昨年に続き、今年も年末に格闘技のメジャーイベント「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2016 無差別級トーナメント 2nd ROUND/Final ROUND」(12月29、31日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ)が開催される。無差別級トーナメントが軸とはなっているが、ワンマッチにも国内外のさまざまな団体のトップランクの選手が集い、他では見られない斬新なマッチメークが並び、大きな注目を集めている。本紙ではなかでも注目の2選手に話を聞いた。 (本紙・本吉英人/撮影・蔦野裕)
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【RIZIN】日本の年末はやっぱり格闘技じゃなくっちゃ!! part.2[浅倉カンナインタビュー]等
現役女子高生ファイター 浅倉カンナ
「全然欲しい物がないので、ファイトマネーで新しい道具を買おうかな(笑)」
浅倉カンナは現在、都内の高校に通う現役女子高生でありながら、すでに総合格闘技で6戦5勝1敗のキャリアを持つ。
今回、12月29日にアリーシャ・ガルシアと対戦することが決まった。ちなみに昨年の年末は何をしていた?
「去年はジムの鶴屋先生の息子さんが31日にやった格闘技EXPOに出場されていたので見に行ったんですが、RIZINの本戦は見ずに帰っちゃって…」
なぜ本戦は見なかった?
「見たかったんですけど、なんか…嫌だった。なんというか、出場したいっていう“選手として行きたいな”みたいな気持ちが少しあったんですよね」
2016年は3試合をこなした。この1年間きっちり頑張ってきた結果、今年は出場することとなった。
「これまでも試合が決まったら、その試合に向けてきっちりやっていたんですけど、今年はRIZINに出たいという気持ちを1年間ずっと持ってやっていましたね」
出場が発表されてからの周囲の反応は?
「学校の子からすごく声を掛けられるようになりました。“自分もやっています”という男子とかにも」
“でもあたしのほうが強いんだぞ!”って感じ?
「(笑) “負けないな”とは思いますけど、さすがにそういうことは言わないです」
日に日に注目度が高くなっているのだが、そんなにプレッシャーを感じているようには見えない。
「あんまり感じていません。むしろ楽しみなんです」
対戦相手のガルシアは日本でもおなじみのジョシュ・バーネットの秘蔵っ子。カード発表会見はインターネットで生中継されていたのだが、ガルシアはフェイスブックを通じて浅倉を挑発してきた。
「びっくりしました。ホントは“こわ”って思いましたね(笑)」
クールに受け流していたように見えたが…。
「あ、大丈夫でした? 会見自体は緊張していたので司会の人に呼ばれた時には、びくっとしちゃいました(笑)」
ガルシアは「私は意地悪な女」と気の強さアピールしていたが…。
「そこは“効いてねえよ”って思いましたね。“別にいいよ、意地悪でも”って(笑)」
淡々とした受け答えで、ガルシアからすれば “すかされた”格好だ。
「良かったです。それ狙いでした(笑)」
試合をやる中で怖いと思ったことは?
「レスリングをやっていたときは打撃がなかったので怖いという気持ちはなかったんですけど、総合になってからは怖いという気持ちはいまだにあります。でも試合ではパンチが当たっても “痛っ”てよりも、“やられた、行かなきゃ”という気持ちになるので痛くないから全然怖くない。試合が終わって体がさめてくるとあちこちが痛くなるんです。だから試合後に“パンチもらったけど大丈夫か?”って鶴屋先生に聞かれても、“えっ? 当たったっけ?”みたいな感じです」
ファイトマネーの使い道は考えてる?
「(笑)まっったく考えていないんです。ファイトマネー目的というよりも、格闘技が好きで勝ちたくてやっているので」
なにか買いたいものがあるとかは?
「ぜんっぜん、ホントに欲しいものが全くなくて(笑)」
道具くらい?
「そうですね。全部いいのに買い換えようかな(笑)」
テレビも朝出がけにちらっと見るだけとか。最近のアイドル的なものにも全然興味がない?
