相鉄バスが自動運転の実証実験。20キロでゆっくり安心安全運転

乗客のアンケートはおおむね高評価
実は山間部は自動運転は不向き

 今後について菅谷氏は「諸法規の改正、安全に走れるように道路を改修していただくことも大事」と行政の問題と「安心して乗っていただけること。住む地域の中に自動運転のバスが走ることを認めていただくこと。自分が運転する車の周りに自動運転のバスが走っていることを認めてもらうこと。こういう環境を作っていくことが使命」などと地域住民の理解といった問題を挙げた。

 小木津氏は技術面とコスト面から「自動運転はドライバーは乗らず、遠隔で監視する。1人が複数台を監視できるような仕組みを整えていくのが次のステップとなる。それが人件費の削減につながる。そして浮いたドライバーには自動運転ができないコースの運転手をしてもらう」などと語った。

 この自動運転ができないコースについては「できないわけではないが、センサーの問題で山間地域は走りにくい。枝葉がせり出しているとGPSの電波が届かない。落葉などで景色が変わると、レーザーセンサーのマップを更新しなければいけない。そうなると道路側に何かを埋め込むといった違う手段を導入しなければいけないためコストが上がる。本来コストを下げなければいけないのにコストが上がってしまうので場所を選ばなければいけなくなる」と説明した。

 この日、運転したドライバーの萩原さんはこの自動運転について「運転経験がなくても同じ軌道、同じ速度で走ることができる。ブレーキを踏むとすぐに手動になるので安全面は大丈夫。何かあったらすぐ対処できる。1番の利点は事故が減るということ。運転経験に関係なく、危ない時は止まることになっている。一件でも事故が減るようになる」などと自動運転の利点を挙げ、今後の運用に期待した。
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