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『ふたつの名前を持つ少年』試写会に10組20名 

2015.06.22 Vol.645

 アウシュビッツ収容所解放70周年のこの夏、壮絶な運命をたった一人で生き抜いた少年の実話を描く感動作が日本で公開。

 原作は、8歳のユダヤ人少年がナチス・ドイツの手を逃れ、たった一人で終戦までの3年間を生き抜いたという実話を、今も存命の本人に取材して書き上げた『走れ、走って逃げろ。』。監督はドイツのアカデミー賞受賞監督、ペペ・ダンカート。一人の少年の純粋な心と、自らの運命を切り開く強さに、誰もが心打たれる傑作。主人公の少年・スリリックをオーディションで選ばれた双子のトカチ兄弟がWキャストで好演している。

 ポーランドのユダヤ人強制居住区から脱走した8歳の少年・スルリックは、行き倒れたところをヤンチック夫人に助けられる。夫人はスルリックにポーランド孤児“ユレク”として、架空の身の上話を教え込み追っ手から逃がす。逃亡を続けなければならないユレク。旅の終わりはいつくるのか…。8月15日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて公開。

今週のおすすめMOVIE 2015.6.22〜

2015.06.21 Vol.645

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『呪怨 −ザ・ファイナル−』

小学校教師だった妹・結衣の失跡を知った姉・麻衣は、結衣がたびたび「佐伯俊雄」という生徒の家を訪れていたことを知り、その生徒の居場所を探すことに。しかしそれと時を同じくして、麻衣自身の周囲でも奇妙なことが起こり始め…。シリーズ最終章となる壮絶なラストとは。

監督:落合正幸 出演:平愛梨、桐山漣他/1時間29分/ショウゲート 配給/新宿バルト9他にて公開中 http://www.juon-movie.jp/
©2015「呪怨 ザ・ファイナル」製作委員会

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『マッドマックス 怒りのデス・ロード』

石油も水も尽きかけた世界。愛する家族を奪われ、本能だけで生きながらえてきた元警官のマックスは、資源を独占し住民を恐怖と暴力で支配するジョーとその軍団を相手に、壮絶な戦いを繰り広げる。

監督:ジョージ・ミラー 出演:トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン他/2時間/ワーナー・ブラザース映画配給/新宿ピカデリー他にて公開中 http://madmax-movie.jp R15+
©2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED

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『悪党に粛清を』

元兵士・ジョンは故郷から妻子を呼び寄せるが再会の喜びもつかの間、目の前で悪党に殺されてしまう。怒りのあまり犯人を射殺したジョンだったが、それは付近一帯を支配するデラルー大佐の弟だった。

監督:クリスチャン・レヴリング 出演:マッツ・ミケルセン、エヴァ・グリーン他/1時間33分/クロックワークス、東北新社配給/6月27日より新宿武蔵野館他にて公開 http://akutou-shukusei.com/ R15+
©2014 Zentropa Entertainments33 ApS, Denmark, Black Creek Films Limited, United Kingdom & Spier Productions (PTY), Limited, South Africa

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『きみはいい子』

真面目だが優柔不断な新米教師・岡野。過去の経験から幼い娘に手をあげてしまう雅美。認知症の不安にさいなまれる独居老人のあきこ。とある町で暮らすそれぞれの人々の運命が交錯し…。

監督:呉美保 出演:高良健吾、尾野真千子他/2時間1分/アークエンタテインメント配給/6月27日よりテアトル新宿他にて公開 http://iiko-movie.com/
©2015「きみはいい子」製作委員会 

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『ストレイヤーズ・クロニクル』

1990年代初め。ある極秘機関の実験により2組の“進化した”子供たちが誕生した。しかし1組は自分たちの能力を未来のために使おうとし、もう1組は未来を破壊しようとする。運命によって彼らが出会った時、切なくも壮絶なバトルが始まる。

監督:瀬々敬久  出演:岡田将生、染谷将太、成海璃子他/2時間6分/ワーナー・ブラザース映画配給/6月27日より新宿ピカデリー他にて公開 http://www.strayers-chronicle.jp
©2015「ストレイヤーズ・クロニクル」製作委員会

