【夢の課外授業】子どもたちがサッカーやラグビー、陸上を体験

 子どもたちが夢や目標を持つためのきっかけづくりを目指す『夢の課外授業』(主催:二十一世紀倶楽部)。その特別版「夢の課外授業スポーツ体験スペシャルinさいたま VOL.3」が7月22日、埼玉・浦和駒場スタジアムで開催された。

 ふだんは学校に出向き、そこで授業を行うことが多いのだが、今回は小学生男女を一般公募。抽選で選ばれた104人を駒場スタジアムに招き、サッカー、ラグビー、陸上の3種目を一気に体験するという豪華版となった。

 サッカーの先生を務めるのは地元・浦和レッズでプレーした元Jリーガーで今回の課外授業の発起人でもある水内猛さん。ラグビーの先生は元ラグビー日本代表の堀越正巳さん。陸上の先生は元陸上選手で現在プロスプリントコーチとして多くのプロスポーツ選手を指導する秋本真吾さん。参加者は学年ごとに3つのグループに分かれ、約30分ずつ3つの競技を体験した。

 開会前に係の人が「グラウンドで遊んでいてもいいですよ」と声をかけると炎天下の中にもかかわらず、サッカーボールを持ってグラウンドに飛び出す子供たち。埼玉のサッカー少年にとって駒場は特別な場所なのだ。

 日焼けが気になるお母さんたちはグラウンド手前の日陰に陣取り、そんな子供たちを見守る。

 堀越先生が準備のためにラグビーボールを持ち込むと実は真っ先に興味を示したのはお父さんたち。めったに触れる機会のない楕円のボールを手に子供たちとパス合戦が始まった。

 授業はまず水内先生の挨拶から。

「おはようございます!」

 大きな声で挨拶する先生に比べ、恥ずかしいのか声が小さい子供たちに「挨拶は大きな声でやってください」と最初の指導。水内先生の課外授業はサッカーの魅力を伝えることはもちろんだが、きちんと挨拶ができること、人の話を聞くこと、だらだらしないでテキパキ動くことといったスポーツ以外でも必要なことも指導する。

 そしてラグビーの堀越先生が「ラグビーをやりたくないと言っていた人が、終わった後はやりたいと言ってくれるように頑張ります」、秋本先生は「今日はみんなに速く走る方法を教えます」とそれぞれ挨拶。各競技の授業が始まった。

 サッカーの授業はボールを使ってのだるまさんが転んだから始まり、最後は先生チームを含む4チーム一斉でのゲームまで、駆け足で進んだ。

 ラグビーの授業は腰につけたタグを奪い合う「タグラグビー」を中心に展開。経験したことはないはずなのに華麗なステップを踏む子も現れ、堀越先生もびっくり。チームに分かれてのゲームで成績に差が出ると「なぜ差が出てしまうのか」ということを考えさせるなど、単に体を動かすだけではない指導を行った。

 陸上はシンプルゆえに難しい。でもひとつのきっかけを与えることで大きな効果が表れることもある。秋本先生が「速く走るためのコツ」をひとつひとつ指導すると見違える走りを見せる子供たち。しかしここで一番真面目に先生の話を聞いていたのはお父さんたち? 秋の運動会に向けてなのか先生の言葉を熱心にメモするお父さんの姿もあった。

 最後は3人の先生が自分たちはどうやって夢を実現させたのかということを話して終了した。

 この日は30℃を超す猛暑のなか行われたのだが、会場内には協賛社のプレミアムウォーター株式会社がウォーターサーバーを用意。子供たちは授業の合間に水分をきっちり補給でき、最後まで元気に走り回っていた。