【7月5日投開票】東京都知事選の争点を探る。

 東京都知事選が7月5日に投開票される。2月からの新型コロナウイルスの感染拡大等で正直のところ「それどころではない」という人もいるかもしれないが、選挙は必ずやってくる。むしろ、こういった問題がある時こそ、有権者はしっかりと吟味したうえで投票をしてほしい。選挙を前に東京都の抱える問題を探る。
2016年の東京都知事選では小池氏が次点の増田寛也氏に約112万票の差をつけて当選した
 都知事選といえば最近はすっかりいわくつきの選挙となっている。

 思い起こすこと4年前。当時の舛添要一都知事が公用車問題や政治資金での家族旅行といった問題が報道されたことにより6月14日に都議会で都知事不信任決議案が提出される事態となり、翌15日に舛添氏が辞職に追い込まれた。

 そして7月31日に新たな都知事を選ぶ選挙が行われ、小池百合子氏が勝利を収めた。この時期の選挙については任期を迎える4年後の2020年には東京オリンピック直前に選挙が行われることになるため、懸念の声があがったが、結局、新型コロナウイルス問題によって東京オリンピックが1年延期となり、時期的な問題は杞憂に終わったが、今はよりシビアな状況に東京都は置かれている。

 東京都知事は石原慎太郎氏が4期目の任期の途中で国政への復帰を目指し、辞任。以降、猪瀬直樹氏、舛添氏と任期を全うできない知事が3人続くという負のスパイラルとなっている。

 その石原氏が4回目の選挙で勝利した年は2011年、東日本大震災が起こった年だった。

 当時はこの1月に宮崎県知事を任期満了で退任した東国原英夫氏が台風の目とされていた。しかし3月11日に起こった震災で空気は一変。石原氏はさまざまな面で迅速に被災地への援助を決め、それ自体が大きなアピールとなった。対する東国原氏は自粛ムードの中、満足な選挙戦を行えず、敗れた。
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