上最多
 米南部バージニア州シャーロッツビルで白人至上主義団体と反対派が衝突した事件を受け、人種差別と闘った南アフリカのマンデラ元大統領の言葉を引用したオバマ前米大統領の13日のツイッターの投稿に16日の時点で550万件以上の「いいね」がついた。ツイッター社は史上最多の「いいね」を集めた投稿であることを明らかにした。

靖国参拝
 例年話題となる「終戦の日」の閣僚の靖国神社参拝だが、今年は旧民主党の菅直人内閣当時の平成23年以来、6年ぶりにゼロ。学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題による内閣支持率の下落、核・ミサイル開発を強行する北朝鮮への圧力強化に向け、緊密な連携が求められる中韓両国に配慮したことがあるとみられる。安倍首相も参拝を見送り、党総裁として私費で玉串料を納めた。

ウクライナ製
 北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」のロケットエンジンがウクライナ中部ドニプロの工場で製造されたとの見方が広がっている。北朝鮮で撮影された画像を基にしたもので、旧ソ連時代からICBM用に製造されている高出力の液体燃料式エンジン「RD250」系が火星14や中距離弾道ミサイル「火星12」に搭載されていたと分析されている。ウクライナ側はトゥルチノフ国家安全保障防衛会議書記が「北朝鮮にいかなるロケットエンジンや技術も提供したことはない」と強く否定。ウクライナ宇宙庁のラドチェンコ長官代行はエンジンの流出源はロシアだとの見方を示唆。

2プラス2
 日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会の通称。17日に開催され、日本からは河野太郎外相、小野寺五典防衛相、米側からはティラーソン国務長官、マティス国防長官が出席。小野寺氏は会談で地上型イージスといわれる「イージス・アショア」の導入に協力を求めた。一方、河野氏は未発効の包括的核実験禁止条約(CTBT)について、米国の早期批准を求めた。