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『雪の轍』

世界遺産のトルコ・カッパドキアに佇むホテル。親から膨大な資産を受け継ぎ何不自由なく暮らすオーナー・アイドゥンだったが若く美しい妻・ニハルや妹ネジラとすれ違ってばかり。互いの気持ちが交わらぬまま季節はめぐり…。

監督:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン 出演:ハルク・ビルギネル他/3時間16分/ビターズ・エンド 配給/6月27日より角川シネマ有楽町他にて公開 http://www.bitters.co.jp/wadachi/
©2014 Zeyno Film Memento Films Production Bredok Film Production Arte France Cinema NBC Film

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『アリスのままで』

高名な言語学者として知られる大学教授・アリスは50歳の誕生日を家族とともに迎え幸せを感じる。しかしある日、講演中に突然言葉が出てこなくなったり道に迷ったりと異変が続く。検査の結果はアルツハイマー病だった。

監督:リチャード・グラツァー、エストモアランド  出演:ジュリアン・ムーア他/1時間41分/キノフィルムズ配給/6月27日より新宿ピカデリー他にて公開 http://alice-movie.com/

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『チャイルド44 森に消えた子供たち』

1953年、スターリン政権下のソ連で、子供たちの変死体が次々と発見。不審な点が数々見つかるも、“殺人は国家が掲げる思想に反する”ため、すべて事故として処理されてしまう。秘密警察の捜査官・レオは親友の息子の死をきっかけに、事件解明に乗り出すが…。

監督:ダニエル・エスピノーサ 出演:トム・ハーディ、ゲイリー・オールドマン他/2時間17分/ギャガ配給/7月3日よりTOHOシネマズ みゆき座他にて公開 http://child44.gaga.ne.jp/
©2015 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

M・ナイト・シャマランが仕掛ける脱出ミステリーがついに日本上陸!

2015.06.21 Vol.645

 シックス・センス』『サイン』などの衝撃作を次々と生み出してきたM・ナイト・シャマラン監督が初のテレビドラマ制作に挑んだ脱出系ミステリー『ウェイワード・パインズ 出口のない街』がついに日本上陸。失跡した同僚を探してたどり着いた街から脱出できなくなった捜査官が、その街の謎に迫るというミステリー。本シリーズで製作総指揮と第1話の監督を務めたシャマラン監督いわく「最初は自分にテレビドラマなんてできるのかなと、すごく不安で怖かったよ。やっぱり“あのシャマランがテレビドラマに初進出”なんて言われると、すごく期待されている気がして。応えられなかったらどうしようって(笑)」

 そんな監督がテレビシリーズに意欲を抱いた理由とは?

「実はもともとドラマも撮ってみたいとは思っていたんだ。ここ数年、大ヒットしているドラマを見ても分かるけど、近年テレビシリーズでも質の高い作品が次々と生まれている。かつてのようなドラマと映画の隔たりは、だんだん無くなってきていると思うんだ。もちろん予算や、製作スケジュールなどは映画とは違ってかなり厳しいけれど、それでも質の高いドラマを作ることができるようになっていると思う。

「ドラマだと一話一話じっくり描けるから、ユニークなアングルを使ったりして、意味深なシーンをいろいろと盛り込むことができるんだよね。そういう意味でも、映像で語らせることにはけっこうこだわっているよ。もちろんそこには、謎めいた街の秘密がたっぷりと隠されているから“仕掛け”をお見逃しなく(笑)!

 謎とスリルに翻弄されたい人の期待は外さない、さすがシャマラン印の」傑作ドラマの誕生だ。

ヒーロー集結の人気シリーズ最新作。全世界で大ヒットを記録中! 『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』

2015.06.20 Vol.645

 アイアンマン、ソー、キャプテン・アメリカ、ブラック・ウィドウ、ハルクといった、スーパーヒーローたちが大集結する人気シリーズ、待望の最新作がいよいよ日本公開。

 前作に続き『アイアンマン』シリーズでタイトルロールを演じ大ヒットに導いたロバート・ダウニー・Jr.を始め、前作のスーパーヒーローたちが再び集結。さらに謎の力を持つ姉弟役で、『GODZILLA ゴジラ』のエリザベス・オルセンと『キック・アス』シリーズのアーロン・テイラー=ジョンソンという人気の若手俳優も参戦する。日本語吹替版キャストでは、ブラック・ウィドウ役で米倉涼子、ホークアイ役で宮迫博之、ニック・フューリー役で竹中直人、ファルコン役で溝端淳平が出演。

