伊調馨が全日本レスリング欠場で五輪V5完全消滅

 日本レスリング協会は11月30日、全日本選手権(12月19~22日、駒沢体育館)の出場選手を発表し、女子の伊調馨(35)=ALSOK=は東京五輪代表が決まっていない50キロ級にも68キロ級にもエントリーせず、前人未到の五輪5連覇の可能性が完全に消滅した。伊調は57キロ級で2020年東京五輪を目指したが、川井梨紗子(25)=ジャパンビバレッジ=が代表に決定。代表が決まっていない他の階級で五輪に出場するには全日本優勝が必須だった。
7月6日に行われた「世界選手権代表選考プレーオフ」で敗れた伊調(左)(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)
 伊調は2016年リオデジャネイロ五輪後は休養し、昨年10月に公式戦に復帰。五輪5連覇を目指したが、今年7月、川井梨に敗れて五輪予選を兼ねた世界選手権への出場を逃した。川井梨は世界選手権で優勝し、五輪代表に決定。1つ上の62キロ級でも川井梨の妹の友香子(22)=至学館大=が五輪代表となったため、まだ代表が決まっていない50キロ級か68キロで全日本に出場して優勝した上で、プレーオフやアジア予選を勝ち抜くしか五輪への道は残されていなかった。

 伊調が練習拠点とする日体大レスリング部の関係者によると、今年7月に世界選手権代表決定プレーオフで川井梨に敗れて以降は、自身の練習は軽く行う程度。学生たちの指導に当たっていたという。

 世界選手権後に「今後のことは決めていませんが、選手・指導者としてレスリングの発展に力を尽くしていきたい」との声明を発表。所属のALSOKは「世界選手権後のコメントから変更はない」としていることから、このまま第一線から退く可能性も否定できない。