犬山紙子が働く女性の本音を語る

 イマドキの働く女性たちを鋭く分析した『働く女の腹の底 多様化する生き方・考え方』(博報堂キャリジョ研・著)の出版記念イベントが20日、都内の会場で開催された。博報堂キャリジョ研は、広告会社の博報堂・博報堂DYメディアパートナーズの有志メンバーで構成されたプロジェクトチームで、20~30代の働く女性を研究、ホームページやFacebookなどを利用し社内外へ発表やプラニングサポートを行っている。

『働く女の“欲望”を解剖する』と題したイベントの第一部では、同プロジェクトチームが命名した「キャリジョ」について解説。ちなみに「キャリジョ」とはOLでもキャリアウーマンでもない、仕事(キャリア)を持つ子どものいない自分のためにお金と時間を使いやすい女性たちのこと。同書ではそんな「キャリジョ」を7つのタイプに分類、それぞれの仕事観、恋愛・結婚観、SNSとの付き合いかたについて、鋭く分析している。

 イベントでは、多様化する「キャリジョ」たちの価値観を紐解きながら、その根底にうごめく本音を指摘。「キャリジョ」にとっては今後の指針になるような話題も盛りだくさんで、参加者たちは大きくうなずき話を聞いていた。

 第二部は、コラムニスト、イラストエッセイストの犬山紙子氏を迎えて「ここが変だよ!キャリジョたち」と題したトークイベントを開催。男性から「キャリジョ」に寄せられた疑問や意見について、犬山氏とキャリジョ研のメンバーがトーク。

「なんでそんなに女子会開催しているの??(マウンティングとか聞くけど…恋バナばっかりして楽しいの?)」とう疑問に、犬山氏はしばし沈黙した後「怒っていい?」と切り出し、「女子会って恋バナばっかりしてます? イメージなんですよ。男性が悪いわけではなく、メディアが作りだした女子のイメージがすごくあって、本質を見ないでそのイメ―ジだけに引っ張られると、こういう意見が出てくるのかなって思う」とメディアの情報をうのみにしたような質問をバッサリ。「女子会は開催しますよ。でも男子だって同期と飲みに行くでしょ。一緒です。そこで恋バナをする女子会もあるけど、お金と健康と保険の話も多いです(笑)」と“女子会” “恋バナ”などのワードに流されがちな風潮をやんわりと否定。会場に来ていた参加者たちは、思わず膝を打つ意見にスカッとした表情。
 犬山氏のふんわりとした優しい雰囲気から出る、本質をついたちょっぴり毒気のある言葉に笑い、共感する時間となった。