「ないですね。学校でドラマの話とかを友達がしていても、全くついていけないです」
今はどういう生活サイクル?
「ふだんは学校が夕方4時くらいに終わって、その後、パラエストラ柏か松戸で練習しています。練習が終わって家に帰るのが12時を過ぎちゃうことも多いので、家にいる時間がほとんどないんです。日曜はオフなんですが、週6でびっしりやっています」
日曜日は何をしている?
「映画を見たりとか友達と遊びに行ったりとか。家でじっとしているのが嫌なんですよ。なんかしたくなっちゃって、どっか出掛けちゃいます」
遊びに行くっていっても、きっと今どきの女子高生っぽい遊びじゃなさそう…。映画とかもラブロマンスとかじゃなくてアクションとか?
「ふふ。意外と恋愛映画とか見たりしますけどね(笑)。そこは女の子らしく(笑)」
29日の試合が終わったら取りあえず何をしたい?
「試合までの想像しかしていないので、試合後のことはまだなにも考えていないんですけど、とりあえず勝って…、お正月があるので多分太ると思います(笑)。勝った時って、いろいろな人がごちそうしてくれるんです。やっぱり太りますよ(小声)」
今後、格闘家としての未来図は?
「今はまだ1つずつ試合をやっていくことを一番に考えていますけど、やっぱり海外の試合にも興味があります。(Invicta FC世界アトム級王者の)浜崎朱加選手を見ていると、ああいう舞台に出てみたいなって思います」
格闘家イケメンファイル Vol.62 一度引退した激闘王 石橋佳大(いしばし・けいた)
先月行われたプロフェッショナル修斗公式戦 環太平洋フェザー級チャンピオンシップで岡田遼に勝利、王座を獲得した石橋佳大。今年のベストバウトとも称される激しい試合は、背水の陣で臨んだものだった。
「2度目のチャンピオンシップだったので、2回挑戦してダメだったら多分3回目はもう回ってこないだろうなと思っていた。これで負けたら引退かなと。ですから、今までで一番強い覚悟を持って挑めましたし、それまでの練習も本当に充実していました」と石橋。「1度目のチャンピオンシップは根津優太選手。その時は、試合後倒れてしまって全く動けなくなり、人生の中で一番苦しい思いをしたんです。でもそれがあったから、どれだけ疲れ果てても、ウオーミングアップだと思える。あの時は倒れたまま、このまま死ぬんじゃないかと思ってましたから。根津戦以上の苦しみはないと思い練習してきて、それが今のファイトスタイルにつながっているような気がします。今回対戦した岡田選手も前評判通り強くて、僕がどう攻めてもうまくいなされた。とにかく全局面で対処され、なかなか突破口が見つからない。今でもトータルの総合格闘家としての能力は岡田選手のほうが上だと思いますもん。勝因? うーん、場数ですかね。くぐってきた修羅場の数が違いますから(笑)」
あくまで謙虚な石橋だが、その背景には大きな挫折があった。
「2009年にデビューしたんですが、5戦やって1勝4敗と成績がまったく振るわなかった。それで負けすぎて嫌になって2年間格闘技をやめていたんです。週に1回柔術クラスの指導をしていたので、現場監督のようにジムに顔を出すだけで、気持ちはやさぐれていた(笑)。本当にそれ以外は何にもやっていなくて…。しかし、2013年の夏にミヤオ兄弟という柔術の世界チャンピオンが日本のトーナメントに出場したのを見て、柔術ならちょっとやりたいなっていう気持ちになった。MMAはまだやる気にならなかったんですけど、柔術を始めると楽しくなってきて。それからまず体作りから始めていた時に、先日引退した菅原(雅顕/前世界バンタム級王者)選手からスパーリングの相手になってくれないかと頼まれて、パートナーを務めているうちに、それも楽しくなってきて(笑)。もう1試合ぐらいやってみて、それでダメだったら引退すればいいかと思って復帰しました」
復帰後は気持ちの面で大きく変わったという。
