古舘伊知郎、糸井重里と前橋でトーク プロレス実況は「何ひとつ意味あること言ってない(笑)」

 群馬県・前橋市まちなかエリアを舞台にした本のフェス「前橋BOOK FES 2022」で29日、フリーアナウンサーの古舘伊知郎と同イベントのエグゼクティブ・プロデューサーでコピーライターの糸井重里のトークショーが行われた。

「前橋BOOK FES 2022」でトークショーを行う古舘伊知郎(右)と糸井重里

 古舘が「糸井さんは昔、僕のプロレス実況のしゃべりを面白がってくださったんですよ」と切り出すと、糸井も「四谷の『ホワイト』という飲み屋で紹介されたのが最初じゃないかな。ジャズピアニストの山下洋輔さんとかタモリさんとかがうようよしているお店でね」と振り返る。古舘がフリーアナウンサーになるきっかけを「糸井さんが “君、面白いね” って言ってくれたから」と感謝すると、糸井は「だって、面白かったんですよ。今の時代、若い人が誰にも見つけられないで生きていくことはない。必ず “お前、面白いな” って言われますから」と返した。

 古舘は故アントニオ猪木さんが力道山の付き人だった頃のエピソードを披露。「赤坂のリキマンションにたまたま猪木さんしかいなかった時、6階に住んでいる力道山から電話がかかってきて “お前でいいからこい” と呼ばれた。そこに元横綱の前田山がいて “駆けつけ3杯” とジョニ黒をドボドボ注がれ、一気飲みする様子を見ていた前田山が “こいつはいい顔をしているね” というと、力道山が “そうだろう” とうれしそうにうなずいたんだそうです。

 猪木さんは何十年も経ってから僕に “あの瞬間なくして今の俺はない。力さんは心の底で俺の才能を認めていたんだよ” と明かしました。それが、赤坂のニューラテンクォーターで刺されて亡くなる前の力道山と猪木さんの最後の会話」というと、糸井も「古舘さんがテレビ朝日に入ったばかりの時、みんなが “あいつ、面白いよね” と言っていたのも同じことなんだよね」と同調した。

 古舘の実況スタイルを「大盛りの海鮮丼に何だったらステーキも乗せてしまえみたいな」と評する糸井に、「当時、新日本プロレスという団体が標榜していたプロレス流儀を見ていると湯水のように言葉が出てきた。タイガーマスクが登場するたびに “四次元殺法!” というと、次の日アナウンス部長に “この世界は四次元じゃないぞ、嘘つくんじゃない” と言われることの連続(笑)」と古舘。

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