三上博史が寺山修司没後40年記念公演『三上博史 歌劇』で約8年ぶりの舞台

三上博史

 2023年は歌人、劇作家、映画監督、劇団「天井桟敷」の主宰などさまざまな分野で活躍した寺山修司の没後40年という節目の年ということもあり、さまざまなイベントが開催されてきた。

 そんな中、10月24日には寺山によって“俳優”であり“表現者”という命を吹き込まれた三上博史が、2015年に上演された『タンゴ・冬の終わりに』以来、実に約8年ぶりに舞台に立つことが発表された。演目は『三上博史 歌劇』。来年1月9日から14日まで東京・新宿の紀伊国屋ホールで上演される。

 三上は高校1年生の時に寺山が監督を務めたフランス映画『草迷宮』のオーディションに合格し俳優デビュー。寺山との運命の出会いから数年後、紀伊國屋ホールで上演された天井桟敷の最終公演『レミング-壁抜け男』を、座席からリアルタイムで観劇。寺山との出会いが俳優として生きる道を決定づけ、以来、本人が時に“呪縛”とさえ表現するほどの絶大な影響を受けてきた。そんな特別な存在である寺山修司の作品を演じ、歌い、その声と肉体を通して後世にまで語り継いでゆくことが自身の使命という三上は、2008年から現在に至るまで毎年欠かさず、5月4日の命日に、寺山の出身地である青森県三沢市の寺山修司記念館において追悼ライブを行っている。

 そしてこの度、三上にとっては聖地のような劇場である紀伊國屋ホールで、演出のJ・A・シーザー、上演台本の高田惠篤・寺山偏陸という生前の寺山と共に幾多の名作を生んできた盟友たちが『三上博史 歌劇』と題して、寺山作品の膨大なテキストからその心髄を紐解き、他に類を見ないステージ作品へと昇華させることとなった。

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