「今思うと、デビューしてからの試合は“これで勝てるでしょ”ぐらいの気持ちで試合に出ていたような気がします。しかし、復帰してからは負けたら終わり、負けたら今後一切格闘技はやらないという覚悟でやっています。練習でも全部出し切ってやる。そいういう覚悟が以前とは変わったところですね。また、以前は秒殺してやろうと思って試合に臨んでいましが、今は全部出し切って判定ギリギリでもいいから勝とうという意識に変わりました。そう思うと不思議なことに、秒殺で勝っちゃったりする(笑)。復帰戦で1分ほどで勝ててから、それから5連勝してチャンピオンシップまで行けたので、気持ちの問題ってすごく大きいなと。常にあと1回負けたら辞めようと思い続けて、気がついたら勝ちを積み上げていたという感じです」
デビュー後の敗戦がトラウマなのか、チャンピオンになっても、やすやすと実力を過信しない性格に。
「僕は戦績がいいほうじゃないんです。ランキングを見てもまだまだ自分が強いという自覚がない。確かにチャンピオンになってベルトは取りましたが、ベルトを巻いたからといって、自分が一番強いとは思っていないです。逆に、自分が最強だと思ったら、それ以上強くはなれない気がする。1勝4敗から這い上がってきた負け犬根性で戦ってきた気持ちは忘れないですね」
今後は挑戦される立場だ。
「そうは言ってもこれからは狙われる立場だというのは、しっかり自覚しているので、常に戦える準備はしておきたいなと思います。地味な選手ですがベルトを譲る気は毛頭ないので、また激しい試合をして最後は絶対に極めて勝つ。自分では全然期待されていないチャンピオンだと思うので、これからも挑戦者の気持ちで頑張っていきたいと思います」
『マグニフィセント・セブン』試写会に15組30名
世界の名だたる監督たちに多大な影響を与えた黒澤明監督の代表作『七人の侍』と、西部開拓時代のメキシコに舞台を移してリメイクされた『荒野の七人』。映画史に金字塔を打ち立てたこの2作を原案として、『トレーニング デイ』のアントワーン・フークア監督が新たな伝説を築く!
キャストには、主演のオスカー俳優デンゼル・ワシントンを筆頭に『ブルーに生まれついて』のイーサン・ホーク、『ジュラシック・ワールド』のクリス・プラット、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』のイ・ビョンホンら、豪華な顔ぶれが集結。オリジナルのDNAをどう昇華させるのか期待大。
冷酷非道な悪漢バーソロミュー・ボーグに支配された町ローズ・クリークで人々は絶望的な日々を送っていた。ある日、ボーグに家族を殺されたエマは賞金稼ぎのサムを中心とした7人のアウトローを雇い、正義のための復讐を依頼。最初は金のために集まった即席の集団だった彼らだが、町を守るため命をかけた戦いに挑んでいく。
2017年1月27日(金)より全国公開。
『ザ・コンサルタント』試写会に15組30名
『アルゴ』『バットマン vs スーパーマン』のベン・アフレック最新主演作。表の顔は会計コンサルタント。本業は腕利きの殺し屋。アメリカ政府からも追われる、その男の正体とは!?
ミステリアスな主人公にまつわる謎を追う緊迫のストーリーに加え、劇中でアフレックが披露する激しいアクションも見どころ。バットマンから一転、強烈なアンチ・ヒーローを演じたアフレックに絶賛評が相次いでいる。共演は『マイレージ・マイライフ』のアナ・ケンドリック、『セッション』のJ・K・シモンズ。『プライド&グローリー』のギャビン・オコナー監督がメガホンを取った。
田舎町のしがない会計士クリスチャン・ウルフは、ある大企業から財務調査の依頼を受ける。彼は重大な不正を見つけるが、なぜか依頼は一方的に打ち切られ、その日から何者かに命を狙われるようになる。実は、ウルフは世界中の危険人物の裏帳簿を仕切る裏社会の“掃除屋”でもあったのだ…!