 前作以上のスケールで描かれる新たなる戦い、それはスーパーヒーローVS人工知能。彼らの手に負えない敵が現れることを恐れたトニーが開発した、完璧な平和維持システム〈ウルトロン〉。しかし愛を知らない人工知能が“世界平和のために”導き出したのは、人類を抹消するという答えだった。世界中の都市を襲う人類滅亡の脅威に、彼らはいかにして立ち向かうのか。イギリス、韓国、南アフリカといった世界各国の都市を舞台に、VFX技術を駆使したド迫力のバトルシーンが繰り広げられる、最強のエンターテインメント。

『SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA 2015』閉幕!

2015.06.20 Vol.645

米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2015』(SSFF & ASIA 2015)が大盛況のうちに閉幕。15日、都内で行われたアワードで発表された未来のアカデミー賞監督は!?

今週のオススメMOVE 2015.6.8〜

2015.06.08 Vol.644

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『ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス』

記念大会の闘技場から危機一髪で救い出されたカットニスは、独裁国家パネムを打倒すべく反乱軍のリーダーとなることを決意。しかし狡猾な大統領は反乱を抑え込もうとピータを人質にとる。

監督:フランシス・ローレンス 出演:ジェニファー・ローレンス、ジョシュ・ハッチャーソン他/2時間2分/KADOKAWA配給/TOHOシネマズ みゆき座他にて公開中 http://www.hungergames.jp/
TM & ©2015 LIONS GATE FILMS INC. ALL RIGHTS RESERVED.

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『おかあさんの木』

とある田園地帯。土地整備のため、昔からある7本の桐の木の伐採許可をとるべく、役所の職員は1人の老女を訪ねる。老女は、戦争へ行った7人の兄弟と、彼らを思い続けた母の悲しい物語を語り始める。

監督:磯村一路 出演:鈴木京香、志田未来、三浦貴大他/1時間54分/東映配給/丸の内TOEI他にて公開中 http://www.mothers-trees.com/
©2015「おかあさんの木」製作委員会

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『奇跡のひと マリーとマルグリット』

聴覚障がいの少女たちが暮らす修道院に、目が見えず耳も不自由な少女・マリーがやってくる。教育を受けずに育ち、まるで野生動物のように獰猛なマリー。そんな彼女に強い魂の輝きを見出した修道女・マルグリットは自ら彼女の教育係を申し出る。

監督:ジャン=ピエール・アメリス 出演:イザベル・カレ、アリアーナ・リヴォアール他/1時間34分/スターサンズ、ドマ配給/シネスイッチ銀座他にて公開中 http://www.kiseki-movie.jp/
©2014 – Escazal Films / France 3 Cinema – Rhone-Alpes Cinema

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『予告犯』

ある日、Tシャツ姿に新聞紙製の頭巾を被った謎の男が奇妙な動画を投稿し始める。その男“シンブンシ”はネット社会で炎上した当事者たちに動画で制裁を予告。次々とその通りに事件が起こっていく。制裁予告はしだいにエスカレートし、政治家の殺害予告にまで発展していく…。

監督:中村義洋 出演:生田斗真、戸田恵梨香他/1時間59分/東宝配給/全国東宝系にて公開中 http://www.yokoku-han.jp/
©2015映画「予告犯」製作委員会 ©筒井哲也/集英社

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『しあわせはどこにある』

精神科医のヘクターは、恋人・クララと何不自由なく暮らしていた。しかし患者たちの話を聞いているうちに自分自身も幸せを感じられなくなったヘクターは幸せのヒントを求め、世界を巡ることに。

監督:ピーター・チェルソム 出演:サイモン・ペッグ他/1時間59分/トランスフォーマー配給/6月13日よりシネマライズ他にて公開 http://shiawase-movie.com/
©2014 Egoli Tossell Film/ Co-Produktionsgesellschaft “Hector 1” GmbH & Co. KG/Happiness Productions Inc./ Wild Bunch Germany/ Construction Film. 2014 All Rights Reserved.

