TIFFグランプリはコソボの女性監督作!ユペール審査委員長も映画祭の多様性を評価

イザベル・ユペール審査委員長からカルトリナ・クラスニチ監督へ東京グランプリのトロフィーが授与され、駐日コソボ大使館のアルバー・メフメティ臨時代理大使が代理として受け取った

 第34回東京国際映画祭クロージングセレモニーが8日、TOHO シネマズ日比谷にて行われ、コソボの女性監督カルトリナ・クラスニチによる『ヴェラは海の夢を見る』が東京グランプリ/東京都知事賞を受賞した。

  コンペティション部門では、多様な国々の作品が受賞。観客賞を受賞した『ちょっと思い出しただけ』の松居大悟監督は「東京国際映画祭に参加して4年。この重みを感じるのは初めてです」とトロフィーを握りしめ、ときおり声をつまらせながら感激のスピーチ。また、イザベル・ユペール審査委員長は、受賞には至らなかったが優れた評価を得たスペシャルメンションとして、松居監督やキャストの伊藤沙莉らをたたえた。

 また、受賞後会見に登壇した松居監督は、急きょ表彰されたスペシャルメンションの受賞に「作られた賞とは別に、ユペールさん始め審査員の方々の思いによって作られた賞なのかなと、ジーンと来てます」と感激。

 メキシコのカルテルが人々の生活に影響を及ぼしていく様子を描き、審査委員特別賞を受賞した『市民』のテオドラ・アナ・ミハイ監督は「本作は7年かけて作った作品。非常にデリケートなテーマですがメキシコではタイムリーなものです。この作品を通して海外の方にメキシコの現状を知ってもらえれば」とビデオでコメントを寄せた。

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