2017年1月21日より丸の内ピカデリー他にて公開。
『未来を花束にして』試写会に15組30名
女性に参政権が認められていなかった20世紀初頭のイギリスで、権利を求めて闘った女性たちの実話を描く感動作。ごく普通な主婦でありながら参政権運動に身を投じ自らも変貌していく主人公モード役に『華麗なるギャツビー』のキャリー・マリガン。その夫にベン・ウィショー。実在する女性運動の指導者エメリン・パンクハースト役にメリル・ストリープ。モードの同志役にヘレナ・ボナム=カーター。
1912年、ロンドン。劣悪な環境の洗濯工場で働くモードは、夫サニーと幼い息子ジョージの3人で暮らしていた。ある日、モードは洗濯物を届ける途中でWSPU(女性社会政治同盟)の活動に遭遇する。アイルランドでテロ対策に辣腕をふるったスティード警部により、歴史上初となるカメラによる市民監視システムが導入されたために、無関係だったモードもターゲットの1人として認識されてしまった。モードは。下院の公聴会で証言することになるが…。
2017年1月27日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ他にて公開。
おやすみ王子・吉沢亮 忙しい女性に癒しを
12月20日からNHKのEテレで、仕事に家事に育児に疲れた女性を“おやすみ王子”が読み聞かせで癒してくれる番組が4夜連続で放送される。
「芝居のセリフだと、自分が言いやすいように変える事もありますが、今回は作家さんの作品なので、一字一句間違えられないというプレッシャーはありました」と“おやすみ王子”吉沢亮。落ち着いた声と優しい語り口で、人気女性作家が同企画のために書き下ろした作品を読み聞かせる。
「一夜目の山田詠美さんの『ヴァン・ショーの夜』は、表現がストレートで、読んでいてすごく楽しかったです。二夜目の森絵都さんの『青々』は、世界観が絵本に近く、ほっこりする作品。三夜目の村田紗耶香さんの『大きな星の時間』は、ファンタジーですが、現代の風刺が入っていて、不思議な読後感があります。そして四夜目の宮下奈都さんの『椿』は、愛がすごく伝わってきて、読んでいて泣きそうになりました。すごく好き。どの作品も最後にはホッとする話になっています」
VR(バーチャルリアリティー)でも撮影。吉沢とWEBチャットをしているような映像が楽しめ、まるで添い寝して物語を聞かせてくれているような気分に。
「VRに関しては、何か事前に決めてやるというより、その時の気持ちで動くことで、リアリティーが出れば面白いと思ってやりました。『ヴァン・ショーの夜』のVRを撮っている時は、一緒に出演しているパグがベッドの上で思い切りおしっこを漏らしてしまって(笑)。そのまま進行していたんですけど、さすがにまずいなという雰囲気になり、結局撮り直しました(笑)」
疲れた夜も楽しくなりそう。
「王子なので、普段だったら照れくさくて言わないような台詞も言っています。忙しい毎日を送っている女性に、この瞬間だけでも、安心してもらえる時間になればいいなと思ってやりました」
NHK Eテレ「おやすみ王子」
<4夜連続・7分バージョン>
12/20(火)深夜1時40分? 47分
12/21(水)深夜1時50分? 57分
12/22(木)深夜1時45分? 52分
12/23(金)深夜1時25分? 32分
<再構成28分バージョン>
12/24(土)深夜0時30分? 58分
12・9 WRESTLE-1 河野がイケメン返り討ち。若手軍は全滅
プロレスリングWRESTLE-1の「WRESTLE-1 TOUR 2016 SHINING WINTER」後楽園ホール大会が9日開催された。
今年最後となる後楽園大会は全7試合中4試合がタイトル戦という豪華版。それ以外も芦野祥太郎の復帰戦、そしてDRAGON GATEから鷹木信悟が参戦し武藤敬司と6人タッグを結成するなど見どころの多い大会となった。