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『ハイネケン誘拐の代償』

1983年、オランダ・アムステルダム。大ビール企業・ハイネケンの経営者であるフレディ・ハイネケンが誘拐された。犯人は犯罪経験のない5人の若者。莫大な身代金を要求するが、老獪なハイネケンに翻弄され…。

監督:ダニエル・アルフレッドソン 出演:アンソニー・ホプキンス他/1時間35分/アスミック・エース配給/6月13日より新宿バルト9他にて公開 http://kidnapping.asmik-ace.co.jp/
©2014 Informant Europe SPRL, Heineken Finance, LLC ©Sofie Silberman 2014 ©Ben Rothstein 2014

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『モンタナ 最後のカウボーイ』

ハーバード大学感覚民族誌学ラボ傑作選ドキュメンタリーのうちの1本。放牧のため、おびただしい羊の群れをひきつれ250キロもの危険な道をゆくカウボーイを追ったドキュメンタリー。字幕は『精神』の想田和弘監督が監修。

監督:イリーサ・バーバッシュ、ルーシァン・キャステーヌ=テイラー/1時間41分/東風配給/6月13日よりシアター・イメージフォーラム他にて公開 http://www.hunt-the-world.com/
©Ilisa Barbash and Lucien Castaing-Taylor

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『アナーキー』

巨大なギャング団を率いる麻薬王・シンベリン。溺愛していた後妻・クイーンがローマ警察からの献金要求を断るようそそのかしたことから、血まみれの抗争が勃発する。シェイクスピア劇を現代に置き換え豪華キャストで描くクライムサスペンス。

監督:マイケル・アルメレイダ 出演:イーサン・ホーク、エド・ハリス他/1時間38分/武蔵野エンタテインメント配給/6月13日より新宿シネマカリテ他にて公開 http://qualite.musashino-k.jp/anarchy/
©2014 CYM Film Holdings, LLC. All Rights Reserved.

『バケモノの子』試写会に15組30名

2015.06.08 Vol.644

【日時】7月8日(水) 18時30分〜【会場】朝日ホール(有楽町)

『ベルファスト71』試写会に10組20名

2015.06.08 Vol.644

“血の日曜日事件”(1972年1月30日)発生前夜の1971年。IRA、北アイルランド問題を背景に、敵地に1人残されてしまった、政治的思想も戦う意義も持ち合わせていない若き兵士の悪夢の一夜を描いたサバイバル・スリラー。主人公の若き英国軍兵士・ゲイリー役にはアンジェリーナ・ジョリーの監督第2作『Unbroken』で主役に抜擢された若手英国イケメン俳優ジャック・オコンネル。突如、民族対立の最前線に立たされた青年の壮絶な緊迫感を見事に演じきる。

 1971年、紛争が激化している北アイルランドのベルファストに、イギリス軍の新兵ゲイリーが着任する。町は、複雑に絡み合う活動家たちの思惑が交差し、それぞれの側で主導権を握ろうと暗躍していた。ゲイリーは、パトロールの最中に争いに巻き込まれ、その間に、敵対派の少年に銃を盗まれてしまう。彼は、群集の中に逃げ込んだ少年を追うが、自分が敵のテリトリーにたった1人で入り込んでしまっていることに気づく。はたして、ゲイリーは生き残ることができるのか…。

 8月1日より新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開。

『この国の空』ゲスト登壇予定 完成披露試写会に15組30名

2015.06.08 Vol.644

 芥川賞作家・高井有一による谷崎潤一郎賞受賞作を、『ヴァイブレータ』『共喰い』など数々の作品で男と女のえぐ味とロマンチシズムを見事に表現した、日本を代表する脚本家・荒井晴彦が18年ぶりに自ら映画化。閉塞感と死の恐怖、不安に押しつぶされそうになる日々の中、若い女と妻子ある男が互いに求め合っていく姿を描く、人間ドラマ。

 主人公・里子役に二階堂ふみ。戦争という極限状態のなか「結婚もできないまま、死んでいくのだろうか」という不安と同時に、覚悟を決めて傍にいた妻子ある男・市毛との許されぬ恋に突き進む心の葛藤を見事に体現する。若い里子の命の輝きに引かれ、情熱的に求める男・市毛役に長谷川博己。他、工藤夕貴、富田靖子、石橋蓮司、奥田瑛二ら豪華実力派俳優が脇をかためる。戦時下の激しい空襲と飢餓が迫る恐怖のなかを生きる人々を丹念に描いた人間ドラマ。里子が朗読する、戦後を代表する女流詩人茨木のり子の詩『わたしが一番きれいだったとき』が、現代人の心に深い余韻を残す。

