谷原章介「やり切った」三淵藤英が切腹<麒麟がくる>



 27日放送の大河ドラマ『麒麟がくる』は静かながら胸を締め付けられるシーンでスタートした。谷原章介演じる三淵藤英に切腹の沙汰が言い渡された。三淵は明智光秀の娘・たまと穏やかな時間を過ごし、光秀と静かに語らい、信長への助命嘆願を断って、明智家の庭で切腹した。

「自分なりにやり切ったという思いでした」と、谷原。「もちろん胸の内には、信長についていれば…将軍と距離をおけば…そのような思いもあったのかもしれません。でもそれをしてしまうと(弟の)藤孝と同じになってしまう。そうして生き残ったとて、三淵にとっては死んだも同然の意味のない生になってしまう。どう生きるかということはどう死ぬのかということなのかもしれません。その晩節を助命嘆願で汚したくはなかったのです」

 三淵藤英は前回放送まで声を荒げるようなこともなく、つねに冷静沈着だった。

「感情を表に出すことが少なく、策士なのか? 特権意識で凝り固まった嫌なやつなのか? どういう人間なのか掴みづらかったです。物語が進むにつれ徐々にその姿が僕にも見えてきて、彼を好きになっていきました。三淵と藤孝は対照的な二人だと思います。藤孝の生き方は人間としては正しいと思います。ですが三淵の生き方は幕臣として正しいものであったと思います。三淵藤英という役に出逢えて、演じることができて幸せでした」

『麒麟がくる』は、毎週日曜、総合で午後8時、BSプレミアムで午後6時、BS4Kで午前9時。再放送もある。
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