WRESTLE-1のリングはこの秋から世代闘争が勃発。10月の後楽園大会で若手軍とベテラン軍の「5対5イリミネーションマッチ」でベテラン軍が勝利を収めるとその勢いをかって11月の後楽園大会では河野真幸がWRESTLE-1チャンピオンシップ王者の稲葉大樹を破り王座に就くなど、ケンカを売られた格好のベテラン組が徐々に盛り返す。そんななか、若手軍はチーム名を「NEWERA」と改め、この日を迎えた。
タイトル戦は4試合とも世代闘争を反映したマッチメーク。
メーンは王者・河野に黒潮“イケメン”二郎が挑戦する「WRESTLE-1チャンピオンシップ」。イケメンは直近の直接対決では丸め込みながら河野にピンフォール勝ち、自らのプロデュース大会でスペル・デルフィンに勝利、そして全日本プロレスの両国大会に乗り込み「GAORA TV王座」を奪取するなど上げ潮ムード。この日も入場からいつものイケメンワールドを展開。観客席を練り歩きながらたっぷり時間をかけて入場し、ファンの気持ちをがっちりとつかむ。
試合も河野のシビアな攻撃を受けながらも、これまでにない動きを見せ反撃。
河野がチョークスラムで場外に投げ捨てようとすると、その右腕をぶら下がり式の三角絞めにとらえダメージを与える。終盤にもチョークスラムを飛びつき式腕十字に、そしてアームドラッグから変形の裏十字固めにとらえあわやギブアップの場面を作り出す。かつての師匠・船木誠勝のフィニッシュホールドであるハイブリッドブラスターまで繰り出し河野を追い込むが、最後は河野のランニングニーを顔面にまともに食らい、とどめのフライングニードロップで3カウントを許した。
試合後、河野は「今日は俺の勝ちだ。NEWERA、新しいチームになった日にベルトなしか。ベルトは全部こっちじゃねえか。考え方が甘いんだ。俺たちがちょっと本気を出したらこれ。これが現実」と切って捨てた。
人はこんなにも愚かで愛おしい。 名匠イオセリアーニの映画哲学
世界三大映画祭で数々の賞を受賞し、『月曜日に乾杯!』『ここに幸あり』などのヒットにより、日本でも熱烈なファンの多い名匠オタール・イオセリアーニ監督。その最新作『皆さま、ごきげんよう』は、混沌とする現代社会に生きる人々を見つめ続けたイオセリアーニ監督の集大成ともいえる作品。
80歳を超えてなお映画への情熱はとどまることを知らず。ついでに酒好きも相変わらずのようで「酒はなんでも好きだよ」とグラスを傾けながらのインタビュー。物語はフランス革命の情景から始まり、戦争の時代を経て現代パリの街角が舞台となる。
「私は高層ビルに住んでいる人物には興味が無いんだ。街角でこそ、人のさまざまな営みを見ることができる。とくにパリは、さまざまな歴史を背負ってきた街だからね。革命、戦争、差別や格差…歴史の影の部分も語ることができる」
アパートの管理人にして武器商人の男と、骸骨集めが大好きな人類学者という友人同士の2人を主軸に、のぞき趣味の警察署長やローラースケート強盗団などさまざまな登場人物が万華鏡のように描かれる。
「ここで語られているのは、いわゆる比喩なんだ。彼らは、過去から綿々と続く人間の営みを表現している。日本の映画だと『羅生門』なども優れた比喩で人間を描いた作品だね」
一見、物語は自由気まま。しかしそれは綿密なストーリーボードに基づいている。
「私はアドリブなども一切認めないんだ。私の現場は独裁的だね(笑)。作家が作品を作るということは、そういうものだ。今回も素晴らしい役者たちがそれを可能にしてくれた」
不条理にしか見えない“街角”のどこかに、きっと美しい庭への入り口がある。そんなことを“人生の達人”が教えてくれる。
3年ぶり待望の再演 青年団国際演劇交流プロジェクト2016『愛のおわり』
