防衛費増の財源論議に見る「復興税」と「たばこ税」の扱いの違い

結構な税金を納めているのに肩身の狭い喫煙者たち(写真はイメージ)

 ここまで書いて「不遇だな」と思わされるのがたばこ税だ。今回は主に加熱式たばこについて、1本換算で3円程度段階的に引き上げる案が検討されているという報道が流れた。

 たばこ税については平成30年(2018年)度の税制改正で見直しがされ、平成30年10月から3段階で1本あたり1円(1箱当たり20円)ずつ、合計3円の引き上げがすでに実施されている。そのうえでの今回の増税案なのだから喫煙者の心中やいかに、といったところだ。

 現在、一般的な紙巻きたばこの税負担は約6割に達しており、他の物品税と比べても高い水準になっている。同じ嗜好品であるビールは45.0%、ウイスキーは28.6%だ。そして税収は年間2兆円を超えていて、国と地方に約1兆円ずつ割り当てられている。全体の中での割合は国では1.5%、地方では2.4%を占めている。

 その使い道はといえば、あらゆることに使える「一般財源」ということもあり、道路・下水道の整備、学校の運営・施設の建設、ごみ処理費用、福祉施設の整備・運営、公民館・図書館・博物館といった施設の運営…などと喫煙者、非喫煙者の区別なく生活の幅広い分野に役立てられている。