3歳以上の猫 8割が歯周病…健康寿命を守る猫の歯みがきトレーニング

いきなり歯ブラシを使うのではなく、まずは人の指やケアグッズに慣れさせるところから

猫の歯周病4大症状とは

 人間同様、ペットの健康寿命にも大きく関わってくるのが“歯の健康”。ところが犬と比べると、猫の歯みがきを行っている飼い主は依然として少ないといわれる。

 一般社団法人日本ペット歯みがき普及協会では、犬だけでなく猫の歯みがき習慣を普及すべく、さまざまな試みを実施。2月18日には「自宅でできる歯磨きが苦手な猫のための簡単歯磨きセミナー」をオンンラインで開催。100人以上の飼い主と125匹の猫が歯みがきトレーニングに参加した。

 セミナーではまず、同協会理事を務める、かまくら げんき動物病院院長の石野孝獣医師が、猫の歯周病・歯肉口内炎について解説。

 人間と違い猫の口内はアルカリ性のため猫に虫歯は少ないが、一方で歯周病になりやすく、ある統計では3歳以上の猫の80%が歯周病を抱えているという。「よだれが増える」「食欲が落ちる。空腹そうなのに食べない」「口臭が増える」「グルーミングをしなくなるので毛がパサパサ」といった症状がある場合は、歯周病などの口腔トラブルにより、痛みや違和感を感じている可能性がある。

 また、歯周病とは異なり、主に口の奥側に広がる歯肉口内炎では、感染症や免疫の低下(カリシウイルス、猫エイズ、ウイルス性白血病)が疑われることもある。多頭飼育の場合はとくに罹患リスクが高まるので注意が必要だ。

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