平田オリザが芸術監督を務めるこまばアゴラ劇場とフランスの劇作家・演出家パスカル・ランベールが芸術監督を務めるジュヌヴィリエ国立演劇センターは2007年にランベールの『愛のはじまり』日本版を上演以来、緊密な交流を続けている。
今回上演する『愛のおわり』は2011年のアヴィニヨン演劇祭で大ヒットし、2012年のフランス劇文学賞大賞、2013年のフランス演劇賞の主演女優賞および戯曲賞を受賞するなど、大きな話題を集めた作品。
フランス国内外で、各言語バージョンも含め多く上演され、日本では2013年に初演された。
その日本初演から今回は平田が積極的に台本作成や演出に関与。「日本版」ともいえる『愛のおわり』が完成した。
キャストも初演同様、兵頭公美と太田宏。
物語は男優と女優が稽古場で別れ話をするというものなのだが「なぜ2人は別れたほうがいいか」ということを前半は男が一方的に、後半はその逆に女が一方的に語っていく。
初演時は見る者のそのとき置かれていた状況やメンタルによってずいぶんと感想や印象が違うとされた。続けて見た人に改めて感想を聞いてみるのも面白そうな作品だ。
【日時】12月22日(木)?28日(水)(開演は月火木19時、水金土日14時。開場は開演20分前。当日券は開演40分前)【会場】こまばアゴラ劇場(駒場東大前)【料金】日時指定・全席自由席・整理番号付 前売・予約・当日ともに一般3000円、学生2000円【問い合わせ】青年団(TEL:03-3469-9107=12?20時 [HP] http://www.seinendan.org/ )【作】パスカル・ランベール【翻訳】平野暁人【日本語監修】平田オリザ【共同演出】パスカル・ランベール、平田オリザ【出演】兵藤公美、太田宏
アグレッシブな10周年を締めくくる新作公演 柿喰う客『虚仮威』
2016年の今年、結成10周年だった柿喰う客は「10万人動員宣言」を掲げ、動画・戯曲の無料配信、学生劇団への支援などを行ってきた。
また劇団主催の演劇フェスティバル「柿喰う客フェスティバル2016」の始動、十八番ともいえる「女体シェイクスピアシリーズ」のリニューアルなど、劇団はもとより、演劇文化の発展という目的で一貫して攻めの姿勢で活動を続けてきた。
なかでも「柿喰う客フェスティバル2016」は6月に王子小劇場を約1カ月借り切り、5作品をリバイバル上演するという破天荒な試みだった。
今回の公演はその10周年を締めくくるべく、メンバー総出演の新作本公演。昨秋に募集した新メンバーもここでそろい踏み。来年からの次の10年に向けて新たなスタートとなる。
毎公演後には演出家や出演者などによるアフタートーク。大晦日の夜は終演後に「年越新春イベント」を開催する。
【日時】12月28日(水)?2017年1月9日(月)(開演は28・5・6日19時、29・3日14時/18時、30・4・7?9日14時、31日16時/21時。1・2日休演。開場は開演30分前。受付開始は開演1時間前)【会場】本多劇場(下北沢)【料金】極楽席6800円(特典付き)、一般4800円、学生2800円、高校生以下1800円(学生、高校生以下は枚数限定。チケットぴあのみの取り扱い。当日受付にて座席指定券と引換。要学生証)/なかよし一般3800円、なかよし学生2000円、なかよし高校生1500円(なかよし割は、同一券種同一日時で3人以上での購入に限る。チケットぴあのみ取り扱い。当日受付にて座席指定券と引換)【問い合わせ】ゴーチ・ブラザーズ(TEL:03-6809-7125=平日10?18時 [劇団HP] http://kaki-kuu-kyaku.com/ )【作・演出】中屋敷法仁【出演】七味まゆ味、玉置玲央、深谷由梨香、永島敬三、大村わたる、葉丸あすか、牧田哲也、加藤ひろたか、原田理央、田中穂先、長尾友里花、福井夏

