車いすマラソン、東京パラ内定へラストチャンスも厳しい結果に

先頭でレースを引っ張ったベテラン・洞ノ上浩太(写真・PARAPHOTO 内田和稔)

前日の暖かさから一変。気温7℃スタート


 気温7℃、北よりの風が吹くなかレースはスタート。序盤は、北京・リオ・ロンドンと3大会パラリンピック出場のベテラン・洞ノ上浩太を筆頭に、樋口政幸、吉田竜太、副島正純が先頭集団を作った。長距離の車いすマラソンでは、風の影響を受けやすい先頭選手を交代しながらレースを展開する「ローテーション」が特徴で、この日も4人が入れ替わりながら隊列を成す。しかし、ハーフを過ぎたあたりで樋口が集団から離脱。後半は洞ノ上、吉田(竜)、副島の3人でレースを争い、最後は1時間30分40秒で洞ノ上が優勝。世界ランキング上位に食い込むには1時間22分23秒以上が求められていたため、自力での東京パラリンピック内定は極めて難しい状況になった。


周回レースの難しさ感じ


 レース後、洞ノ上は「チャレンジングなレースでした」と走りを振り返る。気温7℃の厳しい寒さや終始吹きつけた風の影響で「2、3周目で目標タイムを達成できないというペースになってしまった。大会を開催していただいたのに申し訳ない気持ち」と肩を落とした。


 公道のレースとは違い、終始フラットなトラックレースに苦戦した様子も見られた。「自分たちは車輪の付いた乗り物に乗っているので、完全にフラットだと漕ぎ続けないといけない。下り坂の勢いでスピードアップできるなど、僕はアップダウンがあった方がタイムが出やすい。今日は漕ぎ続けていたので、かなり疲れました」と難しさを語った。