関係人口の力で魅力発信!長崎・雲仙温泉「有明ホテル」のユニークな挑戦〈地域特産トレンドナビ〉

当時のゴルフスタイルを東京のスタイリストがデザインし、長崎のメーカーが縫製

リモート女将や他県のライバーなど“関係人口”が集客に尽力

 同ホテルは他にも、宿泊しながらホテルの仕事を手伝うことで、実質宿泊料金が無料になる賄い付きのワーケーションプランなどユニークな施策を行っている。

 こうした試みについて、同ホテルを運営する平湯リゾートの平湯晃社長は「これまで頼みの綱としていた団体客やツアー客がコロナ禍でほとんどゼロに。全国的にも観光業が厳しい状況で、個人のお客様に来ていただくためには、あっと驚くプランを打ち出す必要があった」という。

 そのアイデア作りの際に大いに力となったのが県外の人材、つまり関係人口だ。

 同ホテルの顧問で「雲仙ロマンテックゴルフ」をプロデュースした川村祐子氏は、神奈川県高津区で食堂を営みながら、同ホテルの従業員教育などをオンラインで行う“リモート女将”だ。同プランの実現には、同氏のアパレル業界や飲食業界の経験、東京での人脈が活きたという。同プランが本格稼働しても、神奈川と雲仙の2拠点生活でこなしていく予定だという。

 ライブコマースプランで協業するアプリ運営会社ポポホールディングスは東京・渋谷に本社がある。ライブコマーサーとして提携する農業ライバーの池本沙輝さんは、福岡出身で現在は佐賀に在住している。

 同社広報担当の冨永潤一氏は、本紙の取材に対して「商品、人、サービスが雲仙と連携できるのであれば、東京の人や会社もウェルカムです」と語る。

 地方の魅力を関係人口の力で発信し、それによってさらに多くの関係人口を集め、盛り上げていく。そんな地方活性化の方法は、リモート全盛時代のこれから益々注目されるだろう。

(取材・文:いからしひろき)