ボルト、新国立で一夜限りのレース復帰!現役アスリートにエール

第1走者を務めたケンブリッジ飛鳥(JSC提供)

障害や男女の壁越えたスペシャルレース


 レースは1チーム6名で、各200mを走行。4チームに分かれてレースを繰り広げた。トップバッターに登場したケンブリッジ飛鳥や冬夏パラリンピック出場を目指す村岡桃佳のほか、今回新たな試みとして行われたのは、海外競技場のレースと国立競技場のレースのリアルタイム中継。2024年五輪開催国のパリ、2028年五輪開催国のロサンゼルスからも海外選手が中継で出場し、障害や性別、さらに国境を越えたひとつのレースを実現させた。

 レースは、ケンブリッジ飛鳥率いるチームレッドが他チームを引き離して優勝。レースを終えたケンブリッジは「日本で6万人の前で走るのは初めて。いつもと違うリレーができて良い経験ができました。来年またここに戻って来られるように頑張りたいです」と感想を語った。
記者の質問に答える車いすレーサーの鈴木朋樹

レースでオリパラひとつになれた


 健常者や障害者、男性や女性といった、様々な枠を越えて行われた今回のレース。車いすレーサーの鈴木朋樹は「なかなかパラの車いす陸上って知名度がない中で、今日は多くの方々に車いすレースを見てもらえた。魅力が伝わって、感じるものがあれば」と感想を語った。

 数々の国際大会に出場してきたボルトも、「素晴らしい体験でした。今日ここで様々な壁を越えたこと、“人類はひとつになれる”ということを示せたことは、自分にとって有意義な時間でした。東京大会もオリンピックとパラリンピックが一緒になって実現していくエキサイティングなものになるに違いないと思う」とコメントした。
今日のレースで「世界がひとつになるべき」というメッセージを発信できたと語るボルト
レース後、握手を交わすボルトと桐生(JSC提供)

ボルト「来年は見て楽しむ五輪に」


 2017年ロンドンで行われた世界陸上をもって現役引退したボルト。来年の東京オリンピックについては、「私にとって純粋に見て楽しむことができる初めてのオリンピックになると思います。テレビで多くの競技を見たいですね」と期待を膨らませる。現役アスリートに何かアドバイスはないかと問われると、「意思の力ですね。私は現役時代自分の才能や能力を信じてきたことが大きかった。自分自身を信じることです」と、東京大会を目指す選手たちにエールを贈った。

(取材・文 丸山裕理)
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