 8月8日よりテアトル新宿他にて公開。

デンマークの名優が孤高のガンマンに! マッツ・ミケルセン インタビュー

2015.06.07 Vol.644

 母国デンマークはもちろん、ヨーロッパでもハリウッドでも、その才能を認められている実力派俳優マッツ・ミケルセン。

『007 カジノ・ロワイヤル』では印象的な悪役ル・シッフルを演じてダニエル・クレイグの向こうを張る存在感を放ち、『偽りなき者』では第86回カンヌ国際映画祭主演男優賞を受賞。さらに最近では、ハリウッドのテレビドラマシリーズ『ハンニバル』で、あの“レクター博士”を演じ、注目を集めている。そんな彼の最新主演作『悪党に粛清を』はすべての映画ファンの心を酔わせる王道かつ磨き抜かれた西部劇。ミケルセンは、妻子の命を無残に奪った悪党たちに1人立ち向かう元兵士・ジョンを演じる。

「ジョンはとても寡黙な男です。でもセリフが少なくても感情を表現できるのが映画の醍醐味だと思う。広大な大地にポツンと人が映っているという映像でも、心情を伝えることができる。西部劇というのはまさに、映像で語るジャンルではないかな。日本の映画にも通じるものがありますよね。特に黒澤映画などでは20分もセリフが無いシーンもあるからね」

 それにしてもカンヌの主演男優賞後、本作で西部劇の寡黙なガンマンを、テレビシリーズで有名な猟奇殺人鬼を演じるというチョイスは、なかなかユニーク。

「確かにそうですね(笑)。でも戦略があるわけではないんですよ。欧州のファンを獲得したいならシネフィル系作品に出るだろうし、アメリカのファンにアピールしたければロマコメに出るだろうけど(笑)。僕にはそういうのはなくて、やってみたいと思った作品に出演しているだけなんです。もちろん今回の西部劇も本当に楽しみました。拷問されるシーンは辛かったけど(笑)。誰もが愛する西部劇の醍醐味がつまった作品なので楽しんでください」

いま世界で最も旬なイケメン若手監督グザヴィエ・ドランをフィーチャー!

2015.06.07 Vol.644

 自らが脚本、監督、主演を務めた長編デビュー作『マイ・マザー』がカンヌ国際映画祭で絶賛され、その後も独自の感性と才能で世界中を魅了し続ける、美しき俊英グザヴィエ・ドラン。まだ26歳ながら、世界中の映画人や映画ファンから称賛を得ている、注目の存在だ。一方、彼は俳優としても高い評価を得ており、最新主演作『エレファント・ソング』が現在、公開中。同作は、失跡した精神科医の謎を巡り病院の院長と、医師が担当していた患者・マイケルとが繰り広げる心理戦を描く。脚本を読んだドランは「(主人公の)マイケルは僕だ」と、出演を熱望したという。

 そんな注目の主演作公開を記念して、渋谷アップリンクでは6月20日よりグザヴィエ・ドラン特集〈DOLAN ANYWAYS〉を開催。『マイ・マザー』をはじめ、監督2作目『胸騒ぎの恋人』、3作目『わたしはロランス』、第70回ベネチア国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞した4作目『トム・アット・ザ・ファーム』を一挙上映する。見逃した人はもちろん、もう一度スクリーンでドラン作品に触れたい人は見逃せない特集上映となっている。

 期間中は『エレファント・ソング』の物語でカギとなる“チョコレート”を使った、併設のカフェ「Tabela」のパティシエによる限定コラボスイーツも登場。映画館のテイクアウトフードでは〈コリアンダーとナッツのチョコレートパウンド〉(300円)を、カフェではバナナか甘夏フレーバーを選べる〈エレファント・ガトーショコラ〉(680円)を販売。

 また、6月11日には〈映画『エレファント・ソング』+「ドラン先生の公開授業」上映会〉も実施する。

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